先生、質問です。

ひらめ

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気持ち

先生、いいですよね

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あれから何となく先生を意識してしまい
見かけると目で追ってしまうようになった。


ただの憧れ、見るだけで嬉しい
そんな感覚


体育の授業で体育館にてバレーボールをした
運動は得意ではないけれど、みんなの足を引っ張らないようにという気持ちで取り組んでいた。
同じチームに彩奈がいた


彩奈「小春!同じチームだし頑張ろ!」

小春「うん!バレーボール苦手だけど、がんはる!!!」

彩奈「気楽に楽しんでやればいいって!大丈夫!」



彩奈の存在は大きかった、頑張ろうと思えた。
得意ではなかったスポーツが楽しく思えた。
わたし達チームの試合も終わり彩奈と体育館の壁にもたれ掛かるようにして座る


すると平野先生がきた。


先生「お前たち楽しそうにしてたな!いいチームワークだったよ!」

彩奈「うちがいるから任せて~!先生!」

彩奈と先生はとても楽しそうに話していて先生との距離が近く感じる。
わたしもこんなふうになれればな。
そしてわたしは先生とたいして会話も出来ず
先生は他の生徒のところに行ってしまった。


彩奈「ねえー!先生てかっこいいよね!!タイプ!!彼女いるかな?ねー、先生とか無理かな?」

彩奈の言葉を聞いた瞬間心がズキンとしたのが分かった

小春「この前、わたし先生が奥さんといるところみたよ?結婚してるって。綺麗な人だった。」

彩奈「まじでーーーー!そりゃそうだよねー、あんなかっこいい人いたら世の中の女はほっとかないっしょ!しゃーない!」



彩奈に言った言葉は自分に言い聞かせるために言っているようだった。
彩奈の明るい返答にわたしは救われた。



今日も淡々と授業が終わり、放課後は萌と久しぶりに一緒に帰る。
靴箱で待ち合わせている。
彩奈たちとも別れを告げ、靴箱で萌と落ち合う



萌「久々だよね、一緒帰るの!今日どこいく?」

小春「どこいくー?カラオケいきたいかも!」


すると携帯に通知がきた。

聖からのLINEだった。


聖LINE「おーい、既読スルーすんなよ!」

小春「あ、聖からLINEだ。わたしLINE返すの忘れてたわ。」

萌「うわ、返事待ってるね(笑)もう会ってあげな~?」

小春「うーん、気が乗らないんだよね。」

萌「そーゆーのがないと出会いてないじゃん!聖から繋げてもらお?そしてわたしにも紹介して!(笑)」



妙に納得してしまい、高校生といえば彼氏を作り
ザ 青春  というイメージ
彼氏を作るためにこういうのも必要かと思う


萌と2人でカラオケに行った
その時に聖にも会おうと伝えた
ふと、萌には先生に憧れてること伝えよう
そう思った


小春「ねえ、萌。平野先生ってどう思う?かっこいいよね。」

萌「確かに。あんな爽やかなイケメン中々教師でいないよね!モテ慣れてる感じ。」

小春「だよね。」

萌「こはる?珍しいよね、小春がそんな事言うの。小春から男の人をそんなふうに言うの初めて聞いたかも」

小春「そーなんだよー。奥さんいたしもう無理なのわかってるんだけどさ、先生意識しちゃう。こんな私の存在先生が知ってくれてて、しかもいつも爽やかな笑顔じゃん?みてて辛いわ~」



萌にはスラスラ気持ちを伝えられた。
こうやって気持ちを友達に伝えるだけで
どんどん気持ちが大きくなるのがわかった。



萌「奥さんいるし、目の保養だけにしときな?(笑)小春には聖がいるじゃん!」

小春「ちょっと待って!聖わたしのこと何とも思ってなかったら、かなり恥ずかしいんだけど!」

2人でケラケラ笑いながら楽しい時間を過ごした



萌の言う通り、学校という縛りの中の
少しの癒し程度で終わればいい。
先生、いいですよね。こんな風に先生のこと影で想うこと。
ほんの少しの光になってくれればそれでいいです。
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