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34.ずっと一緒にいて欲しい
飴については王様と相談しないといけないらしいので保留になった。
でも一応、すぐ渡せるように用意をしておこう。べっこう飴は手軽だけど、量が不安だなぁ。何かで増量できないかな。
あっ!
きなこ飴!!
豆ならあるからそれを粉にして、水飴で練ってみよう。今日は1日引きこもって飴作りだ。
まず豆を煎る。それから薬研でゴリゴリと粉にするときな粉になる。それを水飴で練る。
……味が薄い。
きな粉の半量の粉糖を混ぜてから水飴で練ったらちょうどいい甘さになった。これなら携帯しやすいはず。
ビニール袋はないから水漏れしない皮袋を用意してコの字型と丸い金属の棒(?)をセットで作ってもらい、皮袋の口を挟む。お菓子が湿気ない留め具だ。どのくらい保つか心配だけど、普通に紐で縛るよりはマシだと思う。
金属の棒は出入りの大工さんの伝手で紹介してもらった鍛冶屋さんに作ってもらいました。構造を説明したら面白がって作ってくれたよ。
自分の分も作って湿気に弱い素材を入れてみたいって言ってたから、ぜひ商品化してほしいとお願いしておいた。
少し前にMy鍋を複数購入したので、庭の作業小屋での水飴作りが軌道に乗っている。みんなが率先して手伝ってくれるので結構できている。クッキーやパウンドケーキも作れるほどだ。プリンは新鮮な卵が手に入った時しか作れないけど、ベイセルさんちで大人気です。
この家でしか作ってないから他ではどうだか分からないけど、プリンを嫌いな人はそういないと思われます。だって美味しいから!!(個人的見解)
*******
挨拶から1週間後、モーゼスが旅立った。
製法は秘密だけど商品は少しずつ出してもいい、と王様と宰相様から許可が出て、きなこ飴を持って行きました。
あと船乗りといえばビタミンC!
と考えてグミを作りました。
ゼラチンもちゃんとあったからね。
寒天もどきよりちょっと高くて匂いがあるから料理には寒天もどきが一般的だけど。
レモン果汁入りグミ!
モーゼスが使う航路は港を転々とする感じなので壊血病の心配はないらしいけど、野菜嫌いな船乗りが体調を崩しやすいそうなのでおススメしておいた。
出港前夜。
「すっぺぇっ!!」
「野菜が食べられない時には必ず食べてね?」
「えぇ……? マジか」
「モーゼスはちょくちょく港に寄れるから大丈夫だと思うけど、長い航海だと身体が怠くて起きられなくなったり古傷が開いたり歯茎から出血したりして、最悪死ぬでしょ?」
「あぁっ!! 死の病か! アレに効くのか?」
「予防だからあの病気にならないようにするの」
「へぇ。知り合いに渡してもいいか?」
「うん。これは秘密じゃないからいいと思うよ」
「ありがとうな」
うん、あの日の笑顔はちゃんとした笑顔だった。あれなら友達にはなれそうだよ。今度、もっと他国の話聞かせてほしいな。
「気に入ったか?」
「モーゼス? うん、胡散臭いキザ男だったら嫌だけど、砕けた感じは嫌いじゃないよ。あとお土産美味しかった」
「はははっ! 食い気か」
そう、モーゼスは魚の干物を後からお土産にくれたのだ。酒のつまみに、って。ご飯がないのが残念だけど、やっぱり美味しかった。
あと気に入ったとしてもエルンストの恋人でしょ?
*******
いよいよ水飴工房が本格始動!
といっても場所は相変わらず城壁の中なので秘密の工場感がもりもり。
ただ、お城で大々的なお茶会を開き、水飴をお披露目。薄茶色のトロリとした水飴がガラスの器に盛られ、銀のスプーンが添えられた。もちろんプリンやクッキー、パウンドケーキも水飴や水飴由来の粉糖で作りました。
飴が熱いうちに折りたたんで延ばして作る、シルクみたいに光る白っぽい飴をお土産に渡したらしい。詳しく知らないからうろ覚えで伝えたのにちゃんとできたんだよ。プロすごい!
砂糖が1kg7~8万円のところ水飴は1kg 4万円、粉糖は6万円。味に遜色はないでしょ? ってアピールをしたらしいんだけど。
ビビるわ!!
この辺りでの平均的な砂糖の価格がこれ。
輸入で天候にも左右されると更に高額になったりもするという。
キロ4万円だってめちゃくちゃ高いけど、液体だから半額なのかな? 粉糖にしたら砂糖と同じ状態で砂糖よりは安い、って値段にしたのかも。
べっこう飴を子供に渡してるの、心配になるな。帰りもちゃんと護衛付きで送ってるらしいからまぁ、大丈夫かな。
本格稼働で初めから来てた6人に追加で他の孤児院から3人、王子とカロリーナ様で合計11人。荷運びは衛兵が手伝ってくれるので実質もう少し人手はある。
そしてこれからもっと増やすんだろう。
子供たちが安全ならオレが口出すことじゃないか。
5年後に水飴作りの町ができるなんて露ほども思わなかったよ。
*******
アクセサリーを発注して1ヶ月。
できてきましたー!!
イヤーカフも指輪もブリリアントカットに似た形にカットされ、キラキラと輝く紅琥珀が使われている。存在感がすごい!
ルビーやガーネットとも違う色合いで、輝きも控えめだけどかっこいい!!
えへへへへ……。
「とてもよくお似合いです」
結局、紅琥珀の代金だけじゃなく、製作費もベイセルが出してくれたので彼からの贈り物になりました。これはお返ししないとだよね!
指輪はお揃いで、イヤーカフは黒琥珀で。
加工途中で石のカットについて相談されて、その時にベイセルの分を注文したからすでにできている。
ベイセルが帰ってきたらお互いに付け合う予定。
ふふふ、ベイセルにあげる分のお値段は金貨12枚、約1,200,000なり!
すごいな異世界。
オレの収入はヴァルターに預けているので、そこから出してもらいました。にまにま。
「ベイセル、おかえり! あのねあのね!」
「おぅ、ご機嫌だな」
頭をよしよしされてしまった。うん、落ち着こう。
「あのね、紅琥珀の加工が終わったの。後でつけてくれる?」
「おお、気に入ったか?」
「うん!!」
玄関まで出迎えてハグして、勢いでそのまま話し始めてしまった。嬉しくて止まらないんだよぅ! それでも何とか落ち着いて、夕食を食べて晩酌の用意をしてもらって、じゃじゃーん!!
「ほら見て!!」
「おぉ、ずいぶんキラキラしてるな」
「でしょ? オレがいたところでは透明な宝石は大体こんなふうにカットするの。詳しく知らなかったけど大体のことを教えたらちゃんとできてきてね! 色だけじゃなくて存在感もベイセルみたいでしょう?」
「う……、そうか? 照れるな……」
だってベイセルは真っ赤な短髪でイケメンで男らしくて、最高なんだもん!!
「これは……?」
「黒琥珀っていうんだって。透明じゃないけど同じ形に磨いてもらったの。えへへ、ずっと一緒に並んでいたいな、って願いを込めてね……」
乙女思考が恥ずかしいけど、本心なので仕方がない。
「だからこれ、ベイセルにもつけて欲しいな」
「これは……」
お揃いの指輪。
オレは細いから女性用でもあり得るサイズだけど、ベイセルのは太い。オレの親指より太い。直径2cm以上ある。
こっそりちゃんと測ったので、ピッタリなハズだけど、どうかなぁ?
「あのね、オレのいたところでは婚約したり結婚したりすると左手の薬指に約束の印に指輪をするの。結婚は別にしなくてもいいんだけど、オレのもの、って思いたいから受け取ってくれますか?」
「………………はぁ。先に言われた……」
「え?」
「あのな、こっちだとイヤーカフが多いんだが、揃いのアクセサリーならなんでもいいんだ。私はいつも愛が重いと嫌がられるし、フラれるし、自信が持てないんだが。私はタカラのものにしてもらえるのか? タカラを私のものだと考えても許されるのか?」
「うっ、うん!!」
オレは感極まって滂沱の涙。
しゃくり上げながら抱きついて嬉しい嬉しいと繰り返した。
落ち着くまでどれくらいかかったかな。
涙と鼻水でぐちょぐちょです……。
ベイセルは鼻が赤くなってるけど、鼻水は出てない。ずるい! イケメンずるい!!
────────────
※室町時代の大工の日当が約\19,000、砂糖が1kgあたり大工日当の3.8倍とあったのを参考に価格設定しました。
でも一応、すぐ渡せるように用意をしておこう。べっこう飴は手軽だけど、量が不安だなぁ。何かで増量できないかな。
あっ!
きなこ飴!!
豆ならあるからそれを粉にして、水飴で練ってみよう。今日は1日引きこもって飴作りだ。
まず豆を煎る。それから薬研でゴリゴリと粉にするときな粉になる。それを水飴で練る。
……味が薄い。
きな粉の半量の粉糖を混ぜてから水飴で練ったらちょうどいい甘さになった。これなら携帯しやすいはず。
ビニール袋はないから水漏れしない皮袋を用意してコの字型と丸い金属の棒(?)をセットで作ってもらい、皮袋の口を挟む。お菓子が湿気ない留め具だ。どのくらい保つか心配だけど、普通に紐で縛るよりはマシだと思う。
金属の棒は出入りの大工さんの伝手で紹介してもらった鍛冶屋さんに作ってもらいました。構造を説明したら面白がって作ってくれたよ。
自分の分も作って湿気に弱い素材を入れてみたいって言ってたから、ぜひ商品化してほしいとお願いしておいた。
少し前にMy鍋を複数購入したので、庭の作業小屋での水飴作りが軌道に乗っている。みんなが率先して手伝ってくれるので結構できている。クッキーやパウンドケーキも作れるほどだ。プリンは新鮮な卵が手に入った時しか作れないけど、ベイセルさんちで大人気です。
この家でしか作ってないから他ではどうだか分からないけど、プリンを嫌いな人はそういないと思われます。だって美味しいから!!(個人的見解)
*******
挨拶から1週間後、モーゼスが旅立った。
製法は秘密だけど商品は少しずつ出してもいい、と王様と宰相様から許可が出て、きなこ飴を持って行きました。
あと船乗りといえばビタミンC!
と考えてグミを作りました。
ゼラチンもちゃんとあったからね。
寒天もどきよりちょっと高くて匂いがあるから料理には寒天もどきが一般的だけど。
レモン果汁入りグミ!
モーゼスが使う航路は港を転々とする感じなので壊血病の心配はないらしいけど、野菜嫌いな船乗りが体調を崩しやすいそうなのでおススメしておいた。
出港前夜。
「すっぺぇっ!!」
「野菜が食べられない時には必ず食べてね?」
「えぇ……? マジか」
「モーゼスはちょくちょく港に寄れるから大丈夫だと思うけど、長い航海だと身体が怠くて起きられなくなったり古傷が開いたり歯茎から出血したりして、最悪死ぬでしょ?」
「あぁっ!! 死の病か! アレに効くのか?」
「予防だからあの病気にならないようにするの」
「へぇ。知り合いに渡してもいいか?」
「うん。これは秘密じゃないからいいと思うよ」
「ありがとうな」
うん、あの日の笑顔はちゃんとした笑顔だった。あれなら友達にはなれそうだよ。今度、もっと他国の話聞かせてほしいな。
「気に入ったか?」
「モーゼス? うん、胡散臭いキザ男だったら嫌だけど、砕けた感じは嫌いじゃないよ。あとお土産美味しかった」
「はははっ! 食い気か」
そう、モーゼスは魚の干物を後からお土産にくれたのだ。酒のつまみに、って。ご飯がないのが残念だけど、やっぱり美味しかった。
あと気に入ったとしてもエルンストの恋人でしょ?
*******
いよいよ水飴工房が本格始動!
といっても場所は相変わらず城壁の中なので秘密の工場感がもりもり。
ただ、お城で大々的なお茶会を開き、水飴をお披露目。薄茶色のトロリとした水飴がガラスの器に盛られ、銀のスプーンが添えられた。もちろんプリンやクッキー、パウンドケーキも水飴や水飴由来の粉糖で作りました。
飴が熱いうちに折りたたんで延ばして作る、シルクみたいに光る白っぽい飴をお土産に渡したらしい。詳しく知らないからうろ覚えで伝えたのにちゃんとできたんだよ。プロすごい!
砂糖が1kg7~8万円のところ水飴は1kg 4万円、粉糖は6万円。味に遜色はないでしょ? ってアピールをしたらしいんだけど。
ビビるわ!!
この辺りでの平均的な砂糖の価格がこれ。
輸入で天候にも左右されると更に高額になったりもするという。
キロ4万円だってめちゃくちゃ高いけど、液体だから半額なのかな? 粉糖にしたら砂糖と同じ状態で砂糖よりは安い、って値段にしたのかも。
べっこう飴を子供に渡してるの、心配になるな。帰りもちゃんと護衛付きで送ってるらしいからまぁ、大丈夫かな。
本格稼働で初めから来てた6人に追加で他の孤児院から3人、王子とカロリーナ様で合計11人。荷運びは衛兵が手伝ってくれるので実質もう少し人手はある。
そしてこれからもっと増やすんだろう。
子供たちが安全ならオレが口出すことじゃないか。
5年後に水飴作りの町ができるなんて露ほども思わなかったよ。
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アクセサリーを発注して1ヶ月。
できてきましたー!!
イヤーカフも指輪もブリリアントカットに似た形にカットされ、キラキラと輝く紅琥珀が使われている。存在感がすごい!
ルビーやガーネットとも違う色合いで、輝きも控えめだけどかっこいい!!
えへへへへ……。
「とてもよくお似合いです」
結局、紅琥珀の代金だけじゃなく、製作費もベイセルが出してくれたので彼からの贈り物になりました。これはお返ししないとだよね!
指輪はお揃いで、イヤーカフは黒琥珀で。
加工途中で石のカットについて相談されて、その時にベイセルの分を注文したからすでにできている。
ベイセルが帰ってきたらお互いに付け合う予定。
ふふふ、ベイセルにあげる分のお値段は金貨12枚、約1,200,000なり!
すごいな異世界。
オレの収入はヴァルターに預けているので、そこから出してもらいました。にまにま。
「ベイセル、おかえり! あのねあのね!」
「おぅ、ご機嫌だな」
頭をよしよしされてしまった。うん、落ち着こう。
「あのね、紅琥珀の加工が終わったの。後でつけてくれる?」
「おお、気に入ったか?」
「うん!!」
玄関まで出迎えてハグして、勢いでそのまま話し始めてしまった。嬉しくて止まらないんだよぅ! それでも何とか落ち着いて、夕食を食べて晩酌の用意をしてもらって、じゃじゃーん!!
「ほら見て!!」
「おぉ、ずいぶんキラキラしてるな」
「でしょ? オレがいたところでは透明な宝石は大体こんなふうにカットするの。詳しく知らなかったけど大体のことを教えたらちゃんとできてきてね! 色だけじゃなくて存在感もベイセルみたいでしょう?」
「う……、そうか? 照れるな……」
だってベイセルは真っ赤な短髪でイケメンで男らしくて、最高なんだもん!!
「これは……?」
「黒琥珀っていうんだって。透明じゃないけど同じ形に磨いてもらったの。えへへ、ずっと一緒に並んでいたいな、って願いを込めてね……」
乙女思考が恥ずかしいけど、本心なので仕方がない。
「だからこれ、ベイセルにもつけて欲しいな」
「これは……」
お揃いの指輪。
オレは細いから女性用でもあり得るサイズだけど、ベイセルのは太い。オレの親指より太い。直径2cm以上ある。
こっそりちゃんと測ったので、ピッタリなハズだけど、どうかなぁ?
「あのね、オレのいたところでは婚約したり結婚したりすると左手の薬指に約束の印に指輪をするの。結婚は別にしなくてもいいんだけど、オレのもの、って思いたいから受け取ってくれますか?」
「………………はぁ。先に言われた……」
「え?」
「あのな、こっちだとイヤーカフが多いんだが、揃いのアクセサリーならなんでもいいんだ。私はいつも愛が重いと嫌がられるし、フラれるし、自信が持てないんだが。私はタカラのものにしてもらえるのか? タカラを私のものだと考えても許されるのか?」
「うっ、うん!!」
オレは感極まって滂沱の涙。
しゃくり上げながら抱きついて嬉しい嬉しいと繰り返した。
落ち着くまでどれくらいかかったかな。
涙と鼻水でぐちょぐちょです……。
ベイセルは鼻が赤くなってるけど、鼻水は出てない。ずるい! イケメンずるい!!
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