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第二章 立志編
第40話 狂気の支配者
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(何なんだいこれは……)
ウルティマの目の前で部下達がどんどん惨殺されていく。その恐怖に支配されて同士討ちが始まり、現場が混乱していく。
(これは精神系のスキル? いや違う! スキルを発動した痕跡がない!)
ウルティマは看破のスキルを持つ。相手が嘘をついていればわかるし、悪意を持っているとわかればそれなりの対応も出来る。なんのスキルを発動したのかもわかる。だが、スキルを使っているわけじゃなかった。
この男は嘘を付いているとスキルでわかっていたが内容まではわからない。だから部下達を配置させていた。その嘘は30%を10%と偽っていたただの駆け引きだったのだが見誤った。侮られていると思い70%と吹っかけてみた。実際自分の管理している店のあがりは50%だ。90%なんて無茶な要求はしない。
話しが破談となった時、嘘偽りない本心なのがわかってさらに激昂してしまった。クロと呼ばれるこの男から悪意と敵意が高まっていくのが見えたからだ。
今思えば、四天王として舐められてはいけないという小さなプライドがこの窮地を招いてしまったのだろう。
「あんた達! なにしてんだい! 敵は一人だよ!! さっさと殺しな!!」
ウルティマの怒号は部下達に届かず、一人また一人倒れていく。驚くべき事にクロと呼ばれる男は素手で蹂躙していく。たまに部下が落とした武器を拾い攻撃するが一撃でその力に耐えきれず壊れる。
騒ぎを聞きつけた者が次々と部屋に入っていくが簡単に命を狩られ、それを見た者が恐怖に飲み込まれるという悪循環が生まれていた。
「あ~楽しいなあ! おい女帝! お前戦わないの?」
「ひぃっ!」
辺り一面が地に染まり、その中央に男が一人たっている。さっきまで穏やかに紳士に話をしていた男が、今は殺戮を楽しみこの場を支配している。
「まるで狂気……わ、私は女帝マザーウルティマだよ! タダで済むと思ってんのかい!」
「安心しなよ? お前今から死ぬんだから気にすんな」
(とんでもない奴を招き入れたもんだね……看破のスキルでここまでのし上がって来たのに、最後はこれかい……)
「最後に何か言う事は?」
「化け物め」
パシュっ!
「失礼な、俺は人間だよ」
頭が無くなったウルティマの身体が静かに倒れていく。
ガラガラガラ!
「クロ様! 静まって下さい! 飲み込まれては駄目!」
バリケードから這い出て来たエリーナがクロを後ろから抱きしめ神聖魔法をかける。
「何だ貴様は……うっ!」
「クロ様! 私がわかりますか?」
クロは頭を押さえて片膝をつく。
「私の目を見て下さい!」
「エ、エリー……ナ?」
「そうです! エリーナです!」
【エリーナちゃん、ちょっと離れてて~】
「デニス様! クロ様が! クロ様が!」
【うん、うんわかってるよ~】
静かに顕現したデニスがクロへ歩み寄る。
「やあブラザー? 元気かい?」
「……デニス?」
【そう! きみのブラザーデニスだよ~】
「誰がブラザーだ! くっ!」
【う~ん、その称号影響力すごいね! でも問題なのはそこじゃなくてエクストラスキルの方かな~】
「エ、エクストラスキル?」
【エリーナちゃんがいればそのスキルも効果的に使えると思ったんだけど……対勇者用にね】
「た、対勇者用スキルだと? いいなそれ……」
「デニス様! クロ様のエクストラスキルとはどのような!? 危険なのですか!?」
【エクストラスキル懺蛇。この意味はクロっちならわかるよね?】
「クロっちは止めろ……なんか嫌だ。懺蛇か……あ~そういう事か」
【そう! そっちに意識が引っ張られて自我を失う。狂戦士化と近いけど、それより凶悪だね~。あと魔闘術だよねそれ? クロやんなんで魔闘術を……あ~そういう事か! 困ったなあ】
「も、勿体ぶるなよ……ブラザー! 」
【相性が良すぎてやばい的な?】
「ざっくりだな……」
【う~ん……よしっ! エクストラスキル消しちゃおう!】
「……えぇ……もったいない……せっかくのエクストラスキルが……」
【消すのは嫌なの? う~ん大サービスだよ? 新しいエクストラスキル付けてあげるからいいでしょ?】
「それは棚からぼたもちだな……どんなスキルだ?」
【僕的には勇者になってもらいたいんだけど……嫌だよね?】
「あ、当たり前だ!」
【じゃあしょうがない! 並列意思のスキル付けてあげるからさ懺蛇をコントロールできるようになってね? じゃあ僕は行くよブラザー! あっそういば君は僕の使徒という扱いになってるからさ? 僕が下界に顕現しやすそうな御神体を用意してくれたらそこに入れるからよろしくね? 僕神々しくてさ簡単に出てくると皆んなびっくりしちゃうからさ】
「お前は天界に引っ込んでろよ! あれ? 何か身体が軽くなった」
【そりゃ僕の使徒だからね? 神パワーで全回復ってチートだよ ハハハッ! じゃあそう言う事で!】
「デニス様! ありがとうございました」
光が収束し血塗れの部屋に舞い戻った。
「エリーナ、ありがとう」
「いえいえ、ご無事でなりよりです騎士様」
「騎士様はやめて……」
この日、四天王の一人が消えさらに混沌としていく。
ウルティマの目の前で部下達がどんどん惨殺されていく。その恐怖に支配されて同士討ちが始まり、現場が混乱していく。
(これは精神系のスキル? いや違う! スキルを発動した痕跡がない!)
ウルティマは看破のスキルを持つ。相手が嘘をついていればわかるし、悪意を持っているとわかればそれなりの対応も出来る。なんのスキルを発動したのかもわかる。だが、スキルを使っているわけじゃなかった。
この男は嘘を付いているとスキルでわかっていたが内容まではわからない。だから部下達を配置させていた。その嘘は30%を10%と偽っていたただの駆け引きだったのだが見誤った。侮られていると思い70%と吹っかけてみた。実際自分の管理している店のあがりは50%だ。90%なんて無茶な要求はしない。
話しが破談となった時、嘘偽りない本心なのがわかってさらに激昂してしまった。クロと呼ばれるこの男から悪意と敵意が高まっていくのが見えたからだ。
今思えば、四天王として舐められてはいけないという小さなプライドがこの窮地を招いてしまったのだろう。
「あんた達! なにしてんだい! 敵は一人だよ!! さっさと殺しな!!」
ウルティマの怒号は部下達に届かず、一人また一人倒れていく。驚くべき事にクロと呼ばれる男は素手で蹂躙していく。たまに部下が落とした武器を拾い攻撃するが一撃でその力に耐えきれず壊れる。
騒ぎを聞きつけた者が次々と部屋に入っていくが簡単に命を狩られ、それを見た者が恐怖に飲み込まれるという悪循環が生まれていた。
「あ~楽しいなあ! おい女帝! お前戦わないの?」
「ひぃっ!」
辺り一面が地に染まり、その中央に男が一人たっている。さっきまで穏やかに紳士に話をしていた男が、今は殺戮を楽しみこの場を支配している。
「まるで狂気……わ、私は女帝マザーウルティマだよ! タダで済むと思ってんのかい!」
「安心しなよ? お前今から死ぬんだから気にすんな」
(とんでもない奴を招き入れたもんだね……看破のスキルでここまでのし上がって来たのに、最後はこれかい……)
「最後に何か言う事は?」
「化け物め」
パシュっ!
「失礼な、俺は人間だよ」
頭が無くなったウルティマの身体が静かに倒れていく。
ガラガラガラ!
「クロ様! 静まって下さい! 飲み込まれては駄目!」
バリケードから這い出て来たエリーナがクロを後ろから抱きしめ神聖魔法をかける。
「何だ貴様は……うっ!」
「クロ様! 私がわかりますか?」
クロは頭を押さえて片膝をつく。
「私の目を見て下さい!」
「エ、エリー……ナ?」
「そうです! エリーナです!」
【エリーナちゃん、ちょっと離れてて~】
「デニス様! クロ様が! クロ様が!」
【うん、うんわかってるよ~】
静かに顕現したデニスがクロへ歩み寄る。
「やあブラザー? 元気かい?」
「……デニス?」
【そう! きみのブラザーデニスだよ~】
「誰がブラザーだ! くっ!」
【う~ん、その称号影響力すごいね! でも問題なのはそこじゃなくてエクストラスキルの方かな~】
「エ、エクストラスキル?」
【エリーナちゃんがいればそのスキルも効果的に使えると思ったんだけど……対勇者用にね】
「た、対勇者用スキルだと? いいなそれ……」
「デニス様! クロ様のエクストラスキルとはどのような!? 危険なのですか!?」
【エクストラスキル懺蛇。この意味はクロっちならわかるよね?】
「クロっちは止めろ……なんか嫌だ。懺蛇か……あ~そういう事か」
【そう! そっちに意識が引っ張られて自我を失う。狂戦士化と近いけど、それより凶悪だね~。あと魔闘術だよねそれ? クロやんなんで魔闘術を……あ~そういう事か! 困ったなあ】
「も、勿体ぶるなよ……ブラザー! 」
【相性が良すぎてやばい的な?】
「ざっくりだな……」
【う~ん……よしっ! エクストラスキル消しちゃおう!】
「……えぇ……もったいない……せっかくのエクストラスキルが……」
【消すのは嫌なの? う~ん大サービスだよ? 新しいエクストラスキル付けてあげるからいいでしょ?】
「それは棚からぼたもちだな……どんなスキルだ?」
【僕的には勇者になってもらいたいんだけど……嫌だよね?】
「あ、当たり前だ!」
【じゃあしょうがない! 並列意思のスキル付けてあげるからさ懺蛇をコントロールできるようになってね? じゃあ僕は行くよブラザー! あっそういば君は僕の使徒という扱いになってるからさ? 僕が下界に顕現しやすそうな御神体を用意してくれたらそこに入れるからよろしくね? 僕神々しくてさ簡単に出てくると皆んなびっくりしちゃうからさ】
「お前は天界に引っ込んでろよ! あれ? 何か身体が軽くなった」
【そりゃ僕の使徒だからね? 神パワーで全回復ってチートだよ ハハハッ! じゃあそう言う事で!】
「デニス様! ありがとうございました」
光が収束し血塗れの部屋に舞い戻った。
「エリーナ、ありがとう」
「いえいえ、ご無事でなりよりです騎士様」
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この日、四天王の一人が消えさらに混沌としていく。
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