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接近
庭園 その2
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エルデリオンは自分の手の下に、レジィリアンスの手の甲の温もりを感じ、拒絶されてない事に、ほっとしながら、つい…思い出してしまった。
デルデロッテの、濃厚な舌使い。
そして彼の言葉。
“私の行為を思い出して、奉仕すれば…。
その内相手の方から、して欲しいとねだって来る”
それで思い切って、レジィリアンスに振り向くと、尋ねる。
「あの…。
全てが…不快でしたか?」
問われて、レジィリアンスはずっと、思い出すまい。
と記憶から極力閉め出そうとした、あの時の状態を思い出す。
「…あの…。
その…貴方のような高貴な方が…僕…のを、口…に…。
凄くびっくりしてしまって…。
でもあの…それは、嫌じゃ無かったです…」
どんどん声が小さくなり…エルデリオンはもうその他の部分は、今は触れまいと思った。
「…また…して欲しいですか?」
レジィリアンスは思わず、こくん。
と頷いてしまってから…はっ!と気づく。
慌ててエルデリオンを見上げるが、今の彼はあの時と違って、とても冷静で穏やかに見えた。
エルデリオンは笑顔で囁く。
「大抵の男はあれが好きで…。
私も、他人にして貰うのが、とても好きです」
レジィリアンスは、ほっとしたように囁いた。
「…じゃ…僕…が、特別変じゃ無いんですか?」
エルデリオンは微笑みながら、頷いた。
そして尋ねる。
「時々…思い出して、自分で触ったり…なさいますか?」
レジィリアンスはぶんぶん。と首を横に振る。
頬は真っ赤で、エルデリオンはそんな可愛らしいレジィリアンスの様子に、笑みが止まらない。
「…朝方…その…そんな…気分には…なるんですけど…。
疲労もありましたし、精神的に…落ち着かなかったので…」
ぽつりぽつりと話す、レジィリアンスの言葉を聞き、エルデリオンは眉間を悲しげに寄せた。
「…私の…せいですね…」
レジィリアンスはまた素直に、こくん。と頷いた後、慌ててエルデリオンを見上げる。
エルデリオンは俯いて、落胆するような表情をしていた。
「…本当に、どうかしていたんです…。
私はただ…。
貴方と今、こんな風に近くでお顔を拝見して…。
お側で過ごせたらと…思っていた、だけなのに…」
レジィリアンスはその時、エルデリオンが…領土も父も、自分さえも…傷つけるつもりなんて、まるで無かったのだと、気づいた。
エルデリオンは自分を見つめるレジィリアンスに気づき、顔を向けて微笑む。
「あの…。
私もされて気持ちが良いので。
もしよろしければ、共同の居間でしたら、して差し上げられます」
レジィリアンスは頬が、真っ赤になってると分かった。
だって凄く、熱かったから。
エルデリオンは心配そうに覗き込んで、囁く。
「あの…それ以外の事は、貴方のお許しが無ければ、致しませんし…。
もし私が…また酷い興奮状態になっても…。
いつでも呼び鈴を引いて、エウロペ殿を呼んで頂けますから」
レジィリアンスは恥ずかしくって、真っ赤に成ったまま、顔が上げられなかった。
それで、ようやくエルデリオンに囁きかけた。
「あの…。
それでは…もし、して頂きたくなったら…。
共同の居間から、貴方の寝室をノックいたします…」
エルデリオンは“いつ”とは言われず、ちょっとその返答に、がっかりしたけれど。
頷いて微笑みかけた。
「お待ちしています」
その言葉に、レジィリアンスは少し恥ずかしさが減って、エルデリオンを見上げた。
「…あの…普通の男性は…。
つまり貴方が、もし他のお方に、して頂けるお約束をされたら…。
直ぐ…その、して欲しいですか?」
エルデリオンは上品ににっこり、微笑んだ。
「よほど大切な公用が無い限り。
多分直ぐ、誘いに乗ってしまうでしょうね」
レジィリアンスは俯いて、独り言のように呟いた。
「…やっぱり…気持ち…いい…か…ら?」
けれど顔を上げ、エルデリオンの返答を覗う。
エルデリオンは一瞬戸惑ったけれど。
にっこり微笑むと
「ええ」
と、頷いた。
ガサ…!
茂みから音がして、エウロペが姿を現す。
エルデリオンは内心
「(暗いし、表情を覗うため、顔を寄せていたから…。
キスしてたと、勘違いされたかな?)」
と、心臓が炙った。
エウロペとエリューンはいつでも遠慮無く、殺気すら混じらせ、睨み付けてくるので。
正直エルデリオンは、思い切り怯んだ。
が、レジィリアンスはエウロペの姿を見ると、嬉しそう。
「あ、場を外して、王妃様に失礼ですか?」
エウロペは頷く。
「貴方は大丈夫かと。
ロットバルト殿が、尋ねられたそうです」
レジィリアンスは頷くと
「今、戻ります」
と告げて、立ち上がる。
エルデリオンは立ち上がるレジィリアンスに微笑まれ、心が暖かくなって、微笑み返すと立ち上がり、レジィリアンスと手を繋いで、東屋の階段を降りた。
デルデロッテの、濃厚な舌使い。
そして彼の言葉。
“私の行為を思い出して、奉仕すれば…。
その内相手の方から、して欲しいとねだって来る”
それで思い切って、レジィリアンスに振り向くと、尋ねる。
「あの…。
全てが…不快でしたか?」
問われて、レジィリアンスはずっと、思い出すまい。
と記憶から極力閉め出そうとした、あの時の状態を思い出す。
「…あの…。
その…貴方のような高貴な方が…僕…のを、口…に…。
凄くびっくりしてしまって…。
でもあの…それは、嫌じゃ無かったです…」
どんどん声が小さくなり…エルデリオンはもうその他の部分は、今は触れまいと思った。
「…また…して欲しいですか?」
レジィリアンスは思わず、こくん。
と頷いてしまってから…はっ!と気づく。
慌ててエルデリオンを見上げるが、今の彼はあの時と違って、とても冷静で穏やかに見えた。
エルデリオンは笑顔で囁く。
「大抵の男はあれが好きで…。
私も、他人にして貰うのが、とても好きです」
レジィリアンスは、ほっとしたように囁いた。
「…じゃ…僕…が、特別変じゃ無いんですか?」
エルデリオンは微笑みながら、頷いた。
そして尋ねる。
「時々…思い出して、自分で触ったり…なさいますか?」
レジィリアンスはぶんぶん。と首を横に振る。
頬は真っ赤で、エルデリオンはそんな可愛らしいレジィリアンスの様子に、笑みが止まらない。
「…朝方…その…そんな…気分には…なるんですけど…。
疲労もありましたし、精神的に…落ち着かなかったので…」
ぽつりぽつりと話す、レジィリアンスの言葉を聞き、エルデリオンは眉間を悲しげに寄せた。
「…私の…せいですね…」
レジィリアンスはまた素直に、こくん。と頷いた後、慌ててエルデリオンを見上げる。
エルデリオンは俯いて、落胆するような表情をしていた。
「…本当に、どうかしていたんです…。
私はただ…。
貴方と今、こんな風に近くでお顔を拝見して…。
お側で過ごせたらと…思っていた、だけなのに…」
レジィリアンスはその時、エルデリオンが…領土も父も、自分さえも…傷つけるつもりなんて、まるで無かったのだと、気づいた。
エルデリオンは自分を見つめるレジィリアンスに気づき、顔を向けて微笑む。
「あの…。
私もされて気持ちが良いので。
もしよろしければ、共同の居間でしたら、して差し上げられます」
レジィリアンスは頬が、真っ赤になってると分かった。
だって凄く、熱かったから。
エルデリオンは心配そうに覗き込んで、囁く。
「あの…それ以外の事は、貴方のお許しが無ければ、致しませんし…。
もし私が…また酷い興奮状態になっても…。
いつでも呼び鈴を引いて、エウロペ殿を呼んで頂けますから」
レジィリアンスは恥ずかしくって、真っ赤に成ったまま、顔が上げられなかった。
それで、ようやくエルデリオンに囁きかけた。
「あの…。
それでは…もし、して頂きたくなったら…。
共同の居間から、貴方の寝室をノックいたします…」
エルデリオンは“いつ”とは言われず、ちょっとその返答に、がっかりしたけれど。
頷いて微笑みかけた。
「お待ちしています」
その言葉に、レジィリアンスは少し恥ずかしさが減って、エルデリオンを見上げた。
「…あの…普通の男性は…。
つまり貴方が、もし他のお方に、して頂けるお約束をされたら…。
直ぐ…その、して欲しいですか?」
エルデリオンは上品ににっこり、微笑んだ。
「よほど大切な公用が無い限り。
多分直ぐ、誘いに乗ってしまうでしょうね」
レジィリアンスは俯いて、独り言のように呟いた。
「…やっぱり…気持ち…いい…か…ら?」
けれど顔を上げ、エルデリオンの返答を覗う。
エルデリオンは一瞬戸惑ったけれど。
にっこり微笑むと
「ええ」
と、頷いた。
ガサ…!
茂みから音がして、エウロペが姿を現す。
エルデリオンは内心
「(暗いし、表情を覗うため、顔を寄せていたから…。
キスしてたと、勘違いされたかな?)」
と、心臓が炙った。
エウロペとエリューンはいつでも遠慮無く、殺気すら混じらせ、睨み付けてくるので。
正直エルデリオンは、思い切り怯んだ。
が、レジィリアンスはエウロペの姿を見ると、嬉しそう。
「あ、場を外して、王妃様に失礼ですか?」
エウロペは頷く。
「貴方は大丈夫かと。
ロットバルト殿が、尋ねられたそうです」
レジィリアンスは頷くと
「今、戻ります」
と告げて、立ち上がる。
エルデリオンは立ち上がるレジィリアンスに微笑まれ、心が暖かくなって、微笑み返すと立ち上がり、レジィリアンスと手を繋いで、東屋の階段を降りた。
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