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第三章 復讐編
第104話 テレサ・アースハイド
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一週間後……
「ボス、あの店の従業員の件は無事完了したとボン爺さんからの伝言を預かってるよ」
「そうか、ご苦労」
ケンタ・イイヅカの死体は消し炭となった。通常より火の勢いが強かったのは彼が持っていたガソリンのようなポーションの効果が大きいだろう。通常より効果の高いポーションを精製する特性上、効果を見込んで残りの分もばら撒き放火した。
店の従業員は懺蛇の息がかかっているとは言え、相手方の手に情報が渡る懸念が出てきてしまい秘密裏に処理をした。
「しっかし、これが噂のポーションで?」
「ば、馬鹿者! 何をしとる!」
テーブルの上に最高級ポーションが置かれ、デルタはそれが興味深そうに手に取るとゴンズは慌ててデルタを叱責する。
「これがどれほどの価値があるかわからんのかお前は! もう二度と作られることのない品なのだぞ!」
「へいへい」
ゴンズの叱責を面倒くさそうな顔で答えポーションを元の場所へ戻す。
「まあ価値が高かくても飾ることもできんからな」
「それはそうですが……」
ゴンズとしては家宝として飾っておくだけでも価値があるという認識だ。しかし、このポーションの存在は大っぴらにできない理由もあるというが悩ましいところである。
「この一本はここに置いていくから金庫にでもしまっておけ。それと、もしファミリーの誰かが死にかけてたら飲ませてやれ」
「い、いやそれはさすがに勿体な……」
躊躇するゴンズを横目にデルタが適当に掴む。
「ほいほーい! んじゃあ金庫に放り込んどきますわ」
「こら! もっと丁寧に扱わんか!」
「うるせぇなあゴンズの旦那は」
ゴンズの注意も聞かず笑いながら部屋を出て行った。
「全く! あ奴は……」
「まあそう言ってやるな。それで、カジノの方はどうだ?」
「びっくりするほど順調でございます。貴族達にとっては見栄を張れる絶好の場ですからなあ、気持ちよくお金を落としてくれます」
「それは重畳だ。それと……皇族が秘密裏に俺に面会を求めていると聞いたがもしかして第三皇女か?」
「ええ、ケンタ・イイヅカは第三皇女と懇意にしていたようですので、恐らく情報収集のお願いかと……」
ケンタ・イイヅカは行方不明という扱いになり、パーティーメンバーは血眼になって情報を集めているらしく、特にその日に会う約束をしていた行商人クロウを探しているようだ。
「蛇の道は蛇ってところだろうが、疑われてると考える方がいいか……」
「お会いになりますか?」
「そうだな、5日後ここに来てもらえ」
「こ、ここにでございますか?」
「皇族がカジノに来るのが問題なら、変装でもさせて一般ルームの方で問題でも起こさせたら連行できるだろ? そのままここへ連れてきたらなんか楽しいし、それに俺がわざわざ相手の指定する場所に行く必要がどこにある?」
貴族だろうが皇族だろうが忖度はしない、裏の世界で舐められるという事は死と同等の事なのだ。その頂点の男が皇女程度に臆するはずもなく、その調整をまかされるゴンズにかかるストレスは尋常ではない。
「そ、そのように通達いたします……」
~~~~~~~
プラチナブロンドの縦ロール少女と、いら立ちを抑える事の出来ないフルプレートを着込んだ青年が一人の男と対面していた。
「そうですか……わかりました」
「殿下! これは皇族に対する不敬です! スラムのゴミムシの分際で! しかもこんな庶民の服を殿下に着ろと!」
「ひぃぃぃ! わ、私はそうお伝えしろと頼まれただけで!」
「やめなさいムーラン! 非公式に会うのですよ? それにこの方に言っても仕方ありません」
「しかし!」
「スラム街の一番偉い方へ ”承知いたしました” とお伝えください」
アースハイド帝国第三皇女テレサ・アースハイドは決意を胸に秘めた目で夜空を見上げた。
「ボス、あの店の従業員の件は無事完了したとボン爺さんからの伝言を預かってるよ」
「そうか、ご苦労」
ケンタ・イイヅカの死体は消し炭となった。通常より火の勢いが強かったのは彼が持っていたガソリンのようなポーションの効果が大きいだろう。通常より効果の高いポーションを精製する特性上、効果を見込んで残りの分もばら撒き放火した。
店の従業員は懺蛇の息がかかっているとは言え、相手方の手に情報が渡る懸念が出てきてしまい秘密裏に処理をした。
「しっかし、これが噂のポーションで?」
「ば、馬鹿者! 何をしとる!」
テーブルの上に最高級ポーションが置かれ、デルタはそれが興味深そうに手に取るとゴンズは慌ててデルタを叱責する。
「これがどれほどの価値があるかわからんのかお前は! もう二度と作られることのない品なのだぞ!」
「へいへい」
ゴンズの叱責を面倒くさそうな顔で答えポーションを元の場所へ戻す。
「まあ価値が高かくても飾ることもできんからな」
「それはそうですが……」
ゴンズとしては家宝として飾っておくだけでも価値があるという認識だ。しかし、このポーションの存在は大っぴらにできない理由もあるというが悩ましいところである。
「この一本はここに置いていくから金庫にでもしまっておけ。それと、もしファミリーの誰かが死にかけてたら飲ませてやれ」
「い、いやそれはさすがに勿体な……」
躊躇するゴンズを横目にデルタが適当に掴む。
「ほいほーい! んじゃあ金庫に放り込んどきますわ」
「こら! もっと丁寧に扱わんか!」
「うるせぇなあゴンズの旦那は」
ゴンズの注意も聞かず笑いながら部屋を出て行った。
「全く! あ奴は……」
「まあそう言ってやるな。それで、カジノの方はどうだ?」
「びっくりするほど順調でございます。貴族達にとっては見栄を張れる絶好の場ですからなあ、気持ちよくお金を落としてくれます」
「それは重畳だ。それと……皇族が秘密裏に俺に面会を求めていると聞いたがもしかして第三皇女か?」
「ええ、ケンタ・イイヅカは第三皇女と懇意にしていたようですので、恐らく情報収集のお願いかと……」
ケンタ・イイヅカは行方不明という扱いになり、パーティーメンバーは血眼になって情報を集めているらしく、特にその日に会う約束をしていた行商人クロウを探しているようだ。
「蛇の道は蛇ってところだろうが、疑われてると考える方がいいか……」
「お会いになりますか?」
「そうだな、5日後ここに来てもらえ」
「こ、ここにでございますか?」
「皇族がカジノに来るのが問題なら、変装でもさせて一般ルームの方で問題でも起こさせたら連行できるだろ? そのままここへ連れてきたらなんか楽しいし、それに俺がわざわざ相手の指定する場所に行く必要がどこにある?」
貴族だろうが皇族だろうが忖度はしない、裏の世界で舐められるという事は死と同等の事なのだ。その頂点の男が皇女程度に臆するはずもなく、その調整をまかされるゴンズにかかるストレスは尋常ではない。
「そ、そのように通達いたします……」
~~~~~~~
プラチナブロンドの縦ロール少女と、いら立ちを抑える事の出来ないフルプレートを着込んだ青年が一人の男と対面していた。
「そうですか……わかりました」
「殿下! これは皇族に対する不敬です! スラムのゴミムシの分際で! しかもこんな庶民の服を殿下に着ろと!」
「ひぃぃぃ! わ、私はそうお伝えしろと頼まれただけで!」
「やめなさいムーラン! 非公式に会うのですよ? それにこの方に言っても仕方ありません」
「しかし!」
「スラム街の一番偉い方へ ”承知いたしました” とお伝えください」
アースハイド帝国第三皇女テレサ・アースハイドは決意を胸に秘めた目で夜空を見上げた。
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