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第15話 【BLACK EDGE 其の15 トラウマ】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第15話
【BLACK EDGE 其の15 トラウマ】
ブラッドが囮になってくれている間に、フェアは見つからないように移動して、子供達のいる場所へと向かう。
警備員はブラッドが暴れていることで騒ぎの方へと向かって行く。
ブラッドのおかげで順調に救出に向かえそうだ。
フェアは長い廊下を進んでいると、先の通路から足音が聞こえる。
この先は九十度に曲がっており、こっちからも向こうからも見えない。しかし、向こうは数人の足音が聞こえる。おそらく警備員だ。
フェアは近くに隠れる場所はないか探す。施設は研究所であり、白い廊下にいくつもの部屋がある。フェアは近くの部屋の扉を開けるとそっと閉めてその部屋に隠れた。
足音は近づくと、
「侵入者だ! 急げ!!」
そんな声と共に数名の大人達が走っている。フェアはどうにか見つからずにやり過ごすことができた。
フェアは警備員がいなくなってから、冷静になって自分の隠れた部屋を見渡してみた。
その部屋はフェアの入った扉ともう一つ奥の部屋に続け扉がある。
そして真ん中には人を一人押せることができるテーブルと、そのテーブルの上を照らすことができる大きなライト。
それを見たフェアは思い出す。
「ここは……」
フェアの身体は震える。両腕で全身を抑える。しかし、震えが止まらない。
この部屋は……。
「あの部屋だ……」
ここはフェアが白龍の力を手に入れた研究室。多くの子供達が死んでいた部屋であり、フェアにとってのトラウマの部屋だ。
施設の間取りは覚えていた。組織に協力して力を使っているときから、この施設はいろんなところを歩き回った。そんな中でも、この場所だけは避け続けていた。
しかし、子供たちを救えるかもしれないということで油断していた。施設の人間が前から来たことで焦ってしまった。
そして運悪くこの部屋に入ってしまった。
「…………なんで、よりにもよってこの部屋なの……」
フェアの脳裏に焼き付く。あの光景。あの時の恐怖。友達の死、龍の力、多くのことが走馬灯のように脳を巡る。
身体が動かない。急がないといけないのに、身体がいうことをきかない。
私が白龍の力を所持している限り、残りの子達には危険はない。組織の人間は手を出すことができないはずだ。
だから大丈夫なはずだ。大丈夫なはずなのに……。怖くなってしまう。
もう部屋には血はついていない。悲鳴も聞こえない。そのはずなのにフェアにはまるでまた新しい実験が行われたような想像をしてしまう。
そんなはずはない。
フェアは無理矢理にでも身体を動かす。
「……絶対に助ける」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第15話
【BLACK EDGE 其の15 トラウマ】
ブラッドが囮になってくれている間に、フェアは見つからないように移動して、子供達のいる場所へと向かう。
警備員はブラッドが暴れていることで騒ぎの方へと向かって行く。
ブラッドのおかげで順調に救出に向かえそうだ。
フェアは長い廊下を進んでいると、先の通路から足音が聞こえる。
この先は九十度に曲がっており、こっちからも向こうからも見えない。しかし、向こうは数人の足音が聞こえる。おそらく警備員だ。
フェアは近くに隠れる場所はないか探す。施設は研究所であり、白い廊下にいくつもの部屋がある。フェアは近くの部屋の扉を開けるとそっと閉めてその部屋に隠れた。
足音は近づくと、
「侵入者だ! 急げ!!」
そんな声と共に数名の大人達が走っている。フェアはどうにか見つからずにやり過ごすことができた。
フェアは警備員がいなくなってから、冷静になって自分の隠れた部屋を見渡してみた。
その部屋はフェアの入った扉ともう一つ奥の部屋に続け扉がある。
そして真ん中には人を一人押せることができるテーブルと、そのテーブルの上を照らすことができる大きなライト。
それを見たフェアは思い出す。
「ここは……」
フェアの身体は震える。両腕で全身を抑える。しかし、震えが止まらない。
この部屋は……。
「あの部屋だ……」
ここはフェアが白龍の力を手に入れた研究室。多くの子供達が死んでいた部屋であり、フェアにとってのトラウマの部屋だ。
施設の間取りは覚えていた。組織に協力して力を使っているときから、この施設はいろんなところを歩き回った。そんな中でも、この場所だけは避け続けていた。
しかし、子供たちを救えるかもしれないということで油断していた。施設の人間が前から来たことで焦ってしまった。
そして運悪くこの部屋に入ってしまった。
「…………なんで、よりにもよってこの部屋なの……」
フェアの脳裏に焼き付く。あの光景。あの時の恐怖。友達の死、龍の力、多くのことが走馬灯のように脳を巡る。
身体が動かない。急がないといけないのに、身体がいうことをきかない。
私が白龍の力を所持している限り、残りの子達には危険はない。組織の人間は手を出すことができないはずだ。
だから大丈夫なはずだ。大丈夫なはずなのに……。怖くなってしまう。
もう部屋には血はついていない。悲鳴も聞こえない。そのはずなのにフェアにはまるでまた新しい実験が行われたような想像をしてしまう。
そんなはずはない。
フェアは無理矢理にでも身体を動かす。
「……絶対に助ける」
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