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第173話 【BLACK EDGE 其の173 炎の剣】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第173話
【BLACK EDGE 其の173 炎の剣】
赤崎に投げ飛ばされたブラッドは壁にぶつかる。
「っ!!」
シャドーは短剣を手に赤崎へと攻撃しようと近づこうとする。しかし、赤崎が炎の剣を振ることでシャドーは近づけずに、ジャンプして後ろに退がる。
シャドーは赤崎に近づけずにいた。
シャドーには自分の影を動かす技がある。それは光に関係なしに自分の影の堆積内であれば、それを操作できる。
しかし、シャドーのその能力は長い間使えるわけではないし、それにその能力を使った時の身体への負担が大きい。そのためその技を使うのは本当のチャンスのみ。
「どうした。グリモワール…………術は使わないのか?」
能力を発動させたのはトラックを移動させた一度だけ、赤崎はシャドーの能力が分かっていないため警戒している。
だが、赤崎の炎の剣が光を発しているため、シャドーは能力を使って近づくこともできずにいた。
そんな中、ブラッドがゆっくりと立ち上がる。
「ぐっ…………」
ブラッドは赤崎に投げられて壁に当たった衝撃でフラフラだ。
立ち上がったブラッドを見た赤崎は嬉しそうに言う。
「…………ほう、生きていたか……。危ない危ない。今度はもっと手加減をしないとな……」
立ち上がったブラッドの近くにシャドーは退がる。
「あの剣が厄介だな……」
シャドーが赤崎の剣を見ながらブラッドに呟く。
「ああ、近づけない。お前の術でどうにかできないのか?」
ブラッドが聞くとシャドーは首を横に振る。
「無理だ。あの剣の光で影が博士の方に向いていない。影の中に入っても博士の近くに影ができない限り近づくことができない」
シャドーの話を聞いたブラッドは考える。
「…………そうか。影の作れば良いんだな」
ブラッドはそう言うと拳を握って構えた。
「あの剣を封じる。その間にシャドー、お前が接近しろ…………」
ブラッドはそう言ってシャドーよりも前に出た。
「どうするつもりだ……。あの剣を封じるなんてことできるのか!?」
「自信があるからやるんだよ。…………失敗すんなよ。チャンスは一回だ」
ブラッドはシャドーの方を振り向かずにそう言った。
それを聞いたシャドーは覚悟を決める。
何度か戦ってきたからこそ、そしてブラッドのことを認めているからこそ、敵であってもブラッドの言葉を信用することができた。
そしてブラッドが任せてくれたからこそ、シャドーもそれに答えようと思えた。
「それはこっちのセリフだ。失敗するじゃねーぞ」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第173話
【BLACK EDGE 其の173 炎の剣】
赤崎に投げ飛ばされたブラッドは壁にぶつかる。
「っ!!」
シャドーは短剣を手に赤崎へと攻撃しようと近づこうとする。しかし、赤崎が炎の剣を振ることでシャドーは近づけずに、ジャンプして後ろに退がる。
シャドーは赤崎に近づけずにいた。
シャドーには自分の影を動かす技がある。それは光に関係なしに自分の影の堆積内であれば、それを操作できる。
しかし、シャドーのその能力は長い間使えるわけではないし、それにその能力を使った時の身体への負担が大きい。そのためその技を使うのは本当のチャンスのみ。
「どうした。グリモワール…………術は使わないのか?」
能力を発動させたのはトラックを移動させた一度だけ、赤崎はシャドーの能力が分かっていないため警戒している。
だが、赤崎の炎の剣が光を発しているため、シャドーは能力を使って近づくこともできずにいた。
そんな中、ブラッドがゆっくりと立ち上がる。
「ぐっ…………」
ブラッドは赤崎に投げられて壁に当たった衝撃でフラフラだ。
立ち上がったブラッドを見た赤崎は嬉しそうに言う。
「…………ほう、生きていたか……。危ない危ない。今度はもっと手加減をしないとな……」
立ち上がったブラッドの近くにシャドーは退がる。
「あの剣が厄介だな……」
シャドーが赤崎の剣を見ながらブラッドに呟く。
「ああ、近づけない。お前の術でどうにかできないのか?」
ブラッドが聞くとシャドーは首を横に振る。
「無理だ。あの剣の光で影が博士の方に向いていない。影の中に入っても博士の近くに影ができない限り近づくことができない」
シャドーの話を聞いたブラッドは考える。
「…………そうか。影の作れば良いんだな」
ブラッドはそう言うと拳を握って構えた。
「あの剣を封じる。その間にシャドー、お前が接近しろ…………」
ブラッドはそう言ってシャドーよりも前に出た。
「どうするつもりだ……。あの剣を封じるなんてことできるのか!?」
「自信があるからやるんだよ。…………失敗すんなよ。チャンスは一回だ」
ブラッドはシャドーの方を振り向かずにそう言った。
それを聞いたシャドーは覚悟を決める。
何度か戦ってきたからこそ、そしてブラッドのことを認めているからこそ、敵であってもブラッドの言葉を信用することができた。
そしてブラッドが任せてくれたからこそ、シャドーもそれに答えようと思えた。
「それはこっちのセリフだ。失敗するじゃねーぞ」
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