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第73話 【BLACK EDGE 其の73 レイラ】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第73話
【BLACK EDGE 其の73 レイラ】
「レイラ!! さっさとそいつを始末して、こっちに加勢しろ!!」
クレインはシャドーと戦う少女にそう言う。それを聞いたレイラは、
「了解しました」
と言った後、シャドーに一瞬のうちに近づく。そのスピードにシャドーは影に逃げる暇もなく、レイラに捕まってしまった。
レイラはシャドーの腕を掴むと、シャドーを投げ飛ばす。遥か上空に飛ばされたシャドーは、木よりも高い高さから落下した。
シャドーは地面に倒れる。レイラはシャドーが倒れると今度はフェアに向かって走り出した。
このままではフェアが危険だ。だが、クレインが攻撃を仕掛けてくるためブラッドは動けない。
レイラがフェアに走っている途中、レイラの身体が突然沈んだ。地面の中に沈んでいく。まるで沼に浸かるように。
「シャドー!」
シャドーはまだ意識があった。そしてその技は今までブラッドが見たことがない技。
シャドーの影が動いて伸びた。そしてレイラの足元まで続いていたのだ。
「これは……」
シャドーは倒れた状態で喋る。
「こいつはあまり長い時間発動できない。それにすぐに影の世界に行けるわけじゃない。…………だが、こういう足止めはできる」
シャドーはブラッドに叫ぶ。
「今だ。やっちまえ!!」
それを聞いたブラッドはクレインに殴りかかる。フェアはシャドーがレイラを止めているため力を使える。
防御力の弱くなった鎧の上からブラッドは拳を握り、クレインを殴り飛ばした。
その一撃でクレインは力を緩めたのか、植物の操作がなくなり、鎧もなくなる。
だが……
「レイラァァァ!! 私を連れて逃げろ!!」
倒れる前にクレインはレイラにそう叫ぶ。それと同時にシャドーの影はシャドーの元に戻っていく。
能力の限界だったのだろう。
解放されたレイラは素早く移動してクレインの元へ行く。そしてクレインを抱き抱えると、高く飛び上がり逃げて行った。
戦いを終え、シャドーが目を覚ますと、フェアが力を使ってシャドーの傷を癒してくれていた。
「なぜ、俺を…………」
シャドーが聞くとフェアは、
「一緒に戦ってくれたから」
と答えた。シャドーは立ち上がる。
「今回は見逃してやる。今度会った時は……必ず捕らえる」
シャドーはそう言うとその場から立ち去ろうとする。そんなシャドーにフェアが聞く。
「あの子たちはどこに……?」
それはフェアたちが追っている子供たちの行方。だが、
「俺も知らない。だが、殺されてはいないはずだ。…………そういう命令だからな」
シャドーは森へと消えていった。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第73話
【BLACK EDGE 其の73 レイラ】
「レイラ!! さっさとそいつを始末して、こっちに加勢しろ!!」
クレインはシャドーと戦う少女にそう言う。それを聞いたレイラは、
「了解しました」
と言った後、シャドーに一瞬のうちに近づく。そのスピードにシャドーは影に逃げる暇もなく、レイラに捕まってしまった。
レイラはシャドーの腕を掴むと、シャドーを投げ飛ばす。遥か上空に飛ばされたシャドーは、木よりも高い高さから落下した。
シャドーは地面に倒れる。レイラはシャドーが倒れると今度はフェアに向かって走り出した。
このままではフェアが危険だ。だが、クレインが攻撃を仕掛けてくるためブラッドは動けない。
レイラがフェアに走っている途中、レイラの身体が突然沈んだ。地面の中に沈んでいく。まるで沼に浸かるように。
「シャドー!」
シャドーはまだ意識があった。そしてその技は今までブラッドが見たことがない技。
シャドーの影が動いて伸びた。そしてレイラの足元まで続いていたのだ。
「これは……」
シャドーは倒れた状態で喋る。
「こいつはあまり長い時間発動できない。それにすぐに影の世界に行けるわけじゃない。…………だが、こういう足止めはできる」
シャドーはブラッドに叫ぶ。
「今だ。やっちまえ!!」
それを聞いたブラッドはクレインに殴りかかる。フェアはシャドーがレイラを止めているため力を使える。
防御力の弱くなった鎧の上からブラッドは拳を握り、クレインを殴り飛ばした。
その一撃でクレインは力を緩めたのか、植物の操作がなくなり、鎧もなくなる。
だが……
「レイラァァァ!! 私を連れて逃げろ!!」
倒れる前にクレインはレイラにそう叫ぶ。それと同時にシャドーの影はシャドーの元に戻っていく。
能力の限界だったのだろう。
解放されたレイラは素早く移動してクレインの元へ行く。そしてクレインを抱き抱えると、高く飛び上がり逃げて行った。
戦いを終え、シャドーが目を覚ますと、フェアが力を使ってシャドーの傷を癒してくれていた。
「なぜ、俺を…………」
シャドーが聞くとフェアは、
「一緒に戦ってくれたから」
と答えた。シャドーは立ち上がる。
「今回は見逃してやる。今度会った時は……必ず捕らえる」
シャドーはそう言うとその場から立ち去ろうとする。そんなシャドーにフェアが聞く。
「あの子たちはどこに……?」
それはフェアたちが追っている子供たちの行方。だが、
「俺も知らない。だが、殺されてはいないはずだ。…………そういう命令だからな」
シャドーは森へと消えていった。
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