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第23話 『海底洞窟と海の星』
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怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第23話
『海底洞窟と海の星』
──世界中のお宝を狙う大泥棒
今日も狙うお宝の持ち主に予告状を送る──
「イタチさん、明日の分のカレーの仕込み終わりましたよ」
厨房で準備を終えたアンがエプロンを脱ぎながらイタチに伝える。
「おう、お疲れさん。今日はもう上がって良いぞ」
「はーい。イタチさんはどうするんですか?」
「俺はここを整理してから行くよ」
先にアンを二階に上がらせて、イタチはコーヒー豆の並べてある棚の整理を始める。
せっせと片づけていると、店の扉が開き誰かが入ってきた。
「今日はもう閉店……ダッチか」
「よっ……」
ダッチは足を組んで椅子に座る。イタチは整理を中断して、冷蔵庫から麦茶を取り出すとコップに注いでそれを渡した。
「次の仕事。決まったか?」
麦茶の入ったコップを円を描くように振りながらダッチが聞いてくる。
イタチは整理を続けながら答えた。
「まだだが……何か良いのがあったのか?」
「ああ、リスクはあるがデカい仕事だ」
ダッチの持つ自家用のボートを使い、イタッチ達は沖に出ていた。
イタッチは無線を使い、船内で待機しているアンに連絡を取る。
「アン、聞こえるか?」
「はい、イタッチさん。問題なく通信できてます。ダッチさんも通信機つけてますか? 連絡が取れないんですけど」
イタッチはダッチの方を見るが、ダッチは通信機を装着しているが喋る様子はない。
「ダッチ。アンが喋れだって」
イタッチに言われてダッチは舌打ちしてめんどくさそうに通信をオンにする。
「おい、ガキ聞こえるか?」
ダッチの声を聞き、アンは嬉しそうに文句を言う。
「聞こえてるなら返事してくださいよ。問題があったら、水中じゃ大変なんですよ!!」
「わーってるわーってる」
装備の確認を終え、イタッチとダッチは酸素ボンベをつけて海中へと潜った。
今回狙うのは海底の宝石マリンスター。海底を照らす星と言われ、海で迷った人が最終的にたどり着く場所という伝説がある。
奥へと潜っていくとやがて外の光が届かなくなってきて、辺りが暗くなる。
ライトを照らして、辺りを確認しながら進む。
すると、
「見えた。あれが海底洞窟だ」
マリンスターがあると言われる海底の洞窟を見つけた。
二人は早速洞窟に入ろうとする。しかし、洞窟の中で何かが光る。
次の瞬間、洞窟の中から巨大なウツボが顔を伸ばして、ダッチを飲み込もうとしてきた。
口の大きさはダッチを一口できてしまいそうなくらいデカい。ダッチは刀を抜いてウツボの歯に当てて食われないように耐える。
「ダッチ!!」
「俺を食おうと……」
ダッチは耐えていたが、自分からウツボの口の中に入る。そして、
「すんじゃねぇー!!」
ウツボを身体の内側から捌いて外に出てきた。ウツボの肉片が海中に散らばり、ウツボはひっくり返る。
無線の先からアンの心配する声が聞こえる。しかし、ダッチは答えようとしない。
「ダッチさん!? 大丈夫ですか!?」
「ダッチなら大丈夫だ。これから洞窟に入る。海上警備隊を見かけたら急いで連絡しろ」
イタッチ達が洞窟に入ると、開けた空間に出た。
「これは……」
そしてその空間の中心に光り輝く宝石を見つけた。
「あった。あれがマリンスターだな」
イタッチはマリンスターを手にして、洞窟の外へと向かう。
二人が洞窟を無事に脱出したと同時に、アンから無線が入った。
「二人とも大変です」
「どうした?」
「何か、巨大な生物がこっちに近づいてきてるみたいです……。30、いや40メートル以上はあります」
「分かった。今すぐに戻る」
イタッチ達は急いで海上に向かって泳ぐ。しかし、海面が見えてきた頃、イタッチ達の視界にも、怪しい影が見えてきた。
「イタッチ。ガキが言ってたのはあれのことじゃねーか」
「その可能性は高そうだな」
まだ遠くてはっきりとは見えていない。しかし、アンの報告通り巨大な生物であるのは間違いない。海底を泳いでこちらに向かってきている。
「イタッチ、先に行け」
「ダッチ……」
「お前は海中じゃ役に立たない。あのスピードじゃ船に戻る前に来るぞ」
ダッチは刀を抜いてその生物の方へと泳いでいく。
「無理はするなよ」
イタッチは海面に顔を出し、アンを呼んで船に引き上げてもらう。
「ダッチさんは?」
「無線聞いてたろ……。急いで俺を乾かしてくれ、このままじゃ折り紙も折れない」
アンにドライヤーを持ってきてもらって、身体を乾かす。
二人が焦る中、船から数十メートル離れた海面から、何かが勢いよく飛び上がった。
「あれはダッチ!?」
何かに突き飛ばされたように空中を回転しながら跳ぶダッチ。
だが、それだけでは終わらない。
空中に飛ばされたダッチを追うように、巨大生物も顔を出した。
大きく口を開けてダッチを飲み込もうとする巨大なサメ。
「イタッチさん、乾かし終わりました」
「サンキュー」
このままではダッチがサメに食われてしまう。イタッチは急いで折り紙を折ると、ジェットのついたグライダーを作り、それで空を飛んだ。
海面にイタッチが飛んだ線が出来るほどのスピードで飛んでいき、口を閉じればダッチが食われてしまうところを、イタッチはギリギリで救出した。
「無理するなって言ったろ」
「すまん……」
イタッチは空中を飛び、船に戻りアンにダッチを託すと、再び空へと飛んだ。
巨大なサメは既に海中に潜っている。だが、その影は船に向かって泳いでいた。
イタッチは折り紙を折ると、巨大なポイを作った。
「一瞬だけなら持つ」
イタッチはそれで巨大なサメを掬い上げて、空中に投げ飛ばした。サメを掬い上げてポイはすぐに溶けてなくなる。
だが、サメを海から出せればそれで十分。
折り紙で剣を作ると、それを握りしめる。そしてグライダーに積んだジェットのエンジンを最大出力にまで上げて、空中を飛ぶサメに向かって飛んでいった。
「うおおおぉぉっ!!!!」
イタッチがサメを通過すると、サメは真っ二つに切断された。
切断されたサメは海へと落ちていき、その衝撃で波が起き、船は大きく揺れる。
「後は船に戻るだけ…………あ、エンジンが……」
サメを倒したイタッチだが、船に戻る前に折り紙で作ったグライダーが燃え尽きて海に落ちた。
その後、ダッチ達に引き上げてもらい、無事にマリンスターを手に入れたのであった。
著者:ピラフドリア
第23話
『海底洞窟と海の星』
──世界中のお宝を狙う大泥棒
今日も狙うお宝の持ち主に予告状を送る──
「イタチさん、明日の分のカレーの仕込み終わりましたよ」
厨房で準備を終えたアンがエプロンを脱ぎながらイタチに伝える。
「おう、お疲れさん。今日はもう上がって良いぞ」
「はーい。イタチさんはどうするんですか?」
「俺はここを整理してから行くよ」
先にアンを二階に上がらせて、イタチはコーヒー豆の並べてある棚の整理を始める。
せっせと片づけていると、店の扉が開き誰かが入ってきた。
「今日はもう閉店……ダッチか」
「よっ……」
ダッチは足を組んで椅子に座る。イタチは整理を中断して、冷蔵庫から麦茶を取り出すとコップに注いでそれを渡した。
「次の仕事。決まったか?」
麦茶の入ったコップを円を描くように振りながらダッチが聞いてくる。
イタチは整理を続けながら答えた。
「まだだが……何か良いのがあったのか?」
「ああ、リスクはあるがデカい仕事だ」
ダッチの持つ自家用のボートを使い、イタッチ達は沖に出ていた。
イタッチは無線を使い、船内で待機しているアンに連絡を取る。
「アン、聞こえるか?」
「はい、イタッチさん。問題なく通信できてます。ダッチさんも通信機つけてますか? 連絡が取れないんですけど」
イタッチはダッチの方を見るが、ダッチは通信機を装着しているが喋る様子はない。
「ダッチ。アンが喋れだって」
イタッチに言われてダッチは舌打ちしてめんどくさそうに通信をオンにする。
「おい、ガキ聞こえるか?」
ダッチの声を聞き、アンは嬉しそうに文句を言う。
「聞こえてるなら返事してくださいよ。問題があったら、水中じゃ大変なんですよ!!」
「わーってるわーってる」
装備の確認を終え、イタッチとダッチは酸素ボンベをつけて海中へと潜った。
今回狙うのは海底の宝石マリンスター。海底を照らす星と言われ、海で迷った人が最終的にたどり着く場所という伝説がある。
奥へと潜っていくとやがて外の光が届かなくなってきて、辺りが暗くなる。
ライトを照らして、辺りを確認しながら進む。
すると、
「見えた。あれが海底洞窟だ」
マリンスターがあると言われる海底の洞窟を見つけた。
二人は早速洞窟に入ろうとする。しかし、洞窟の中で何かが光る。
次の瞬間、洞窟の中から巨大なウツボが顔を伸ばして、ダッチを飲み込もうとしてきた。
口の大きさはダッチを一口できてしまいそうなくらいデカい。ダッチは刀を抜いてウツボの歯に当てて食われないように耐える。
「ダッチ!!」
「俺を食おうと……」
ダッチは耐えていたが、自分からウツボの口の中に入る。そして、
「すんじゃねぇー!!」
ウツボを身体の内側から捌いて外に出てきた。ウツボの肉片が海中に散らばり、ウツボはひっくり返る。
無線の先からアンの心配する声が聞こえる。しかし、ダッチは答えようとしない。
「ダッチさん!? 大丈夫ですか!?」
「ダッチなら大丈夫だ。これから洞窟に入る。海上警備隊を見かけたら急いで連絡しろ」
イタッチ達が洞窟に入ると、開けた空間に出た。
「これは……」
そしてその空間の中心に光り輝く宝石を見つけた。
「あった。あれがマリンスターだな」
イタッチはマリンスターを手にして、洞窟の外へと向かう。
二人が洞窟を無事に脱出したと同時に、アンから無線が入った。
「二人とも大変です」
「どうした?」
「何か、巨大な生物がこっちに近づいてきてるみたいです……。30、いや40メートル以上はあります」
「分かった。今すぐに戻る」
イタッチ達は急いで海上に向かって泳ぐ。しかし、海面が見えてきた頃、イタッチ達の視界にも、怪しい影が見えてきた。
「イタッチ。ガキが言ってたのはあれのことじゃねーか」
「その可能性は高そうだな」
まだ遠くてはっきりとは見えていない。しかし、アンの報告通り巨大な生物であるのは間違いない。海底を泳いでこちらに向かってきている。
「イタッチ、先に行け」
「ダッチ……」
「お前は海中じゃ役に立たない。あのスピードじゃ船に戻る前に来るぞ」
ダッチは刀を抜いてその生物の方へと泳いでいく。
「無理はするなよ」
イタッチは海面に顔を出し、アンを呼んで船に引き上げてもらう。
「ダッチさんは?」
「無線聞いてたろ……。急いで俺を乾かしてくれ、このままじゃ折り紙も折れない」
アンにドライヤーを持ってきてもらって、身体を乾かす。
二人が焦る中、船から数十メートル離れた海面から、何かが勢いよく飛び上がった。
「あれはダッチ!?」
何かに突き飛ばされたように空中を回転しながら跳ぶダッチ。
だが、それだけでは終わらない。
空中に飛ばされたダッチを追うように、巨大生物も顔を出した。
大きく口を開けてダッチを飲み込もうとする巨大なサメ。
「イタッチさん、乾かし終わりました」
「サンキュー」
このままではダッチがサメに食われてしまう。イタッチは急いで折り紙を折ると、ジェットのついたグライダーを作り、それで空を飛んだ。
海面にイタッチが飛んだ線が出来るほどのスピードで飛んでいき、口を閉じればダッチが食われてしまうところを、イタッチはギリギリで救出した。
「無理するなって言ったろ」
「すまん……」
イタッチは空中を飛び、船に戻りアンにダッチを託すと、再び空へと飛んだ。
巨大なサメは既に海中に潜っている。だが、その影は船に向かって泳いでいた。
イタッチは折り紙を折ると、巨大なポイを作った。
「一瞬だけなら持つ」
イタッチはそれで巨大なサメを掬い上げて、空中に投げ飛ばした。サメを掬い上げてポイはすぐに溶けてなくなる。
だが、サメを海から出せればそれで十分。
折り紙で剣を作ると、それを握りしめる。そしてグライダーに積んだジェットのエンジンを最大出力にまで上げて、空中を飛ぶサメに向かって飛んでいった。
「うおおおぉぉっ!!!!」
イタッチがサメを通過すると、サメは真っ二つに切断された。
切断されたサメは海へと落ちていき、その衝撃で波が起き、船は大きく揺れる。
「後は船に戻るだけ…………あ、エンジンが……」
サメを倒したイタッチだが、船に戻る前に折り紙で作ったグライダーが燃え尽きて海に落ちた。
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