vampire girl

vampire girl

　私の家には吸血鬼がいる。
　ある日、道端で倒れているのを見つけてから、この家に泊めている。
　血肉は普通の肉を食べればどうにかなるらしく、至って普通の二人暮らしが続いていた。
　彼女は人並み以上に家事も料理も出来て、毎日ありがたかった。
「そういえば、どうしてこんな、色々としてくれるんですか？」
　ある日気になって、本人に聞いてみた。これくらいできるのなら、他でも暮らしていけるのに、と。
　すると彼女はこう言った。
「君には、当たり前の優しさがあるから。ただ、それだけ」
　そう言って、彼女は微笑んだ。