30 / 208
第30話 『宣戦布告』
しおりを挟む
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第30話
『宣戦布告』
「なぜ、お前が黄金の甲羅を持ってる?」
イタッチがウンランに尋ねると、ウンランは大きく口を開けてあくびをした。
「ふぁあん、そっか、気になるよな……」
ウンランはスーツのポケットに手を突っ込む。何か取り出すのかと警戒するイタッチとダッチ。
「そう警戒するな、飴玉だよ、飴……」
ゆっくりとウンランがポケットから手を出すと、本当に飴玉を握っていた。
「眠い時はこれが効くんだ。スカッとするぜ、食うか?」
ウンランは飴玉を差し出そうとするが、二人は受け取らない。
結局ウンランは一人で三つの飴玉を口の中に突っ込む。
「……うぅっん、効くな……。っんでだ、質問について答えたいところだが、俺は人を待ってんだ。待ち合わせしててな、もう来るぜ」
ウンランがそう言った後、ビルに向かってゴツンゴツンと足音を立てながら誰かが歩いてくる。
やってきた人物が扉に手をかけて開く。鈍い音を立てて開かれる扉、扉の三分の一が開かれてやってきた人物が見えそうになった時。
「っ!?」
扉の隙間から銃口が飛び出してきて、イタッチ達に向けて突然発砲してきた。
「早速かよ!?」
通路は狭く逃げ場はない。
「俺に任せろ!!」
イタッチは折り紙で盾を作ると、通路にすっぽりと嵌まる大きさの盾を設置して、弾丸を防ぐ。
「無事か!? ダッチ、ウンラン」
「俺は大丈夫だが…………お前の知り合いだろ、なんで突然撃って来るんだ!?」
ダッチは一緒にイタッチの盾に隠れているウンランに向かって怒鳴る。
ウンランは耳を押さえて、
「あー、うるさいなー。大声出すなよ。キーンとするだろ、キーンと……。しょうがねーな」
ウンランは隠れながらポケットの中からもう一人飴玉を取り出した。そして盾の隙間から入り口の方に飴玉を投げる。
投げられた飴玉は発砲してくる人の近くまで転がると、花火の様に大きな音を出す。
花火の音に驚いてか、入り口で銃を撃ってきていた奴は、銃口を下げて静かになる。
静かになったタイミングでウンランは入り口に向かって叫んだ。
「おーう、もう撃つな~、終わりだ終わり、戦争しにきたわけじゃないんだしな」
ウンランの声を聞いて扉が開かれて、撃ってきていた存在が姿を現す。
片手にマシンガンを持ち、青い鱗を纏った龍の女性。気だるそうな表情でこちらを睨みつけてきた。
「あぁ? ボス。なんでやめるんだ?」
「なんでもなにも。今はやる時期じゃないからだ」
ウンランはスーツについたゴミを叩きながら立ち上がると、
「ダッチ、イタッチ。少し付き合え」
そう言って建物の奥へと入っていった。イタッチ達はウンランについて行き、部屋に入る。
部屋に入ると早速ウンランがダッチに向けて何かを投げつける。
ダッチはそれをうまくキャッチした。
「これは……黄金の甲羅か」
「そいつはやるよ。目的はこれだろ」
ウンランは部屋の中央にあるソファーに座り、龍の女性は台所からバナナを持って来るとそれを食べながらウンランの後ろでソファーに寄りかかった。
「本当はこれで四神の遺産を探すつもりだった。だが、そんなことしても四神は俺のものにはならない」
「四神がお前のものになる? 何言ってんだ」
不満そうなダッチ。しかし、ウンランは話を続ける。
「俺達はお前を後継とは認めない。お前を四神から引き下ろし、その座を取り戻す」
「俺を引き下ろすだァ?」
ダッチがハンドガンを抜いてウンランに向けると、バナナを咥えたまま龍はマシンガンをダッチに向ける。
「落ち着けよ、ダッチ……。今すぐやろうってわけじゃない。いつか、必ずだ。今日はその挨拶ってわけだ」
「俺は今すぐでも構わないぜ」
「……はぁ、だからそれは困るんだって」
ウンランはテーブルに置いてある無線のボタンを押す。すると、雑音が流れた後、少女の声が聞こえていた。
『イタッチさん、ダッチさん、私、捕まってしまいました。助けてください』
そこから流れている声はアンの声だ。
「ガキ……」
ウンランが流している声が本物か確かめるために無線でアンに確認を取ろうとするが、雑音が多くて音声が聞き取れない。
「イタッチ……ガキが」
「あそこがバレるはずはない。偽物だ」
ダッチは少し焦っている様子だが、イタッチは冷静に答える。
だが、ウンランはニヤリと笑う。
「嘘かどうかはお前達に任せる。だが、お前達が一旦退くなら、この子供は解放する」
ダッチは銃口を下ろす。それを確認して龍もマシンガンを下ろした。
「……ッチ。今回は退いてやる。だが、四神はやるつもりはない。いつでも受けて立つ」
睨みつけるダッチにウンランは笑顔で返した。
「それはどうも。ではお楽しみに……」
ウンラン達と分かれて、ビルを出るともう一度無線を繋いでみる。すると、
『あ、やっと繋がりましたね!』
無線の向こうからアンの声が聞こえていた。
「アン無事か!!」
無線に向けて大声で叫ぶダッチ。大きな声で驚いたアンは、戸惑いながら答える。
「それはこっちの台詞ですよ。無線を妨害されて、こっちから連絡を取ろうとしてもなかなかうまくいかなかったんですよ。……てか、今名前……」
「捕まったりはしてないのか!?」
「私が捕まる? イタッチさんの隠し部屋にいるんですよ。見つかるわけないじゃないですか~!」
ホッとした様子のダッチ。しかし、アンは捕まっていなかったとすると、ウンランの無線の先にいたのは誰だったのか。
イタッチは無線でアンに伝える。
「事情は戻ってから伝える。厄介なことになりそうだ」
著者:ピラフドリア
第30話
『宣戦布告』
「なぜ、お前が黄金の甲羅を持ってる?」
イタッチがウンランに尋ねると、ウンランは大きく口を開けてあくびをした。
「ふぁあん、そっか、気になるよな……」
ウンランはスーツのポケットに手を突っ込む。何か取り出すのかと警戒するイタッチとダッチ。
「そう警戒するな、飴玉だよ、飴……」
ゆっくりとウンランがポケットから手を出すと、本当に飴玉を握っていた。
「眠い時はこれが効くんだ。スカッとするぜ、食うか?」
ウンランは飴玉を差し出そうとするが、二人は受け取らない。
結局ウンランは一人で三つの飴玉を口の中に突っ込む。
「……うぅっん、効くな……。っんでだ、質問について答えたいところだが、俺は人を待ってんだ。待ち合わせしててな、もう来るぜ」
ウンランがそう言った後、ビルに向かってゴツンゴツンと足音を立てながら誰かが歩いてくる。
やってきた人物が扉に手をかけて開く。鈍い音を立てて開かれる扉、扉の三分の一が開かれてやってきた人物が見えそうになった時。
「っ!?」
扉の隙間から銃口が飛び出してきて、イタッチ達に向けて突然発砲してきた。
「早速かよ!?」
通路は狭く逃げ場はない。
「俺に任せろ!!」
イタッチは折り紙で盾を作ると、通路にすっぽりと嵌まる大きさの盾を設置して、弾丸を防ぐ。
「無事か!? ダッチ、ウンラン」
「俺は大丈夫だが…………お前の知り合いだろ、なんで突然撃って来るんだ!?」
ダッチは一緒にイタッチの盾に隠れているウンランに向かって怒鳴る。
ウンランは耳を押さえて、
「あー、うるさいなー。大声出すなよ。キーンとするだろ、キーンと……。しょうがねーな」
ウンランは隠れながらポケットの中からもう一人飴玉を取り出した。そして盾の隙間から入り口の方に飴玉を投げる。
投げられた飴玉は発砲してくる人の近くまで転がると、花火の様に大きな音を出す。
花火の音に驚いてか、入り口で銃を撃ってきていた奴は、銃口を下げて静かになる。
静かになったタイミングでウンランは入り口に向かって叫んだ。
「おーう、もう撃つな~、終わりだ終わり、戦争しにきたわけじゃないんだしな」
ウンランの声を聞いて扉が開かれて、撃ってきていた存在が姿を現す。
片手にマシンガンを持ち、青い鱗を纏った龍の女性。気だるそうな表情でこちらを睨みつけてきた。
「あぁ? ボス。なんでやめるんだ?」
「なんでもなにも。今はやる時期じゃないからだ」
ウンランはスーツについたゴミを叩きながら立ち上がると、
「ダッチ、イタッチ。少し付き合え」
そう言って建物の奥へと入っていった。イタッチ達はウンランについて行き、部屋に入る。
部屋に入ると早速ウンランがダッチに向けて何かを投げつける。
ダッチはそれをうまくキャッチした。
「これは……黄金の甲羅か」
「そいつはやるよ。目的はこれだろ」
ウンランは部屋の中央にあるソファーに座り、龍の女性は台所からバナナを持って来るとそれを食べながらウンランの後ろでソファーに寄りかかった。
「本当はこれで四神の遺産を探すつもりだった。だが、そんなことしても四神は俺のものにはならない」
「四神がお前のものになる? 何言ってんだ」
不満そうなダッチ。しかし、ウンランは話を続ける。
「俺達はお前を後継とは認めない。お前を四神から引き下ろし、その座を取り戻す」
「俺を引き下ろすだァ?」
ダッチがハンドガンを抜いてウンランに向けると、バナナを咥えたまま龍はマシンガンをダッチに向ける。
「落ち着けよ、ダッチ……。今すぐやろうってわけじゃない。いつか、必ずだ。今日はその挨拶ってわけだ」
「俺は今すぐでも構わないぜ」
「……はぁ、だからそれは困るんだって」
ウンランはテーブルに置いてある無線のボタンを押す。すると、雑音が流れた後、少女の声が聞こえていた。
『イタッチさん、ダッチさん、私、捕まってしまいました。助けてください』
そこから流れている声はアンの声だ。
「ガキ……」
ウンランが流している声が本物か確かめるために無線でアンに確認を取ろうとするが、雑音が多くて音声が聞き取れない。
「イタッチ……ガキが」
「あそこがバレるはずはない。偽物だ」
ダッチは少し焦っている様子だが、イタッチは冷静に答える。
だが、ウンランはニヤリと笑う。
「嘘かどうかはお前達に任せる。だが、お前達が一旦退くなら、この子供は解放する」
ダッチは銃口を下ろす。それを確認して龍もマシンガンを下ろした。
「……ッチ。今回は退いてやる。だが、四神はやるつもりはない。いつでも受けて立つ」
睨みつけるダッチにウンランは笑顔で返した。
「それはどうも。ではお楽しみに……」
ウンラン達と分かれて、ビルを出るともう一度無線を繋いでみる。すると、
『あ、やっと繋がりましたね!』
無線の向こうからアンの声が聞こえていた。
「アン無事か!!」
無線に向けて大声で叫ぶダッチ。大きな声で驚いたアンは、戸惑いながら答える。
「それはこっちの台詞ですよ。無線を妨害されて、こっちから連絡を取ろうとしてもなかなかうまくいかなかったんですよ。……てか、今名前……」
「捕まったりはしてないのか!?」
「私が捕まる? イタッチさんの隠し部屋にいるんですよ。見つかるわけないじゃないですか~!」
ホッとした様子のダッチ。しかし、アンは捕まっていなかったとすると、ウンランの無線の先にいたのは誰だったのか。
イタッチは無線でアンに伝える。
「事情は戻ってから伝える。厄介なことになりそうだ」
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる