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エルデリオンの過去の夢
エルデリオンの夢 4
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そして、二人目の剣豪との対戦。
「さっきはラッキーだったな。ぼうや」
そう笑う剣豪。
一番目の男よりもっと、筋肉隆々で背も高かった。
威嚇するように、剣をびゅっ!びゅっ!と振り回す。
まるで首ですら。
一瞬で飛びそうな豪腕…。
一方、デルデロッテは砂とあちこちに負った掠り傷で、頼りなげに目に映る…。
が。
デルデロッテは、開始と共に突っ込んで行く。
相手は目を見開く。
「…命知らずが…!」
まだもう一人倒さねばならない、デルデロッテの計算度外視のその行動に。
驚いた剣豪は、目前に飛び込むデルデロッテに、剣を振り込む。
誰もが、デルデロッテの意外な突進に動揺し、明らかに試合前より甘い、剣豪の振りを見、デルデロッテは対等に戦えるかもしれない。
そう、思った時。
デルデロッテは砂埃上げて剣豪の、背後に回り込んで剣を振り上げてた。
滑る足元から砂埃が上がり、デルデロッテは剣を剣豪の背に渾身の力で振り下ろす。
「それまで!!!」
決死の審判の声が轟き、背後に振り向きかけた剣豪は、ピタリ…と動きを止めた。
デルデロッテの剣も、宙で停止する。
剣豪の背に、届くギリギリ。
デルデロッテの、射るような濃紺の瞳。
「勝者、デルデロッテ!!!」
ぅわぁぁあああああああああああっっ!!!
闘技場の見物人達は、今や立ち上がって叫んでいた。
けれど…。
“後、一人…!”
デルデロッテの濃紺の瞳は厳しく、少しも緩まない。
最後の対戦相手は…顔を歪める。
「…粘るな…。
いいか、先の二人はお前を舐めきってた。
が、俺は違う!!!」
“もう勝てない…無理だ…”
試合場の誰もが、沈黙の中、内心囁いてた。
…デルデロッテが剣を、受けてはヨロめき…。
受けては足元が危なくて…。
その様子が、涙で滲んで…。
歪んで見えたっけ…。
真剣に倒そうと剣を振り込む、三人目の剣豪の、止めの剣を何とか…。
首の皮ギリギリ一枚で繋がってるかのように危なげに、避け続けるのを見た。
ああ…その時私は、ただひたすらデルデロッテが大怪我をせず、終わる事を祈ってた。
思い知らされていた…。
大国の、厳しい大人の世界…。
デルデロッテはいつも…それに反抗するように私を導き、大人達をあざ笑って…。
さらってくれていた。
冒険の、世界へと…。
けれど…。
とうとう、子供時代が。
あの楽しかった日々が…。
敗北する時が、来ていた。
祈るように…思い続けてた。
“もう負けても構わない…!
デルデロッテが…怪我すら負わなければ…!”
そして鮮明に、思い出してた。
あの林で盗賊に出会い、怪我を負ったデルデロッテを見舞った最初の晩。
真っ青な顔で、目を閉じ横たわる彼を見て
“二度と目覚めなかったらどうしよう“
と…。
怖くて一晩中、眠れなかったあのときを。
“どうして、忘れていられた?!
私の従者になんて、ならなくていい…!
側に、いてくれなくてもいい…!
君が自由で…。
私より遠く離れていても、元気でさえ…いてくれたなら…!!!”
「さっきはラッキーだったな。ぼうや」
そう笑う剣豪。
一番目の男よりもっと、筋肉隆々で背も高かった。
威嚇するように、剣をびゅっ!びゅっ!と振り回す。
まるで首ですら。
一瞬で飛びそうな豪腕…。
一方、デルデロッテは砂とあちこちに負った掠り傷で、頼りなげに目に映る…。
が。
デルデロッテは、開始と共に突っ込んで行く。
相手は目を見開く。
「…命知らずが…!」
まだもう一人倒さねばならない、デルデロッテの計算度外視のその行動に。
驚いた剣豪は、目前に飛び込むデルデロッテに、剣を振り込む。
誰もが、デルデロッテの意外な突進に動揺し、明らかに試合前より甘い、剣豪の振りを見、デルデロッテは対等に戦えるかもしれない。
そう、思った時。
デルデロッテは砂埃上げて剣豪の、背後に回り込んで剣を振り上げてた。
滑る足元から砂埃が上がり、デルデロッテは剣を剣豪の背に渾身の力で振り下ろす。
「それまで!!!」
決死の審判の声が轟き、背後に振り向きかけた剣豪は、ピタリ…と動きを止めた。
デルデロッテの剣も、宙で停止する。
剣豪の背に、届くギリギリ。
デルデロッテの、射るような濃紺の瞳。
「勝者、デルデロッテ!!!」
ぅわぁぁあああああああああああっっ!!!
闘技場の見物人達は、今や立ち上がって叫んでいた。
けれど…。
“後、一人…!”
デルデロッテの濃紺の瞳は厳しく、少しも緩まない。
最後の対戦相手は…顔を歪める。
「…粘るな…。
いいか、先の二人はお前を舐めきってた。
が、俺は違う!!!」
“もう勝てない…無理だ…”
試合場の誰もが、沈黙の中、内心囁いてた。
…デルデロッテが剣を、受けてはヨロめき…。
受けては足元が危なくて…。
その様子が、涙で滲んで…。
歪んで見えたっけ…。
真剣に倒そうと剣を振り込む、三人目の剣豪の、止めの剣を何とか…。
首の皮ギリギリ一枚で繋がってるかのように危なげに、避け続けるのを見た。
ああ…その時私は、ただひたすらデルデロッテが大怪我をせず、終わる事を祈ってた。
思い知らされていた…。
大国の、厳しい大人の世界…。
デルデロッテはいつも…それに反抗するように私を導き、大人達をあざ笑って…。
さらってくれていた。
冒険の、世界へと…。
けれど…。
とうとう、子供時代が。
あの楽しかった日々が…。
敗北する時が、来ていた。
祈るように…思い続けてた。
“もう負けても構わない…!
デルデロッテが…怪我すら負わなければ…!”
そして鮮明に、思い出してた。
あの林で盗賊に出会い、怪我を負ったデルデロッテを見舞った最初の晩。
真っ青な顔で、目を閉じ横たわる彼を見て
“二度と目覚めなかったらどうしよう“
と…。
怖くて一晩中、眠れなかったあのときを。
“どうして、忘れていられた?!
私の従者になんて、ならなくていい…!
側に、いてくれなくてもいい…!
君が自由で…。
私より遠く離れていても、元気でさえ…いてくれたなら…!!!”
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