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第二章 立志編
第55話 暖簾に腕押し
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「クロ様! お久しぶりです!」
「マリベル、元気そうでなりよりだ」
「はいっ!」
はち切れんばかりの笑顔で出迎えたマリベルは、今にも抱きつきたいという衝動を必死に抑え震えていた。
「あっ///」
クロはそんなマリベルの頭を撫で労う。
「えへへっ!」
「おい! 俺には何もないのかよ!」
「あーカイン居たの? 邪魔だからもう帰っていいわよ?」
「なんだとこの野郎! 久しぶりなのに相変わらずムカつく奴だな!」
カインは両拳でマリベルのこめかみをぐりぐりと刺激する。
「痛い! 痛い! やめろぉぉ!」
「うふふっ」
そんな二人をエリーナは微笑ましく見つめる。
「はっ!? 誰!? 女!?」
「あ~マリベル紹介する、リナだ」
「初めましてマリベル様! 私はリナと申します!」
「……クロ様……この醜女……げふんげふん、女性はなんです……か?」
「えっと……あまり大きな声では言えないから耳を貸せ」
クロはマリベルにだけ聞こえるように耳打ちをすると驚きのあまり絶句する。
「せ、聖女……? き、騎士……? い、一緒に暮らす? は?」
「おいクロ、マリベル固まってるけど大丈夫なのか?」
「わからん……おい! マリベル!」
「アハハハハ……ハハハ……」
マリベルの意識がどこかへ飛び、ゆすってもなかなか覚醒しない。
「マリベル様!」
パァンッ!
「はっ! キッ!」
エリーナの張り手でマリベルは覚醒し睨みを効かせると顔をグッと近づけ火花を散らす。
ゴンッ!
「痛~い! クロ様ひどいです!」
「遊びに来てんじゃないんだ、さっさと案内しろ」
「うぅ……」
「マリベル様、私はお会いするのが楽しみだったんです!」
「お、おいエ……リナ!」
「カイン様や他の方々からもあなたの話しを聞いて、きっと分かり合えると思っているのです!」
「カ~イ~ン~! ど~いうこと~!」
「ま、待て! おいクロ! な、なぜ俺がっ!」
「マリベル様はクロ様の事を本当にお慕いしてるのですね! 私も同じ気持ちです! だから私達は同士です! 仲良くしましょう!」
憤慨するマリベルの両手を握りぶんぶんと振る。
「あ、あなた……変わってるって言われない?」
「はて?」
「マリベル諦めろ……この子はこういう子だ……俺達では無理だ」
「カイン、今度リュウシン達も交えてしっかりと説明してもらいますからね!」
「伝えとくよ」
「ゴホンッ! クロ様、彼女を連れてきた理由はわかりました」
「マリベル様! リナ! リナと呼んで下さい!」
「あぁぁぁ! わかったわよ! ちょっと黙って! それから私に様はいらないから! ふんっ!」
「うふふっ! マリベルは可愛いわね! 妹が出来たみたいで嬉しい!」
「はぁ……リナ、クロ様と話しがしたいから黙って!」
「お口にチャックですね! うふふ」
「マリベル、リナに悪意はないから気にするな」
「クロ様……それだけにタチが悪いんですよおぉぉぉ!」
マリベルは懇願するような目で訴えてくるが、クロにはどうする事も出来ない。
「いいから用事をさっさと片付けるぞ」
「はい……では、一度冒険者ギルドに行きましょう。そこで指名依頼が来ているはずなので受け付けて依頼人に会いに行きます」
「低ランクの冒険者に指名依頼って不自然じゃないのか?」
「そこは特殊な依頼で、解決する能力を持っているパーティーという理由を無理矢理付けてもらっているので大丈夫です」
「そうか、じゃあ冒険者ギルドへ行こうか」
「はい!」
マリベルはエリーナを警戒するようにクロの腕に手を回し歩き出すと、エリーナもクロの反対側の腕を取り二人で挟むように歩き出した。カインはその光景を後ろから眺め複雑な気分で後を着いていくのだった。
「マリベル、元気そうでなりよりだ」
「はいっ!」
はち切れんばかりの笑顔で出迎えたマリベルは、今にも抱きつきたいという衝動を必死に抑え震えていた。
「あっ///」
クロはそんなマリベルの頭を撫で労う。
「えへへっ!」
「おい! 俺には何もないのかよ!」
「あーカイン居たの? 邪魔だからもう帰っていいわよ?」
「なんだとこの野郎! 久しぶりなのに相変わらずムカつく奴だな!」
カインは両拳でマリベルのこめかみをぐりぐりと刺激する。
「痛い! 痛い! やめろぉぉ!」
「うふふっ」
そんな二人をエリーナは微笑ましく見つめる。
「はっ!? 誰!? 女!?」
「あ~マリベル紹介する、リナだ」
「初めましてマリベル様! 私はリナと申します!」
「……クロ様……この醜女……げふんげふん、女性はなんです……か?」
「えっと……あまり大きな声では言えないから耳を貸せ」
クロはマリベルにだけ聞こえるように耳打ちをすると驚きのあまり絶句する。
「せ、聖女……? き、騎士……? い、一緒に暮らす? は?」
「おいクロ、マリベル固まってるけど大丈夫なのか?」
「わからん……おい! マリベル!」
「アハハハハ……ハハハ……」
マリベルの意識がどこかへ飛び、ゆすってもなかなか覚醒しない。
「マリベル様!」
パァンッ!
「はっ! キッ!」
エリーナの張り手でマリベルは覚醒し睨みを効かせると顔をグッと近づけ火花を散らす。
ゴンッ!
「痛~い! クロ様ひどいです!」
「遊びに来てんじゃないんだ、さっさと案内しろ」
「うぅ……」
「マリベル様、私はお会いするのが楽しみだったんです!」
「お、おいエ……リナ!」
「カイン様や他の方々からもあなたの話しを聞いて、きっと分かり合えると思っているのです!」
「カ~イ~ン~! ど~いうこと~!」
「ま、待て! おいクロ! な、なぜ俺がっ!」
「マリベル様はクロ様の事を本当にお慕いしてるのですね! 私も同じ気持ちです! だから私達は同士です! 仲良くしましょう!」
憤慨するマリベルの両手を握りぶんぶんと振る。
「あ、あなた……変わってるって言われない?」
「はて?」
「マリベル諦めろ……この子はこういう子だ……俺達では無理だ」
「カイン、今度リュウシン達も交えてしっかりと説明してもらいますからね!」
「伝えとくよ」
「ゴホンッ! クロ様、彼女を連れてきた理由はわかりました」
「マリベル様! リナ! リナと呼んで下さい!」
「あぁぁぁ! わかったわよ! ちょっと黙って! それから私に様はいらないから! ふんっ!」
「うふふっ! マリベルは可愛いわね! 妹が出来たみたいで嬉しい!」
「はぁ……リナ、クロ様と話しがしたいから黙って!」
「お口にチャックですね! うふふ」
「マリベル、リナに悪意はないから気にするな」
「クロ様……それだけにタチが悪いんですよおぉぉぉ!」
マリベルは懇願するような目で訴えてくるが、クロにはどうする事も出来ない。
「いいから用事をさっさと片付けるぞ」
「はい……では、一度冒険者ギルドに行きましょう。そこで指名依頼が来ているはずなので受け付けて依頼人に会いに行きます」
「低ランクの冒険者に指名依頼って不自然じゃないのか?」
「そこは特殊な依頼で、解決する能力を持っているパーティーという理由を無理矢理付けてもらっているので大丈夫です」
「そうか、じゃあ冒険者ギルドへ行こうか」
「はい!」
マリベルはエリーナを警戒するようにクロの腕に手を回し歩き出すと、エリーナもクロの反対側の腕を取り二人で挟むように歩き出した。カインはその光景を後ろから眺め複雑な気分で後を着いていくのだった。
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