251 / 389
第七章『過去の幻影の大戦』
アースラフテスの奇策
しおりを挟む
ワーキュラスに、急かされるまでもなく、ギデオンは馬を繰ってつっ走る。
並走するワーキュラスの光が見守るように付き従い、ギデオンは
“そっちは任せた!”
と内心叫んでひた走った。
ファントレイユは背後がどんどん瓦礫に埋まりつつあるのを感じ、手綱を取る手がじっとり、汗ばむのを感じた。
ワーキュラスは決して、自分が通り過ぎる前に洞窟の天井を崩したりしない。
と、解っていた。
…が。
ドゴォォォッ!
また背後で凄まじい音と砂煙が舞い散る。
解っていたがそれでも気絶したローフィスの背をしっか!と抱きかかえ、ファントレイユは青く成って馬を急かした。
が馬も乗り手同様、背後で次々に起こる天井の崩れ行く音に怯えきって、拍車を掛けるまでも無く必死に前へ、前へとひた走る。
最早人馬一体と成って、背後の崩れる瓦礫から、逃れようと矢のように突っ走っていた。
アースラフテスの、顔が歪む。
ワーキュラスが見ると、出口の亀裂は真っ直ぐその上から伸び、今や洞窟そのものが崩れようとするのを、アースラフテスは必死で支えている。
もはやギデオンもファントレイユも、言われる迄も無く気狂いのように馬を飛ばしていた。
“保つか…?”
アースラフテスに尋ねてやる。
アースラフテスは、出来るが…。と呟く。
これ以上ゼイブンの意識を押しのけ“力”を使えば………。
彼の許容量を超えてしまう。
それは著しく精神に影響を及ぼすだろう。と、アースラフテスだけで無くワーキュラスにも、理解出来た。
ワーキュラスは意識をギデオン、そしてファントレイユに向けて横で瞬くと叫ぶ。
“ゼイブンが保たない!
君達は少しでも神聖呪文が使えるか?”
「最低の神聖呪文は、将軍のたしなみだ!」
ギデオンが叫ぶと、ファントレイユも怒鳴り返す。
「少しは使える!
どうすればいい?!」
ワーキュラスがアースラフテスに頷くと、アースラフテスは直ぐ様ワーキュラスの気を辿りギデオンとファントレイユを見つけ出す。
そして直ぐ様彼らを通して表面に現れ出でると、その“力”を使った。
ギデオンもファントレイユも自分の胸からいきなり『光の民』の透けた姿が現れ出でるのにぎょっ!とした。
そして突然、意識が眩しい光で照らし出されたように、霞む様に感じた。
が、必死で手綱を握り、ギデオンもファントレイユも、気絶する相手を固く自分に抱き止めたまま、馬をひた走らせる。
“いける!”
アースラフテスらしい声が胸の中に響き渡り、前方の天井が光を増して這い覆われて行く。
ギデオンもファントレイユも霞む意識を奮い立たせ、前方。
微かに伺える洞窟出口の青空目がけ、突っ走った。
“後…僅か!”
ワーキュラスの叫びに、前方岩の天井が途切れ、青空が広がるのをギデオンもファントレイユも目にする。
ギデオンがゼイブンを抱きかかえ、身を深く倒して出口目がけ、矢のように突っ込んで行く。
“!!!”
ワーキュラスの、吐息のような驚愕を感じ、ファントレイユは手綱を引こうか、とも思った。
だが危機は訪れず、ギデオンの背が無事、洞窟から外へと飛び出して行き、ファントレイユも続く。
頭上から差す眩しい陽光に照らし出された途端、背後の洞窟はがらがらと音を立てて崩れ行き、胸の『光の民』の透けた体がすっ…と消えて行く。
霞む意識がはっきりとしだすと、くらくらと目眩のような揺らぎに気を持って行かれそうに成って、ファントレイユは首を振った。
がギデオンは殺気に咄嗟、顔を上げる。
バラバラと前方から、賊が駆け寄る。
ギデオンが手綱を手放し剣を抜こうとした瞬間、ゼイブンが顔を上げ、手綱を取った。
ギデオンはゼイブンの上半身が、それでも心許なく揺れているのが視界に入った。
…無理も無い。
僅かな間自分の中に居た『光の民』が消えた途端、自分ですらくらくらと目眩が起きるのを必死で…振り払い正気を引き戻してる。
あれ程長い間『光の民』を身の内に取り込んだゼイブンが、ふらつく頭を重そうに何とか持ち上げ、手綱を取り、それでもただ、馬から落ちまいと、定まらぬ揺れる上体を、何とか必死でバランスを取っていても当たり前。
むしろ気絶していた方が、楽な位だろう。
………だが!
スチャッ!
ギデオンは剣を抜く。
ゼイブンは背後、猛将が野生の牙を剥きだしにする“気”を感じ、馬の首に抱きつくように身を倒した。
剣を横に、ギデオンは迫り来る賊達を猛烈に睨む。
その数二十ばかり。
ゼイブンは疾風のように賊の群れの中へ馬を突っ込ませ、ギデオンの気迫に飲まれた賊達は馬上から振るギデオンの剣に、左右薙ぎ倒されるように血飛沫上げて仰け反る。
隣の男がばっさりと胸を深く斬られて仰け反る様を、賊達は驚愕に目を見開き見つめ、駆け抜ける馬を呆然と見送った。
が、賊の群れを抜けた途端ギデオンはゼイブンの耳元で怒鳴る。
「戻れるか?!」
ゼイブンは馬の首にしがみついたまま、右の手綱を思い切り、後ろに引いた。
ヒヒン!
馬はいななき、右へ首を促されそのまま、右へと曲がり行く。
「!」
ファントレイユが前方の賊の男達が、鬼神のように駆け抜けた凄まじい迫力の騎士を見送り、自分に顔と視線を注ぎ始めるのを見つける。
「糞…!
どれだけ邪魔だらけなんだ!!!」
叫ぶが、ローフィスを手放せ無い今、手綱を放し剣を抜くしか術は無い。
ファントレイユがローフィスをしっか!と抱きかかえ、手綱を放そうとした、その時。
通り過ぎた筈のギデオンが猛烈な勢いで、取って戻り来る。
ずばっ!
ファントレイユの横に飛び込み様、賊を斬り、横のファントレイユに叫び通り過ぎる。
「蹴れ!」
ファントレイユは反対方向…洞窟の方へ、突っ走り去るギデオンをチラと見、もう反対から寄る、刃物を持った賊の腹目がけ、思い切り蹴った。
どさっ!
だがギデオンが去った横から、賊が馬の轡を掴もうと、走り寄る。
ファントレイユはその並走する男をも、蹴った。
がその反対側からもまた………。
二人が追い縋って、馬を止めようと轡に腕を伸ばす。
どどどっ!
背後から駒音が聞こえ、後ろに居た賊は振り向き様背を斬られて、つんのめって転がり、轡に腕伸ばした賊は
「ひっ!」
と叫んだ途端横に飛び込む馬上のギデオンに、肩口をばっさり斬られてつんのめって地に転がった。
並走して走るギデオンを、ファントレイユは見る。
ギデオンは尚も横から飛び込んで来る男を一人斬り捨て、その凄まじい剣技にファントレイユは心から頼もしげに、その美女顔の右将軍を見た。
ゼイブンは馬の首に殆ど頭をくっつけ、遠のく意識を必死で…引き戻していた。
が横に並走するファントレイユの馬の尾を、追いかけるように掴もうとする賊の一人を見つけ、無意識の条件反射で懐に手をやり、短剣を一本掴み、投げた。
ファントレイユが気づき、抱えたローフィス毎目を見開き銀の閃光を避ける。
「うがっ!」
声に振り向くと、馬の尻に追いついた賊は喉を突かれ、背後に吹っ飛んで消えた。
ゼイブンに振り向くと、彼は馬の首に顔を乗せたままファントレイユを見、霞む瞳を向け唸った。
「…物が二重に見える…お前に、当たったか?」
長い髪…。
大人の顔の愛しい息子…。
が、霞む瞳には子供の、ゼイブンの良く見知っているファントレイユの姿が浮かび上がり、こう言った。
「大丈夫。ちゃんと避けたから」
ゼイブンは子供の姿の、可愛らしい息子に囁く。
「微笑った方が、ずっと可愛い…。
いつも取り澄まして人形みたいなのは…セフィリアのせいなのか?」
ギデオンがぎょっ!として、前のゼイブンに視線を送る。
「…可愛い…?
人形………?」
そして必死で横のファントレイユに視線を送る。
ファントレイユはギデオンの問いかける視線に返答を返す。
「意識が朦朧としてるだけだ。
イカれて無い」
「…どう考えてもイカれてるとしか、思えない。
お前の父親はそんなにお前が、可愛いのか?」
が、ファントレイユは艶やかに微笑った。
「意識が戻ったら、彼に聞いてみろ。
絶対自分は言わない。お前の耳がおかしい。
と、否定するだろうから」
がギデオンは反論した。
「否定しようが…そう思ってる事は事実なんだろう?」
けれどもファントレイユはいつもの、ギデオンの知っている彼のように取り澄まして肩を竦め、艶然と微笑って見せた。
ギデオンは膨れっ面で怒鳴る。
「お前の!
そう言う所が気に喰わない!
ちゃんと言葉で、肯定なり否定なりしろ!!!
訳あり顔で微笑うんじゃない!」
ファントレイユはもっと微笑うと、ギデオンに言った。
「彼に“可愛い”と口に出して言って貰えるのは、最高に嬉しい!」
「だってお前の父親はそう思ってるから、そう言ったんだろう?!!!」
が、ファントレイユは微笑ったまま駆け抜けて行き、ギデオンは再び意識を無くしそうなゼイブンの腰を抱き、手綱を引ったくってファントレイユの、馬の後を追った。
「ちゃんと疑問に答えろ!!!」
そう、怒鳴りながら。
並走するワーキュラスの光が見守るように付き従い、ギデオンは
“そっちは任せた!”
と内心叫んでひた走った。
ファントレイユは背後がどんどん瓦礫に埋まりつつあるのを感じ、手綱を取る手がじっとり、汗ばむのを感じた。
ワーキュラスは決して、自分が通り過ぎる前に洞窟の天井を崩したりしない。
と、解っていた。
…が。
ドゴォォォッ!
また背後で凄まじい音と砂煙が舞い散る。
解っていたがそれでも気絶したローフィスの背をしっか!と抱きかかえ、ファントレイユは青く成って馬を急かした。
が馬も乗り手同様、背後で次々に起こる天井の崩れ行く音に怯えきって、拍車を掛けるまでも無く必死に前へ、前へとひた走る。
最早人馬一体と成って、背後の崩れる瓦礫から、逃れようと矢のように突っ走っていた。
アースラフテスの、顔が歪む。
ワーキュラスが見ると、出口の亀裂は真っ直ぐその上から伸び、今や洞窟そのものが崩れようとするのを、アースラフテスは必死で支えている。
もはやギデオンもファントレイユも、言われる迄も無く気狂いのように馬を飛ばしていた。
“保つか…?”
アースラフテスに尋ねてやる。
アースラフテスは、出来るが…。と呟く。
これ以上ゼイブンの意識を押しのけ“力”を使えば………。
彼の許容量を超えてしまう。
それは著しく精神に影響を及ぼすだろう。と、アースラフテスだけで無くワーキュラスにも、理解出来た。
ワーキュラスは意識をギデオン、そしてファントレイユに向けて横で瞬くと叫ぶ。
“ゼイブンが保たない!
君達は少しでも神聖呪文が使えるか?”
「最低の神聖呪文は、将軍のたしなみだ!」
ギデオンが叫ぶと、ファントレイユも怒鳴り返す。
「少しは使える!
どうすればいい?!」
ワーキュラスがアースラフテスに頷くと、アースラフテスは直ぐ様ワーキュラスの気を辿りギデオンとファントレイユを見つけ出す。
そして直ぐ様彼らを通して表面に現れ出でると、その“力”を使った。
ギデオンもファントレイユも自分の胸からいきなり『光の民』の透けた姿が現れ出でるのにぎょっ!とした。
そして突然、意識が眩しい光で照らし出されたように、霞む様に感じた。
が、必死で手綱を握り、ギデオンもファントレイユも、気絶する相手を固く自分に抱き止めたまま、馬をひた走らせる。
“いける!”
アースラフテスらしい声が胸の中に響き渡り、前方の天井が光を増して這い覆われて行く。
ギデオンもファントレイユも霞む意識を奮い立たせ、前方。
微かに伺える洞窟出口の青空目がけ、突っ走った。
“後…僅か!”
ワーキュラスの叫びに、前方岩の天井が途切れ、青空が広がるのをギデオンもファントレイユも目にする。
ギデオンがゼイブンを抱きかかえ、身を深く倒して出口目がけ、矢のように突っ込んで行く。
“!!!”
ワーキュラスの、吐息のような驚愕を感じ、ファントレイユは手綱を引こうか、とも思った。
だが危機は訪れず、ギデオンの背が無事、洞窟から外へと飛び出して行き、ファントレイユも続く。
頭上から差す眩しい陽光に照らし出された途端、背後の洞窟はがらがらと音を立てて崩れ行き、胸の『光の民』の透けた体がすっ…と消えて行く。
霞む意識がはっきりとしだすと、くらくらと目眩のような揺らぎに気を持って行かれそうに成って、ファントレイユは首を振った。
がギデオンは殺気に咄嗟、顔を上げる。
バラバラと前方から、賊が駆け寄る。
ギデオンが手綱を手放し剣を抜こうとした瞬間、ゼイブンが顔を上げ、手綱を取った。
ギデオンはゼイブンの上半身が、それでも心許なく揺れているのが視界に入った。
…無理も無い。
僅かな間自分の中に居た『光の民』が消えた途端、自分ですらくらくらと目眩が起きるのを必死で…振り払い正気を引き戻してる。
あれ程長い間『光の民』を身の内に取り込んだゼイブンが、ふらつく頭を重そうに何とか持ち上げ、手綱を取り、それでもただ、馬から落ちまいと、定まらぬ揺れる上体を、何とか必死でバランスを取っていても当たり前。
むしろ気絶していた方が、楽な位だろう。
………だが!
スチャッ!
ギデオンは剣を抜く。
ゼイブンは背後、猛将が野生の牙を剥きだしにする“気”を感じ、馬の首に抱きつくように身を倒した。
剣を横に、ギデオンは迫り来る賊達を猛烈に睨む。
その数二十ばかり。
ゼイブンは疾風のように賊の群れの中へ馬を突っ込ませ、ギデオンの気迫に飲まれた賊達は馬上から振るギデオンの剣に、左右薙ぎ倒されるように血飛沫上げて仰け反る。
隣の男がばっさりと胸を深く斬られて仰け反る様を、賊達は驚愕に目を見開き見つめ、駆け抜ける馬を呆然と見送った。
が、賊の群れを抜けた途端ギデオンはゼイブンの耳元で怒鳴る。
「戻れるか?!」
ゼイブンは馬の首にしがみついたまま、右の手綱を思い切り、後ろに引いた。
ヒヒン!
馬はいななき、右へ首を促されそのまま、右へと曲がり行く。
「!」
ファントレイユが前方の賊の男達が、鬼神のように駆け抜けた凄まじい迫力の騎士を見送り、自分に顔と視線を注ぎ始めるのを見つける。
「糞…!
どれだけ邪魔だらけなんだ!!!」
叫ぶが、ローフィスを手放せ無い今、手綱を放し剣を抜くしか術は無い。
ファントレイユがローフィスをしっか!と抱きかかえ、手綱を放そうとした、その時。
通り過ぎた筈のギデオンが猛烈な勢いで、取って戻り来る。
ずばっ!
ファントレイユの横に飛び込み様、賊を斬り、横のファントレイユに叫び通り過ぎる。
「蹴れ!」
ファントレイユは反対方向…洞窟の方へ、突っ走り去るギデオンをチラと見、もう反対から寄る、刃物を持った賊の腹目がけ、思い切り蹴った。
どさっ!
だがギデオンが去った横から、賊が馬の轡を掴もうと、走り寄る。
ファントレイユはその並走する男をも、蹴った。
がその反対側からもまた………。
二人が追い縋って、馬を止めようと轡に腕を伸ばす。
どどどっ!
背後から駒音が聞こえ、後ろに居た賊は振り向き様背を斬られて、つんのめって転がり、轡に腕伸ばした賊は
「ひっ!」
と叫んだ途端横に飛び込む馬上のギデオンに、肩口をばっさり斬られてつんのめって地に転がった。
並走して走るギデオンを、ファントレイユは見る。
ギデオンは尚も横から飛び込んで来る男を一人斬り捨て、その凄まじい剣技にファントレイユは心から頼もしげに、その美女顔の右将軍を見た。
ゼイブンは馬の首に殆ど頭をくっつけ、遠のく意識を必死で…引き戻していた。
が横に並走するファントレイユの馬の尾を、追いかけるように掴もうとする賊の一人を見つけ、無意識の条件反射で懐に手をやり、短剣を一本掴み、投げた。
ファントレイユが気づき、抱えたローフィス毎目を見開き銀の閃光を避ける。
「うがっ!」
声に振り向くと、馬の尻に追いついた賊は喉を突かれ、背後に吹っ飛んで消えた。
ゼイブンに振り向くと、彼は馬の首に顔を乗せたままファントレイユを見、霞む瞳を向け唸った。
「…物が二重に見える…お前に、当たったか?」
長い髪…。
大人の顔の愛しい息子…。
が、霞む瞳には子供の、ゼイブンの良く見知っているファントレイユの姿が浮かび上がり、こう言った。
「大丈夫。ちゃんと避けたから」
ゼイブンは子供の姿の、可愛らしい息子に囁く。
「微笑った方が、ずっと可愛い…。
いつも取り澄まして人形みたいなのは…セフィリアのせいなのか?」
ギデオンがぎょっ!として、前のゼイブンに視線を送る。
「…可愛い…?
人形………?」
そして必死で横のファントレイユに視線を送る。
ファントレイユはギデオンの問いかける視線に返答を返す。
「意識が朦朧としてるだけだ。
イカれて無い」
「…どう考えてもイカれてるとしか、思えない。
お前の父親はそんなにお前が、可愛いのか?」
が、ファントレイユは艶やかに微笑った。
「意識が戻ったら、彼に聞いてみろ。
絶対自分は言わない。お前の耳がおかしい。
と、否定するだろうから」
がギデオンは反論した。
「否定しようが…そう思ってる事は事実なんだろう?」
けれどもファントレイユはいつもの、ギデオンの知っている彼のように取り澄まして肩を竦め、艶然と微笑って見せた。
ギデオンは膨れっ面で怒鳴る。
「お前の!
そう言う所が気に喰わない!
ちゃんと言葉で、肯定なり否定なりしろ!!!
訳あり顔で微笑うんじゃない!」
ファントレイユはもっと微笑うと、ギデオンに言った。
「彼に“可愛い”と口に出して言って貰えるのは、最高に嬉しい!」
「だってお前の父親はそう思ってるから、そう言ったんだろう?!!!」
が、ファントレイユは微笑ったまま駆け抜けて行き、ギデオンは再び意識を無くしそうなゼイブンの腰を抱き、手綱を引ったくってファントレイユの、馬の後を追った。
「ちゃんと疑問に答えろ!!!」
そう、怒鳴りながら。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
草食系ヴァンパイアはどうしていいのか分からない!!
アキナヌカ
ファンタジー
ある時、ある場所、ある瞬間に、何故だか文字通りの草食系ヴァンパイアが誕生した。
思いつくのは草刈りとか、森林を枯らして開拓とか、それが実は俺の天職なのか!?
生まれてしまったものは仕方がない、俺が何をすればいいのかは分からない!
なってしまった草食系とはいえヴァンパイア人生、楽しくいろいろやってみようか!!
◇以前に別名で連載していた『草食系ヴァンパイアは何をしていいのかわからない!!』の再連載となります。この度、完結いたしました!!ありがとうございます!!評価・感想などまだまだおまちしています。ピクシブ、カクヨム、小説家になろうにも投稿しています◇
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる