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第二章 立志編
第57話 悪霊の住む館
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「やあ、君が叡智のカケラのリーダーで良いのかな?」
クロ達はマリベルの案内で依頼人との待ち合わせ場所のある館の前にやってきていた。
「あぁ、クロだ。あと二人いるが今回の件には役に立ちそうにないから置いてきたが問題ないか?」
自己紹介と共に冒険者カードを提示する。カードには名前とパーティー名、それと冒険者ランクが記載されている。
「クロ……」
「……何か問題があったか?」
依頼人は名前を確認すると何かを思い出そうとして首を傾げている。
「なあクロ? 俺達の裏の方の事を知ってるんじゃないのか?」
カインが小さな声で耳打ちをする。見た目は若く、装備している武器や防具もEランク冒険者らしい粗末な物にしてきた。よもやこんな格好の若者が裏社会のボスであると誰が思うだろうか。
「あ~すまない! 私はスレイ、不動産を中心に商いをしている者だよ」
見た目の年齢は二十歳後半といったところだろうか。この年齢で不動産を扱うとなると家業を継いだ若旦那だろう。
「スレイさん、俺達はランクの低い冒険者だが本当に良かったのか?」
「スレイでいいよ、そうだね~確かにその疑問は私にもあるよ。ただ、マリベルちゃんが君達なら絶対に解決してくれるからって言うからね」
「ランクの高い冒険者には依頼しなかったのか?」
「あ~、う~ん……まあ……」
スレイは歯切れ悪く言いにくそうに答える。
「失敗したんだな」
「せっかく安く手に入れた館でさ? 立地もそれなりに良いから高値で売れると思ったんだけどね。まさかあんなに強い悪霊が住んでるとは、正直参ったよ。はははっ……」
話しを詳しく聞くと、これまでも複数の高ランクのパーティーに討伐依頼をしたが、いざ討伐となったら何もできずに一方的にやられてしまい八方塞がりだったそうで、宿屋の食堂で愚痴って頭を抱えていた時にマリベルと出会う。最初は低ランクの冒険者という事で懐疑的だったが背に腹はかえられぬという事で現在に至るそうだ。
「なあクロ! お、俺はここで見張りをしてるからな!」
「なんだ? 見ないのか悪霊」
「お、俺じゃ役に立たないだろ?」
「まあいいけど、ちゃんと張ってろよ?」
「しゃあ! 任せろ!」
「私もここで待つよ」
「ク、クロ様……あのう……わ、私も相手が悪霊だと役には……」
カイン、スレイ、マリベルは悪霊は無理らしい。スレイに至っては依頼人なので一緒に確認をして欲しいところではあったが依頼人相手に無理強いはできない。
「はぁ……じゃあリナ行こうか?」
「はいっ!」
クロはウキウキしているリナ(エリーナ)を伴い館の中へ入って行った。
「マリベルちゃん、彼は本当に大丈夫なのかい?」
「スレイさん、心配は無用です!」
「あ~俺が言うのも何だけど、うちのリーダーとリナの二人なら過剰戦力なくらいだよ?」
「カイン君って言ったね? その根拠は君のパーティーのリーダーだからって言うなら信用はできないよ?」
「あんたもランクでしか判断しない奴なんだな」
「悪いね、私は戦闘に関して素人だからランクという指標でしか測れないんだよ。まあそれで解決出来ずに困ってたんだけどね? はははっ」
スレイは自嘲気味に乾いた笑い声をあげる。
「まあお手並み拝見といったところかな? もし解決できたら追加報酬を約束するよ」
「言質をとったからな? おいマリベル! 今夜は豪華なメシ食おうぜ」
スレイはカインの言葉に苦笑いをするのであった。
クロ達はマリベルの案内で依頼人との待ち合わせ場所のある館の前にやってきていた。
「あぁ、クロだ。あと二人いるが今回の件には役に立ちそうにないから置いてきたが問題ないか?」
自己紹介と共に冒険者カードを提示する。カードには名前とパーティー名、それと冒険者ランクが記載されている。
「クロ……」
「……何か問題があったか?」
依頼人は名前を確認すると何かを思い出そうとして首を傾げている。
「なあクロ? 俺達の裏の方の事を知ってるんじゃないのか?」
カインが小さな声で耳打ちをする。見た目は若く、装備している武器や防具もEランク冒険者らしい粗末な物にしてきた。よもやこんな格好の若者が裏社会のボスであると誰が思うだろうか。
「あ~すまない! 私はスレイ、不動産を中心に商いをしている者だよ」
見た目の年齢は二十歳後半といったところだろうか。この年齢で不動産を扱うとなると家業を継いだ若旦那だろう。
「スレイさん、俺達はランクの低い冒険者だが本当に良かったのか?」
「スレイでいいよ、そうだね~確かにその疑問は私にもあるよ。ただ、マリベルちゃんが君達なら絶対に解決してくれるからって言うからね」
「ランクの高い冒険者には依頼しなかったのか?」
「あ~、う~ん……まあ……」
スレイは歯切れ悪く言いにくそうに答える。
「失敗したんだな」
「せっかく安く手に入れた館でさ? 立地もそれなりに良いから高値で売れると思ったんだけどね。まさかあんなに強い悪霊が住んでるとは、正直参ったよ。はははっ……」
話しを詳しく聞くと、これまでも複数の高ランクのパーティーに討伐依頼をしたが、いざ討伐となったら何もできずに一方的にやられてしまい八方塞がりだったそうで、宿屋の食堂で愚痴って頭を抱えていた時にマリベルと出会う。最初は低ランクの冒険者という事で懐疑的だったが背に腹はかえられぬという事で現在に至るそうだ。
「なあクロ! お、俺はここで見張りをしてるからな!」
「なんだ? 見ないのか悪霊」
「お、俺じゃ役に立たないだろ?」
「まあいいけど、ちゃんと張ってろよ?」
「しゃあ! 任せろ!」
「私もここで待つよ」
「ク、クロ様……あのう……わ、私も相手が悪霊だと役には……」
カイン、スレイ、マリベルは悪霊は無理らしい。スレイに至っては依頼人なので一緒に確認をして欲しいところではあったが依頼人相手に無理強いはできない。
「はぁ……じゃあリナ行こうか?」
「はいっ!」
クロはウキウキしているリナ(エリーナ)を伴い館の中へ入って行った。
「マリベルちゃん、彼は本当に大丈夫なのかい?」
「スレイさん、心配は無用です!」
「あ~俺が言うのも何だけど、うちのリーダーとリナの二人なら過剰戦力なくらいだよ?」
「カイン君って言ったね? その根拠は君のパーティーのリーダーだからって言うなら信用はできないよ?」
「あんたもランクでしか判断しない奴なんだな」
「悪いね、私は戦闘に関して素人だからランクという指標でしか測れないんだよ。まあそれで解決出来ずに困ってたんだけどね? はははっ」
スレイは自嘲気味に乾いた笑い声をあげる。
「まあお手並み拝見といったところかな? もし解決できたら追加報酬を約束するよ」
「言質をとったからな? おいマリベル! 今夜は豪華なメシ食おうぜ」
スレイはカインの言葉に苦笑いをするのであった。
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