森と花の国の王子

あーす。

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エルデリオンの幸福な始まり

ラステルの言うとおり、全力でエルデリオンを垂らしにかかるデルデロッテ 7

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 けれど背に逞しい胸をぴったりくっつけ、支えてくれてるのは意地悪してるデルデ…。

エルデリオンは振り向くと、顔を傾けてるデルデに唇を近づけ、囁く。
「デルデ、恥ずかしくって死んじゃいそう…」

呟くと、うんと身を捻ってデルデロッテの首に両腕回し、抱きつく。
デルデは双丘から手を離し、エルデリオンの背を抱き込んで囁き返す。

「…覚えてます?
昔っから貴方…私が悪戯すると、いつもこうして…」

エルデリオンが、頷く。

「…甘えると…いっつもその後、優しくしてくれた………」

デルデは少し、懐かしそうに…昔の、愛らしくって素直で。
可愛らしい幼いエルデリオンを、思い返してるように見えた。

真っ直ぐの明るい栗毛を振って…唇を真っ赤に染め…幼いエルデリオンが笑顔で振り向く。
すましているととても大人しげ。
ヘイゼルの瞳はとても理知的で、凄く利発そうに見えるのに。

笑った時は本当に、可愛らしかった。

デルデは少し、震えた声で囁く。
「ラザフォードが…私を貴方から、遠ざけるはずだ…。
だって貴方…私といる時、王子としてはとても弱い」

エルデリオンは潤んだ瞳で、デルデロッテを見上げた。
「…でもそれが…私だった。
いつも大人に囲まれ…言いたい事もロクに言えない意気地無し…。
貴方と出会ったから、言えるようになった…。
それに貴方が剣の名手だから。
私も一生懸命頑張ったし…女性の扱いも上手だから…。
私もそう…なろう…と………」

けれどデルデが悼むように見つめるから。
エルデリオンはデルデロッテにそっ…と顔を近づけ、口づける。

唇を触れさせるだけのキスだったけど。
デルデは自分を…本当はずっと求めて来たエルデリオンの心が流れ込んで来てるように感じ、暫くその思いを噛みしめた。

そっ…と顔を離し、エルデリオンを見つめる。
そして微笑った。

「女性は垂らせないかもしれませんが…。
私を垂らすの、貴方天才的に上手です」

エルデリオンは思わずデルデの胸に縋り付いた。
意地悪されても…でも肝心な時、いっつも優しくって………。
彼が側に居ると安心出来て、大好きだった………。

デルデの手が腿を持ち上げて。
垂らされた布から、足が引き抜かれる。

「…もしご自分で、どんな状態か確かめたい時。
この方法を使ってご覧なさい。
私が居れば、要りませんが」

エルデリオンはかっ!と頬を染める。
「…デルデ…私の蕾…見るの、好きなの?」

聞くとデルデロッテは、憮然と呟く。
「最初目にした時。
既に赤くなってました。
出来れば薄いピンクの時、見たかった」

エルデリオンはまだ。
デルデが最初にエウロペに挿入させた事を、真剣に怒ってる。
と感じ、俯く。

デルデが首に巻き付く、エルデリオンの腕を解いて寝台から立ち上がり、降りてもう片方の足の戒めも、外す。

そして言った。

「夕飯を食べないと。
流石に軽食だけじゃ直ぐ消化して、ぺこぺこです」

言って、手を差し伸べるので。
エルデリオンはその手に掴まった。


デルデがベルを鳴らし、やって来た召使いに夕食を頼む。
時間を知らせる鐘が、七回響き渡った。

デルデに手を引かれ、裸のまま、また浴室に向かう。
ふと…エルデリオンが姿見を見た時。
自分の白い肌のあちこちに、赤い痣を見つけ、ばっ!と顔を下げる。

キスマークだらけ………。

デルデの
『私の物にする』
の意味がはっきり分かり、顔を上げて尋ねた。

「デルデいっつも…女性相手にもこんな…いっぱい痣付けるの?
こんなコトされたら…他の相手と寝られない…よね?」

デルデは浴室の扉を開け、振り向く。
「…逆ですね。
いっつも、付けられる方」

エルデリオンが顔を上げ、デルデと一緒に浴室に入る。
デルデは繋いでいた手を外し、月明かりだけでは暗い浴室の、テーブルに真っ直ぐ歩み寄る。

テーブル上のランプのガラスの蓋を持ち上げ、明かりを灯し始める。

それを見ながら、エルデリオンは問いかけた。
「…される…側?」
デルデは振り向かないまま、火打ち石で火を付けながら呟く。

「そう。
私が次の女性と寝る時、見せつけるためにわざと付ける。
けど殆どの女性がするので…キスマークだらけで、牽制にもならない」

ランプに火が付き、ガラスの蓋をし、持ち上げて浴槽の近くのテーブルに置くデルデを、エルデリオンは見つめ、尋ねた。
「…デルデは…しないの?」

デルデロッテは綺麗に微笑んだ。
「君が初めて」

エルデリオンは心臓が、どくん!と跳ねるのを意識した。

「(…どうしよう…。
凄く嬉しい………)」

デルデに手を差し伸べられ、引かれてまた、浴槽に浸かる。
温泉を地上から四階まで引き上げてたから…湯は温かく、心地良い。

背に腕を回され、ゆっくり抱き寄せられる。
仄暗い中、エルデリオンはデルデの…自分を見つめる綺麗な顔を見上げた。

「…凄く…背が高くなった。
いつも高かったけど…いつか追いつくと思ったのに」
「母が高いから」
「…デルデ…お母さん似だっけ…。
お父さんも、高い?」

デルデはくすっ!と笑った。
「まぁね…。
外見はわりと格好いいよ。
剣、振ってる時限定だけど。
いつもは…すごくいい加減」

エルデリオンはまだじっと…デルデロッテを見つめた。
「…デルデは…いい加減じゃない…」
デルデはエルデリオンの言葉を訂正した。
「いい加減だった…よ。
けど君が王子なんて身分だから。
いい加減出来ない…」

湯に、一緒にちゃぷ…と浸かる。
中庭に続く掃き出し窓は、開いていたから。
肌寒く感じて。

デルデが振り向いて、言葉を足す。
「ああ…!
それに母は、ちゃんとした人だから。
父と違って、いい加減じゃ無い」

エルデリオンはふ…と思い出した。
「文学の講師に…あなたの事話した時…。
デルデのお母さんって、凄く頭が良くて。
凄い美人で。
いっくら剣が強かろうと、どうしてあんな知的な女性が、あんな男を夫にしたのか。
理解出来ない…って…言ってた」

デルデはクスクス笑う。
「きっとその講師、母の信奉者だろうね。
今でも暇さえあれば母の取り巻きが訪れては、母を口説いて行く。
“離婚したら、いつでもお声をかけて下さい”
って。
父はそれを聞くと、どかどか部屋に入って行って。
“当分その予定は無い”
って追っ払ってた。
けど母には惚れ込んでて、頭が上がらないから。
母に
“あいつ、二度とここに寄越すな”
って、言えないんだ」

「お父さん…凄くお母さんのことが好きなんだ」

デルデはまた、くすくすくす…と笑った。
「父に言わせれば、一番の恋敵は私らしい。
母は
“貴方は私の一番のお気に入り”
が口癖で。
父はいっつも嫉妬剥き出しで私を睨むから」

エルデリオンは目を、ぱちくりさせた。
「…デルデのお父さんって…」
デルデは頷いて、言った。
「呆れるだろう?
知的な母と違って、いつまで経っても子供っぽい。
私もそういうとこ、あるけど。
父には負ける」

エルデリオンは聞きながら…湯に浸かった…刺激された乳首とか蕾が…つきんつきん…と疼くのを感じた。

胸に視線を落とす。
すると…凄く膨らんで見え…恥ずかしくって赤くなった。

デルデは気づいて囁く。
「君の胸…って、色白だけどいかにも青年って感じの。
色気なんてまるで無い、筋肉質だったけど。
乳首虐めたら…胸全体が、なんか丸くなってきてない?」

エルデリオンはつい恥ずかしくって、大声で怒鳴ってしまった。

「そんな事、絶対無い!!!」
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