森と花の国の王子

あーす。

文字の大きさ
293 / 418
ゾーデドーロ(東の最果て)

昔見知ったノルデュラス公爵

しおりを挟む
 エルデリオンは口づけられてる唇の感触に、意識を取り戻す。
既に股間に大きな男の手が入り込み…一物を握られ、先端を幾度も親指の腹で擦られて、反応しかけていた。

はっ!
と気づき、腕を下ろそうとしたけど…右手も、左手までもが上で縛られてる。

寝台に横たわっていて、頭の下にふかふかの枕。
のしかかってる男は顔の角度を変え、深く唇を重ね、舌を滑り込ませようとしていた。

エルデリオンは歯を立てようとし…途端、一物の先端を強く擦られ、感じて仰け反り、舌の侵入を許してしまった。

舌は口の中を犯すようにくねるから…エルデリオンは何とか噛みついてやろうと歯を閉じる。
がまた…一物を愛撫され、エルデリオンはまた感じてしまい…。
口を開け、身をくねらせた。

男は顔を離し、少し身を起こすと。
手の中のエルデリオンの一物をしごきながら、端正な顔を傾ける。

その整いきった優美の顔を見た時。
エルデリオンははっきり思い出した。

14になったばかりの舞踏会…。
飲み物を手渡され、話しながら飲んでる内に、体が火照って…足元がぐらつき、彼に抱き止められた…。
カーテンの陰に連れ込まれ、抱きしめられて…口づけられ…。

体が火照りきっておかしくなっていて…手で衣服の上から股間をなぜられ、凄く…興奮して。
口づけられたまま股間をさすられ、つい…もっとして欲しくって、彼の手に股間を押しつけた。
けれどのしかかる彼の肩をぐい!と引く腕が見え、その肩の向こうに、デルデロッテの冴えた美貌が見えた。
「…処分は免れないぞ」

デルデのそんな声を聞いたのは、始めて。
酷く冷静なのに…怒りを含んだ迫力ある声色。

のしかかってた彼が、デルデに振り向く。

そう、思い出した!
ノルデュラス公爵!

デルデが宮廷一の色男と注目を集める、それ以前に宮廷一と呼ばれていた、とても美しい宮廷貴公子で…確かこの後、追放になったと聞いた…。

グレイッシュの栗色の長い縮れ毛。
綺麗な鼻筋。
切れ長のブルー・グレーの瞳の…整いきった優美な美貌の公爵は、エルデリオンの一物を手の中に握り込んで可愛がり続けながら、微笑を浮かべ口開く。

「…聞きましたよ。
やはりあの男は私と同じムジナ…。
貴方を欲しくて欲しくて、眠れぬ夜を過ごした男。
…つまりいずれ私が貴方を奪うと、そう懸念し、ラステルに報告し国王に知れ…。
そして今こんな辺境に、私はくすぶってる。
けれど…」

また喉が鳴る程気持ち良く一物をしごかれ…エルデリオンは快感にさらわれかけて、睫を震わせた。
「…シャルレ・ドゼルは確かにこの地では最大の権力者の息子で、私は彼の部下。
だが小物。
安心なさい。
あんな男に貴方は渡さない…。
辱め、惨めにさせる為だけに、貴方を体を嬲ろうだなんて、とんでもない事だ…」

「…っ!」
また、感じる先端を強く擦られ、エルデリオンは首を振って乱れた。

ノルデュラス公爵は眉を寄せ、目元は悲しげに。
口元には微笑を浮かべ、囁く。
「だが残念ながら…貴方の夫となる男。
私を追放の憂き目に遭わせたデルデロッテの元に、貴方を決して返さない!
決して!
貴方は私の物。
…可愛そうに…。
あんな…乱れた男に好き放題され、快感に溺れてあの男を受け入れさせられたんでしょう?
大丈夫。
私が全部、貴方の体からあの男の痕跡を、消し去ってあげます。
私、だけを受け入れる体に…治して差し上げる」

ノルデュラス公爵はそうつぶやくと一物を放し、ズボンを強引に引き下げる。
エルデリオンは一物を放され、残念に感じ、腰を揺すって俯く。
けれど股間に滑り込む公爵の手は…もっと奥へと差し込まれ、蕾を探り当てて触れる。
その指の感触に、エルデリオンは焦った。

「……っ!止めろ!」

制止虚しく指が挿入され、奥を探って滑り込む。
深く差し込まれ、いい場所に触れると。
エルデリオンは頬を真っ赤に染め、顔を背けた。

「…思ったとおり…汚れきってる。
多分貴方は…もうここ…を」
「ゃっ!」

感じる場所を指で抉られ、激しく身をのたうたせるエルデリオンを、ノルデュラス公爵は見つめながら囁く。
「…あの男に…うんと抉られたんですね?
大層な快感でした?」
言いながら、公爵は立て続けにエルデリオンの感じる場所を指で強く、擦り上げる。
「っ!…っぅっ!…ぅっ!」

エルデリオンは擦られる度、身がかっ!と火照り始め、一物が勃ち上がり始めて、身を揺すって暴れた。

けれど公爵は容赦無く抉り続けるので、一物はあっと言う間に勃ち上がり、エルデリオンは高まりきって射精感が押し寄せ、瞳を潤ませた。
デルデロッテに散々弄られたせいか、もう…後腔を抉られたダケで…。
全身が戦慄き、たまらなく感じて…更に乳首の先端が、チリ…と痛んで、刺激が欲しくって胸をよじる。

公爵はそんなエルデリオンの様子を見つめ、呆然として囁いた。
「…?
まさか…ここも、うんと可愛がられた?」

シャツの襟から胸元に手を滑り込ませ、敏感になりきった乳首を、親指と人差し指で摘まみあげられ…瞬間股間へと刺激が走り抜け、エルデリオンは激しく首を振って仰け反った。

「…ぅ…んっ!」

「…たいそうな反応だ…。
あの男…デルデロッテは私が追放された後、私の不在を良いことに、宮廷でしたい放題してたそうですね?
それだけでは飽き足らず、貴方をこんな体にして!」

敏感になりきった乳首に、顔が近づき、吐息がかかり…。
そして唇がまったりと纏い付き、そして…吸われる。
その生々しい感触に、エルデリオンはのたうった。
「ぃ…ゃあっ!」

公爵は顔を上げると、寝台の隅から伸びるロープに括り付けられた、エルデリオンの手首に視線を向ける。
「ああ…そんなに暴れるから。
手首が縄で擦れて、真っ赤だ。
可哀想に。
大丈夫。
貴方の体が私を覚え込んで…デルデロッテをすっかり忘れた頃に、外して差し上げますから…。
ああ…今、貴方を抱いてるだなんて、夢のようだ…。
私の愛しい小鳥。
もう貴方を離しません。
あの男になど、これ以上貴方を汚させはしない!」

エルデリオンはすっかり勃ち上がった股間が辛かったけど。
公爵がデルデロッテに敵対意識を持ってる事、だけは分かった。

デルデに向ける、激しい憎悪…。

なんとか…デルデをこれ以上、公爵の嫉妬の対象に据えたくなくて…。
デルデが…最初にエウロペに挿入を許した自分に、怒り狂ってたことを思い出し、囁いてみる。

「…ちが…う…」

公爵は顔をエルデリオンに近づけ、問う。
「?何が?」

「最初…に挿入した…のは…シュテフザイン森と花の王国のエウ…ロペ…。
彼の…はとても…大きくて………。
一度で私は何度もイかされ…最後には気絶した」

エルデリオンは公爵が、真っ青な顔色で身を起こし、怒りにわなわな、震えるのを見た。
「どんな男です!
貴方から身を差し出した?
そんな事、起こりえるはずが無い!
では貴方を捕らえ…犯した?!
エウロペと言う男に、犯されたのですか?!」

エルデリオンは腕を縛って犯してる男が、どうしてそれほど怒るのか。
理解しかねた。
自分は犯しても良くて、人がすれば悪?

それでエルデリオンは否定した。
エウロペは彼とは違い、犯してなどいないのだと。

「困ってる彼に…私が迫った。
犯して欲しくて」

公爵は、衝撃を受けたように顔を揺らす。
「でもデルデロッテでしょう!
貴方の夫は!」

「…エウロペに私が振られたから。
彼は慰めてくれた」

その時、寝台に横たわる自分との間に幻のエウロペがいるかの如く、公爵は身を離す。
「…誰と…言いました?
エウ…ロペ?!
貴方は…その男に惚れてた?!
ありえない!
貴方が望んだのは、レジィリアンスでしょう?!
たいそう可憐な、金髪の美少年だと聞いた」

エルデリオンは刺激が止んで少し股間が落ち着き、冷静さを取り戻し始め…。
…けれど一体、どう説明すればいいのか。
まるで分からず、顔を背けて呟く。

「…でも。
最初に私の蕾を犯したのは、エウロペだ…。
デルデロッテじゃない」

公爵は目を見開いたまま、暫く硬直し。
次にさっ!と寝台を出ると、靴音を鳴らし、扉に駆け寄る。

その時ようやくエルデリオンは、その室内をゆっくり見回した。
緑の布地に金の刺繍入りカーテンの垂れ下がる、天蓋付きの寝台。
銀の燭台。
マホガニーの暖炉…。
深紅の絨毯。

とても優美で豪華な室内。

公爵は部下を呼び寄せると、叫んだ。
シュテフザイン森と花の王国のエウロペと言う男がどんな男か!
今直ぐ探れ!!!」

遠ざかる靴音。
バタン!
と怒りのまま、乱暴に閉じられる扉。

かっかっかっ!

公爵は戻ってくると…いつかのデルデロッテと、同じ表情をした。
自分の、大切な物を横取りされ…激しい憤怒ふんどと強烈な悔しさ…そんな表情。

「そんな男…私が忘れさせてみせる!」

さっ!と天蓋の天井の布が退き、天井一面を覆う大鏡が伺えた。

鏡の中に、寝台に横たわり拘束される自分の姿が映り込み、エルデリオンは思わず顔を背けた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

雄牛は淫らなミルクの放出をおねだりする

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...