11 / 208
第11話 『ダッチの刀』
しおりを挟む
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第11話
『ダッチの刀』
「遺産は全て俺がもらう。……この宝は俺のものだ」
ダッチはそう呼ぶと横にした刀を小刻みに振るわせ始める。
小刻みに揺れる刀。何をしているのか、俺が不思議に思っていると、
「ぐっ……」
突然、頭が痛くなる。ジーンっと頭が重くなり、立っているのが精一杯の状態だ。
姿勢を崩した俺は壁を手をついて倒れるのを防ぐ。
「辛いか?」
「何をした……」
俺がダッチを睨むと、ダッチは刀を震わせたまま刀を見つめた。
「この刀は特殊な音波を放出して、周囲にいるものの平衡感覚を奪う」
「なぜ、お前は大丈夫なんだ?」
ダッチはニヤリと笑うと、
「さぁな……」
そう言って俺の横を通り過ぎ、遺跡を出ていった。
ダッチがいなくなり、刀から発しられていた音が消えたことにより、俺はやっと立ち上がれる程度には回復した。
だが、今から追いかけてもダッチはもう遺跡を脱出している。
俺はダッチを追いかけることを諦めて、遺跡の奥へと向かう。そしておそらく黄金の甲羅が置かれてあったであろう場所にたどり着いた。
「……やはりそうか」
黄金の甲羅が置かれていた台。そこは甲羅がちょうどはめられそうな穴が空いている。そんな台だが、遺跡の他の場所に比べて埃の被り具合が少ない。
それに台も遺跡に似せて作られてはいるが、接続部分に違和感がある。
「遺跡は昔からあった。だが、甲羅は後から設置されたってわけか……亀のじいさんめ……面倒ごとに巻き込むために俺を呼んだってわけか……」
俺はあの憎たらしいじいさんの顔を思い出す。
「しかし、予告状を出した以上、このイタッチに失敗は許されない」
俺は百八十度回転して、遺跡の出口の方を向く。
「待ってろよ。……黄金の甲羅、俺が取り戻してやるよ」
俺はそう独り言を呟くと、遺跡の出口へと向かった。
月が夜の屋敷を照らす。カーテンの隙間から月の光が部屋に入り込み、暗い部屋に光が差し込んだ。
「……来たか。ダッチ…………」
「久しぶりだな。親父……」
老人は瞑ったような目で暗い部屋に入ってきたウサギを見つめた。
「……お前が先にここに辿り着いたということは……あの小僧は…………」
「ああ、親父の仕向けた怪盗は俺に負けた……」
それを聞いた老人はシワだらけの口を動かし、ニヤリと笑った。
「そうか、小僧が……」
そんなニヤけた老人にダッチは拳銃を取り出すと銃口を向けた。
「さ、これで黄金の甲羅は俺達の手にある。親父、四獣の遺産は俺が手に入れる。……親父、あんたの負けだ」
著者:ピラフドリア
第11話
『ダッチの刀』
「遺産は全て俺がもらう。……この宝は俺のものだ」
ダッチはそう呼ぶと横にした刀を小刻みに振るわせ始める。
小刻みに揺れる刀。何をしているのか、俺が不思議に思っていると、
「ぐっ……」
突然、頭が痛くなる。ジーンっと頭が重くなり、立っているのが精一杯の状態だ。
姿勢を崩した俺は壁を手をついて倒れるのを防ぐ。
「辛いか?」
「何をした……」
俺がダッチを睨むと、ダッチは刀を震わせたまま刀を見つめた。
「この刀は特殊な音波を放出して、周囲にいるものの平衡感覚を奪う」
「なぜ、お前は大丈夫なんだ?」
ダッチはニヤリと笑うと、
「さぁな……」
そう言って俺の横を通り過ぎ、遺跡を出ていった。
ダッチがいなくなり、刀から発しられていた音が消えたことにより、俺はやっと立ち上がれる程度には回復した。
だが、今から追いかけてもダッチはもう遺跡を脱出している。
俺はダッチを追いかけることを諦めて、遺跡の奥へと向かう。そしておそらく黄金の甲羅が置かれてあったであろう場所にたどり着いた。
「……やはりそうか」
黄金の甲羅が置かれていた台。そこは甲羅がちょうどはめられそうな穴が空いている。そんな台だが、遺跡の他の場所に比べて埃の被り具合が少ない。
それに台も遺跡に似せて作られてはいるが、接続部分に違和感がある。
「遺跡は昔からあった。だが、甲羅は後から設置されたってわけか……亀のじいさんめ……面倒ごとに巻き込むために俺を呼んだってわけか……」
俺はあの憎たらしいじいさんの顔を思い出す。
「しかし、予告状を出した以上、このイタッチに失敗は許されない」
俺は百八十度回転して、遺跡の出口の方を向く。
「待ってろよ。……黄金の甲羅、俺が取り戻してやるよ」
俺はそう独り言を呟くと、遺跡の出口へと向かった。
月が夜の屋敷を照らす。カーテンの隙間から月の光が部屋に入り込み、暗い部屋に光が差し込んだ。
「……来たか。ダッチ…………」
「久しぶりだな。親父……」
老人は瞑ったような目で暗い部屋に入ってきたウサギを見つめた。
「……お前が先にここに辿り着いたということは……あの小僧は…………」
「ああ、親父の仕向けた怪盗は俺に負けた……」
それを聞いた老人はシワだらけの口を動かし、ニヤリと笑った。
「そうか、小僧が……」
そんなニヤけた老人にダッチは拳銃を取り出すと銃口を向けた。
「さ、これで黄金の甲羅は俺達の手にある。親父、四獣の遺産は俺が手に入れる。……親父、あんたの負けだ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる