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ゾーデドーロ(東の最果て)
勇猛果敢?なノルデュラス公爵とデルデロッテ
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ラウールは呆けて殆ど正体の無い、人形のようなミラーシェンを抱いていた。
右側は赤毛の威風堂々とした大男が、器用に左右に握る二本の剣を、自由自在に車輪の如く回し続け、敵が突っ込んで来ると豪快に大車輪の餌食にするのを見た。
が、反対側。
ノルデュラス公爵が少し前。
僅か斜め後ろにデルデロッテ。
二人が横並ぶと通路は完全に塞がれ、すり抜けようとしても二人のどちらかが、素早い剣を浴びせてる。
けれど。
「…今の、私に掠りそうだったぞ!」
公爵が、突っ込んで来ようと隙狙う、正面に立つ敵を睨めつけ、小声で呟くと。
突っ込んで来た敵に、縦に剣を振り切って、デルデは言い返す。
「その前のことは?!
横に大振りするから、避けなければ私に当たってたぞ!!!」
…つまりずっと、二人は一応距離を取ってるものの、剣を大振りするとどうしても…掠る位置にいるので…。
互いの剣の腕について、文句を言い続けてた。
「…そんな大振りじゃないと、仕留められないのか。
君がオーデ・フォール一の剣士?!
…ふざけてる」
公爵が呻くと、デルデは一歩前に出、公爵と横並んで言い放つ。
「なら私に当てずに剣を振ってみろ!
君、人の事言えた義理か?!
大振りはそっちだろう?!」
ずばっ!
ばしっ!
ずしっ!
けれど二人して、言い合いしながらも鬱憤全部、向かって来る敵に向けてるので、敵は阻まれ、すり抜ける者は皆無。
エディエルゼは確認するものの、敵の来る気配が無いので飛びまくって、宙から飛ぶ鍵縄を次々斬り落とし続けた。
「第一、乳首や一物にリングはめなきゃオトせないなんて!
かつての宮廷一の貴公子も、落ちたもんだな?!」
デルデは言ってまた、その長身から素早い剣で、向かって来る敵を一気に切り倒す。
ざしっ!
「君は香媚薬だろう?!
よくそれで人の事が批判できるな?!」
ズバッ!
ノルデュラス公爵の剣は、ふわっ…と優雅に振られたかと思うと、当てる瞬間がめちゃくちゃ早い。
敵は避けたと思った瞬間斬られ、目を見開いて崩れ落ちる。
二人の前は死体の山が出来ていて、後ろから来る敵は仲間の死体に足を乗せ、思いっきり飛び上がって二人の頭上を飛び越えようとした。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
デルデは身を屈め、一気に飛ぶと。
宙に浮いた敵の体を、空中で華麗に斜め斬りした。
が、飛ぶデルデの胴目がけ、後続の敵が剣突き立て、死体を踏み台に突っ込んで来る。
気づいた公爵が横から敵の胴を華麗に薙ぎ払い、その隙を狙って自分へと突っ込んで来る敵に、優雅に剣を振り上げ、真上から瞬殺で斬りつけた。
ズバッ!!!
デルデに宙で斬られた賊は、勢いで空中廊下より落下して行く。
「ぅわぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」
デルデは着地すると
「礼を言うべきか?
言いたくないが」
とぼやき、公爵は
「君が突破されたら、エルデリオンを奪われる!!!
奴らに捕らえられたらエルデリオンは壊れるぞ?!」
と、首振って背後のミラーシェンを促した。
デルデは公爵に囁く。
「私の方が、マシか?」
公爵は、攻めあぐねて二の足踏み、隙を狙う正面の敵を睨みながら、剣を上から下に空振って、言い放った。
「君が相手なら、取り戻せる」
デルデは歯を剥き、自分に再び、死体を飛び越え上から斬りかかる敵の腹に一気に剣を突き刺し、怒鳴る。
ざしっっっ!!!
「いつまでも私が16のままだと、思うな!!!」
ざっっっ!!!
勢い込んで、敵の胴から一気に剣を引き抜く。
公爵は敵ながら、確かにデルデロッテは顔が綺麗なだけじゃ無く、格好いい。
とは認めた。
ラウールは二人の戦い振りに、呆れきってラステルを見る。
エルデリオンまでが、ロープを切る手は休めず、ラステルを見た。
ラステルは二人の視線を感じ、肩すくめる。
「やらせとけばいいですよ。
お陰で二人とも、実力以上を発揮してる」
途端、公爵が振り向いて怒鳴った。
「実力だ!!!」
デルデも敵に剣を振りながら
「以上なんて事は、絶対無い!!!」
ざしっ!!!
そう怒鳴って、また一人斬り捨てた。
二人は死体の山から少しずつ後ろに下がる。
デルデロッテが
「どうするんだこれ…」
とぼやくと、公爵も
「その内、空中廊下全部埋まらないか?
飛行船は、まだ?」
と呻いた。
オーガスタスが余裕で二本の剣を時間差でぶん回し、笑みを浮かべて言う。
「森の向こうを見ろ」
公爵とデルデが、揃って横の森の方を見る。
その隙にかかって来る敵に、今度はデルデが公爵の横に出ると、一気に剣を薙ぎ払って斬り殺す。
ぎしっっっ!!!
公爵は気づいたものの、あまりにデカい船が森の上に浮かんでるのを見て
「ホントか…?」
と呻いた。
賊らも気づき、声を上げ始める。
が、一人が
「デカい分、速度は遅い!!!」
と叫ぶと、賊らはまた、空中廊下を攻略しようと遮二無二鍵縄を飛ばし、公爵とデルデ側からも、オーガスタス側からも。
一斉に詰め寄り始めた。
右側は赤毛の威風堂々とした大男が、器用に左右に握る二本の剣を、自由自在に車輪の如く回し続け、敵が突っ込んで来ると豪快に大車輪の餌食にするのを見た。
が、反対側。
ノルデュラス公爵が少し前。
僅か斜め後ろにデルデロッテ。
二人が横並ぶと通路は完全に塞がれ、すり抜けようとしても二人のどちらかが、素早い剣を浴びせてる。
けれど。
「…今の、私に掠りそうだったぞ!」
公爵が、突っ込んで来ようと隙狙う、正面に立つ敵を睨めつけ、小声で呟くと。
突っ込んで来た敵に、縦に剣を振り切って、デルデは言い返す。
「その前のことは?!
横に大振りするから、避けなければ私に当たってたぞ!!!」
…つまりずっと、二人は一応距離を取ってるものの、剣を大振りするとどうしても…掠る位置にいるので…。
互いの剣の腕について、文句を言い続けてた。
「…そんな大振りじゃないと、仕留められないのか。
君がオーデ・フォール一の剣士?!
…ふざけてる」
公爵が呻くと、デルデは一歩前に出、公爵と横並んで言い放つ。
「なら私に当てずに剣を振ってみろ!
君、人の事言えた義理か?!
大振りはそっちだろう?!」
ずばっ!
ばしっ!
ずしっ!
けれど二人して、言い合いしながらも鬱憤全部、向かって来る敵に向けてるので、敵は阻まれ、すり抜ける者は皆無。
エディエルゼは確認するものの、敵の来る気配が無いので飛びまくって、宙から飛ぶ鍵縄を次々斬り落とし続けた。
「第一、乳首や一物にリングはめなきゃオトせないなんて!
かつての宮廷一の貴公子も、落ちたもんだな?!」
デルデは言ってまた、その長身から素早い剣で、向かって来る敵を一気に切り倒す。
ざしっ!
「君は香媚薬だろう?!
よくそれで人の事が批判できるな?!」
ズバッ!
ノルデュラス公爵の剣は、ふわっ…と優雅に振られたかと思うと、当てる瞬間がめちゃくちゃ早い。
敵は避けたと思った瞬間斬られ、目を見開いて崩れ落ちる。
二人の前は死体の山が出来ていて、後ろから来る敵は仲間の死体に足を乗せ、思いっきり飛び上がって二人の頭上を飛び越えようとした。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
デルデは身を屈め、一気に飛ぶと。
宙に浮いた敵の体を、空中で華麗に斜め斬りした。
が、飛ぶデルデの胴目がけ、後続の敵が剣突き立て、死体を踏み台に突っ込んで来る。
気づいた公爵が横から敵の胴を華麗に薙ぎ払い、その隙を狙って自分へと突っ込んで来る敵に、優雅に剣を振り上げ、真上から瞬殺で斬りつけた。
ズバッ!!!
デルデに宙で斬られた賊は、勢いで空中廊下より落下して行く。
「ぅわぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」
デルデは着地すると
「礼を言うべきか?
言いたくないが」
とぼやき、公爵は
「君が突破されたら、エルデリオンを奪われる!!!
奴らに捕らえられたらエルデリオンは壊れるぞ?!」
と、首振って背後のミラーシェンを促した。
デルデは公爵に囁く。
「私の方が、マシか?」
公爵は、攻めあぐねて二の足踏み、隙を狙う正面の敵を睨みながら、剣を上から下に空振って、言い放った。
「君が相手なら、取り戻せる」
デルデは歯を剥き、自分に再び、死体を飛び越え上から斬りかかる敵の腹に一気に剣を突き刺し、怒鳴る。
ざしっっっ!!!
「いつまでも私が16のままだと、思うな!!!」
ざっっっ!!!
勢い込んで、敵の胴から一気に剣を引き抜く。
公爵は敵ながら、確かにデルデロッテは顔が綺麗なだけじゃ無く、格好いい。
とは認めた。
ラウールは二人の戦い振りに、呆れきってラステルを見る。
エルデリオンまでが、ロープを切る手は休めず、ラステルを見た。
ラステルは二人の視線を感じ、肩すくめる。
「やらせとけばいいですよ。
お陰で二人とも、実力以上を発揮してる」
途端、公爵が振り向いて怒鳴った。
「実力だ!!!」
デルデも敵に剣を振りながら
「以上なんて事は、絶対無い!!!」
ざしっ!!!
そう怒鳴って、また一人斬り捨てた。
二人は死体の山から少しずつ後ろに下がる。
デルデロッテが
「どうするんだこれ…」
とぼやくと、公爵も
「その内、空中廊下全部埋まらないか?
飛行船は、まだ?」
と呻いた。
オーガスタスが余裕で二本の剣を時間差でぶん回し、笑みを浮かべて言う。
「森の向こうを見ろ」
公爵とデルデが、揃って横の森の方を見る。
その隙にかかって来る敵に、今度はデルデが公爵の横に出ると、一気に剣を薙ぎ払って斬り殺す。
ぎしっっっ!!!
公爵は気づいたものの、あまりにデカい船が森の上に浮かんでるのを見て
「ホントか…?」
と呻いた。
賊らも気づき、声を上げ始める。
が、一人が
「デカい分、速度は遅い!!!」
と叫ぶと、賊らはまた、空中廊下を攻略しようと遮二無二鍵縄を飛ばし、公爵とデルデ側からも、オーガスタス側からも。
一斉に詰め寄り始めた。
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