時給100円で何でもやります!! スタントマン、魔王、宇宙の皇帝まで何でもござれ? 世界一の便利屋さん!!

ピラフドリア

文字の大きさ
1 / 12

第1話 『便利屋さん』

しおりを挟む
時給100円で何でもやります!! スタントマン、魔王、宇宙の皇帝まで何でもござれ? 世界一の便利屋さん!!


著者:ピラフドリア



第1話
『便利屋さん』



 ここは次元の狭間。どの空間でもあり、どの時間でもない不思議な空間だ。



 そんな空間に一軒の店があった。何もないはずの空間に木造の古屋がポツンと浮いている。



 そこには「なんでもござれ」と書かれた看板が置いてあり、そんな空間をふわふわと浮いていた。



 中にはいくつか扉があり、それはどんな世界にも行くことができる便利な扉がある。
 今日もその扉が開かれた。



「いらっしゃいませー」



 店員の俺は適当に挨拶する。俺はここでの唯一の従業員であり、店主のアマミヤだ。



 そして扉が開かれて入ってきたのは、トカゲの顔に鎧を着たリザードマンだった。
 リザードマンは焦っているようで、口をパクパクして喋っているが声が出ていない。



 俺はリザードマンにコップ一杯の水を出し、落ち着かせてから依頼を聞いた。



「それでどういったご依頼ですか?」



「ち、チラシを見ました。あれは本当ですか?」



 俺は各世界にチラシをばら撒いている。内容はこの小説のタイトルの一部だ。



 俺が頷くと、リザードマンは頼み込む。



「魔王様が逃げ出したんだ。もう勇者がそこまできてるってのに!!」



 リザードマンが来た世界は西洋ファンタジー風の世界らしい。
 今は魔王と勇者が戦争をしていて、世界の平和を賭けた戦闘中だと言う。



 しかし、勇者が魔王城に辿り着き、それに恐れた魔王が逃げ出してしまったようだ。



「このままだと勇者に示しがつかない。せめて代理でも良い。魔王をやってくれませんか!!」



 俺は立ち上がる。



 今回の依頼は危険だ。



 勇者に討伐されている魔王。その代わりになるという依頼だ。しかし、ここで引き下がっては便利屋さんの恥晒しだ。



「了解しました。俺が魔王の代わりになりましょう!!」



 俺は店の壁に立てかけてある槍を手に取る。



 その槍は物干し竿の先っちょをとんがらせたようなダサい槍だ。俺はそんな槍を手に取った後、上に掲げる。



「パンプガンドロンピピーーーー!!」



「なにそれダサ!!」



 リザードマンがダサいとか言ったが、これは大事な掛け声だ。正直俺の最近ダサい気がしてきたが、この呪文を唱えなければ、俺の力は発揮されない。



 すると俺の姿が光る。そして日曜の朝にやっている女の子用のヒーローアニメのように変身すると、俺の姿は魔王になっていた。



「ま、魔王様…………」



 リザードマンは驚いた様子で俺のことを見る。



「さぁ、仕事を始めようか!!」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...