アグナータの命運

あーす。

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レグウルナスとなったファオン

177  アリオンとシーリーンと過ごすテントの中

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 セルティスに振り向かれ、アリオンとシーリーンは同時に立ち上がり、気絶したファオンを両側から抱える。
レオに
「もう連れて行け」
と言われ、二人は同時に頷いた。

シーリーンが一気にファオンを抱き上げる。
アリオンはシーリーンの腕の中で目を閉じるファオンを、吐息混じりで見つめた。

が、テントを出て暫く。
ファオンはぱっちり。目を覚ます。

「…僕…」
抱き上げるシーリーンが、美麗な顔を傾ける。
「気絶してた」

ファオンは頷く。
「…体…べとべと…」
アリオンがシーリーンに顎をしゃくり、シーリーンは頷く。

ファオンはシーリーンに抱かれたまま、行き先を見つめた。
《勇敢なる者》レグウルナスらの湯殿。


二人は洗い場の上に座るファオンを、両側から薬草の葉で擦り上げて湯をかける。
ファオンは二人に介抱されながらも、ぼーーーーっとしていた。

「…シュティッセンって…凄いねぇ…。
みんな…シュティッセンにずっといて貰いたかったよね?」

両側からファオンの体を擦っていたアリオンとシーリーンが、思わず互いを見合わせる。

「…僕…全然《皆を繋ぐ者》アグナータの事知らなかったけど…。
本当はあんなに凄いんだ」

シーリーンが呟く。
「お前だって凄いだろう?」
ファオンがシーリーンに振り向く。
「…僕何も出来ないのに?」
アリオンが吐息を吐く。
「そっちじゃない。
杖付きの事を教え…戦闘が劇的に楽になった事だ」

ファオンは二人を交互に見る。
そして俯いた。
「…凄いのは、シリルローレルで僕じゃない…」

アリオンとシーリーンはまた、顔を見合わせる。
シーリーンが溜息交じりに囁く。
「…シュティッセンはちゃんと、尾根に上がる前、《皆を繋ぐ者》アグナータとしての手ほどきを受けてる。
セスもだ。
お前…そんな間もなく尾根に上がったろう?」

アリオンも言う。
「確かに…お前は手ほどきも受けず《皆を繋ぐ者》アグナータらしく無かったが…。
皆が承知だ。
それに初々しかったから…十分そそられた。
《皆を繋ぐ者》アグナータはそれが大事だ。
お前ももう《勇敢なる者》レグウルナスだ。
抱く気の起きない《皆を繋ぐ者》アグナータは最悪だろう?」

ファオンはシーリーンを見、次にアリオンを見る。
「…ありがとう…。
二人共、凄く優しい」

アリオンとシーリーンはまた、顔を見合わせた。

湯から上がると、食事の仕度をしてる男らにシーリーンが
「ファオンのテントに三人分頼む」
と告げて行く。

ファオンはシーリーンを見上げる。
「…ゆっくり過ごす?」
アリオンが囁く。
「シュティッセンはもう《皆を繋ぐ者》アグナータじゃない。
皆、シュティッセンといられて嬉しいんだ。
だから…」

シーリーンも言う。
「俺達が付き合うから。
お前はゆっくり自分のテントで休め」

ファオンが気を遣う二人を見上げる。
「もう僕に、邪魔するな。
って言いたいんだね?」

アリオンが、言った。
「今日は」
シーリーンも囁く。
「聞いたら、アランの親戚のナウルースがなかなか掴まらないし、万一掴まったとしても…。
今度は、手ほどきもするらしいから、当分はこのままだそうだ。
だから…きっと先に機会がある。
その内、お前が慣れたら…一日交替で無くなるかもな」

ファオンは俯いて、真っ赤になった。
「でも僕…。
シュティッセンがいるのに《皆を繋ぐ者》アグナータ出来ない」

アリオンが、顔を傾けて囁く。
「…シュティッセンに、教えて貰いながら出来る」

ファオンが、そう言うアリオンに頷いた。


三人はファオンのテントで食事を取り…食後の酒を飲み…そして…。

最初、シーリーンがゆっくりとファオンを抱きしめる。
「お前…俺かアリオンに挿入(い)れたい。
と言わなくなったな」

ファオンがシーリーンに抱きしめられて、真っ赤になる。
「…無理だって、分かったから…」

アリオンがほっとしたように告げた。
「良かった」

シーリーンがファオンの前に屈み込むと…ファオンの男根に唇を付ける。
ファオンはシーリーンに咥えられて、真っ赤になった。
背後から、アリオンがファオンの腰を浮かすと、蕾に唇を這わせ始め…ファオンは仰け反る。
「あ…あ…っん…」

二人に、甘やかすように前後で舐め上げられ、膝立ちしていたファオンは肌をピンクに染め始める。

「…駄目…アリオンそこ…」
アリオンは顔を離し、囁く。
「…挿入(い)れて欲しくなる?」

聞かれて、もう蕾の奥がじんじんと疼いてたファオンは、頷く。
シーリーンの口に含まれた男根は、例えようも無く気持ちいい。

アリオンがファオンの背後から腕を回し腰を抱き、ゆっくりと挿入し始める。
ファオンは前にいるシーリーンに屈み込む。
シーリーンは察して膝立つと、ファオンはシーリーンの股の間に顔を埋めて、男根を口に含んだ。

シーリーンは美麗な顔を恍惚とさせ…ファオンの髪に手を触れて囁く。
「上手く…なったな…」
ファオンが尋ねる。
「気持ちいい?」
「とても」

アリオンがゆっくり優しく背後から突き上げてきて、ファオンは喉を鳴らす。
シーリーンもそうだけど…アリオンも、どこがいいかを良く知っていたから…擦り上げられてファオンは一気に上り詰めた。

アリオンは背後から…。
シーリーンはファオンの口の中で…抜き差しを始め…ファオンは二人の男らしさを突然意識して、羞恥で身がくねるのを感じた。
二人がソノ気になると…一気に男らしくって…ファオンはどきどきし始める。

シーリーンが頬を両側から挟み込んで、口の中にゆっくりと差し入れる。
それに呼応して、アリオンもが突き入れてくる。
次第に…激しく。

「んっ…んんんっ!」
ファオンはかっ!と身を火照らせた。
さっきの…シュティッセンの時とはまるで違い…アリオンもシーリーンもがとても逞しくて男らしくてそして…迫力があったから…ファオンは途端、二人の熱い男根を意識しまくり、ぞくぞくと身が戦慄きながらも…頭がぼーっと霞んで来る。

「う…んっ!」
気づくと…触れられてもいないのに解き放っていて…シーリーンは口の中から咄嗟引き…アリオンも抜いて、解き放った。

「っ!」
シーリーン、そしてアリオンもが声にならない声を上げる。

ファオンは肩で息をして、自分を汚そうとしない二人を見た。
「…中で出して、いいのに…。
その方が、気持ちいいでしょ?」

そう言うと、二人は同時に言った。
「湯に浸かったばかりなのに?」


ファオンは毛皮の上に横たわり…両横にアリオンとシーリーンに挟まれて、思う。
「…こんな風に…二人と一緒に眠る。
なんて、尾根に上がる前…思ってもみなかった」

アリオンとシーリーンはファオンを挟んで互いを見つめ合う。
そして、同時に言った。

「………俺もだ」
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