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接近
王妃付き侍女らのお茶会 2
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「…いつもはお年にしては聞き分けの良い、とても穏やかなお方ですのよ」
エーメが言うと
「いつも少し、はにかまれて。
…とても可愛らしい方だったわ」
と、フランセまでもが言う。
「でもちゃんと、男らしい所もおありで」
アレキサンドラが、思い出すように囁く。
レジィリアンスはそれが…エルデリオンの、寝台での評価だと分かって、真っ赤になって顔を下げた。
シャルロッテが、恥ずかしがるレジィリアンスを見ながら、タメ息まじりに言う。
「…でも…。
国に攻め入ってまで、略奪なさるだなんて…。
そんな情熱的な所がおありだなんて、全然知りませんでした」
レジィリアンスは愛らしい美少女にそう呟かれ、おずおずと尋ねる。
「…本当は私を見て、呆れていらっしゃいませんか?」
アレキサンドラが、途端叫んだ。
「まあ…!とんでもない!」
周囲の皆に見つめられ、アレキサンドラは声を抑えて囁く。
「でも激しさとか情熱的とか…。
そんな事とはどちらかと言うと、無縁のお方なのは、確かですわ。
年の割には自制がおききになって、感情的になる事があんまり、無い方ですの」
フランセが扇を口に当てたまま、アレキサンドラを横目で見つめ、口を開く。
「私、思うんだけど。
貴方がデルデロッテ様に、入れ込んだ事がいけなかったんじゃない?
一番貴方をお気に入りだったのに。
貴方、エルデリオン様に随分、冷たかったでしょう?
あの、後のように思うんだけど…。
エルデリオン様が花嫁探しの、旅に出られたのは」
アレキサンドラはジロリ…!とフランセを見つめ、反論する。
「あら…!
エルデリオン様は最初は貴方に、とてもご好意を持っていらっしゃったのよ?
でも貴方が、どの殿方にも優しくするものだから…!」
「おやめなさい」
エーメが年上らしく、言い争う二人を制した。
アルデリッテがぽつり、とつぶやくように言った。
「わたくしなら、エルデリオン様のような…美しくて気品溢れ、それでいてお優しくて男らしいお方の花嫁になれたら、夢のようですけれど。
………男のお方にとっては、お辛いばかりでしょうね」
アルデリッテのその言葉に、一同はレジィリアンスを見つめ、タメ息を付く。
レジィリアンスは途端、それが情事の事を意味してると分かり、一斉に見つめられ…。
昨夜の痴態が恥ずかしくって、居場所を無くしたように小さくなった。
エーメが心配そうに尋ねる。
「…あの方、お優しくはないんですの?」
レジィリアンスは返事に、困ってしまった。
「手ほどきもまだのお方に、お優しいもあったものじゃないわ」
フランセが、突っぱねるように吐き捨てる。
すると、アレキサンドラも同意した。
「そうよね。
気持ちのある方とは、とても楽しい事だけど」
エーメが、優しく切り出す。
「レジィリアンス様はまだとてもお若くて、殿方の扱いはお解りにならないと思いますけれど。
でも嫌な事は、例え最中でも。
きっぱりと嫌と、言われた方がいいわ。
勿論、聞かない殿方もいらっしゃるとは思いますけど、エルデリオン様はちゃんと、聞いて下さるはず…」
「そうよ!
好きな相手の時は、嫌われはしないかと、言い出せない事はあるかもしれないけれど…」
フランセの言葉に、意外そうにアレキサンドラが尋ねた。
「あら、貴方にもそんな事があるの?」
シャルロッテが可愛らしくさえずる。
「フランセお姉さま、ラステル様がお好きなの。
ラステル様に、エルデリオン様のお相手をお願いされ、嫌と言えなかったんですって!」
アレキサンドラが笑った。
「あら……!
でもエルデリオン様のお相手も、まんざらではなかったんでしょ?」
「……うるさいわね」
きゃはははは…。
彼女達の笑い声が、朗らかに響く。
この明け透けさに、初恋もまだで、エルデリオンしか知らないレジィリアンスは、困惑しきった。
が、明るく楽しそうな彼女達は、まぶしかった。
エーメが言うと
「いつも少し、はにかまれて。
…とても可愛らしい方だったわ」
と、フランセまでもが言う。
「でもちゃんと、男らしい所もおありで」
アレキサンドラが、思い出すように囁く。
レジィリアンスはそれが…エルデリオンの、寝台での評価だと分かって、真っ赤になって顔を下げた。
シャルロッテが、恥ずかしがるレジィリアンスを見ながら、タメ息まじりに言う。
「…でも…。
国に攻め入ってまで、略奪なさるだなんて…。
そんな情熱的な所がおありだなんて、全然知りませんでした」
レジィリアンスは愛らしい美少女にそう呟かれ、おずおずと尋ねる。
「…本当は私を見て、呆れていらっしゃいませんか?」
アレキサンドラが、途端叫んだ。
「まあ…!とんでもない!」
周囲の皆に見つめられ、アレキサンドラは声を抑えて囁く。
「でも激しさとか情熱的とか…。
そんな事とはどちらかと言うと、無縁のお方なのは、確かですわ。
年の割には自制がおききになって、感情的になる事があんまり、無い方ですの」
フランセが扇を口に当てたまま、アレキサンドラを横目で見つめ、口を開く。
「私、思うんだけど。
貴方がデルデロッテ様に、入れ込んだ事がいけなかったんじゃない?
一番貴方をお気に入りだったのに。
貴方、エルデリオン様に随分、冷たかったでしょう?
あの、後のように思うんだけど…。
エルデリオン様が花嫁探しの、旅に出られたのは」
アレキサンドラはジロリ…!とフランセを見つめ、反論する。
「あら…!
エルデリオン様は最初は貴方に、とてもご好意を持っていらっしゃったのよ?
でも貴方が、どの殿方にも優しくするものだから…!」
「おやめなさい」
エーメが年上らしく、言い争う二人を制した。
アルデリッテがぽつり、とつぶやくように言った。
「わたくしなら、エルデリオン様のような…美しくて気品溢れ、それでいてお優しくて男らしいお方の花嫁になれたら、夢のようですけれど。
………男のお方にとっては、お辛いばかりでしょうね」
アルデリッテのその言葉に、一同はレジィリアンスを見つめ、タメ息を付く。
レジィリアンスは途端、それが情事の事を意味してると分かり、一斉に見つめられ…。
昨夜の痴態が恥ずかしくって、居場所を無くしたように小さくなった。
エーメが心配そうに尋ねる。
「…あの方、お優しくはないんですの?」
レジィリアンスは返事に、困ってしまった。
「手ほどきもまだのお方に、お優しいもあったものじゃないわ」
フランセが、突っぱねるように吐き捨てる。
すると、アレキサンドラも同意した。
「そうよね。
気持ちのある方とは、とても楽しい事だけど」
エーメが、優しく切り出す。
「レジィリアンス様はまだとてもお若くて、殿方の扱いはお解りにならないと思いますけれど。
でも嫌な事は、例え最中でも。
きっぱりと嫌と、言われた方がいいわ。
勿論、聞かない殿方もいらっしゃるとは思いますけど、エルデリオン様はちゃんと、聞いて下さるはず…」
「そうよ!
好きな相手の時は、嫌われはしないかと、言い出せない事はあるかもしれないけれど…」
フランセの言葉に、意外そうにアレキサンドラが尋ねた。
「あら、貴方にもそんな事があるの?」
シャルロッテが可愛らしくさえずる。
「フランセお姉さま、ラステル様がお好きなの。
ラステル様に、エルデリオン様のお相手をお願いされ、嫌と言えなかったんですって!」
アレキサンドラが笑った。
「あら……!
でもエルデリオン様のお相手も、まんざらではなかったんでしょ?」
「……うるさいわね」
きゃはははは…。
彼女達の笑い声が、朗らかに響く。
この明け透けさに、初恋もまだで、エルデリオンしか知らないレジィリアンスは、困惑しきった。
が、明るく楽しそうな彼女達は、まぶしかった。
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