【不定期更新】ラッキースケベに憧れて 〜明るく楽しい異世界生活〜

香月ミツほ

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記憶喪失……?

2-8 次の積み荷はち……

「いやぁ、男だけどエロかったなぁ」

たまたま居合わせた料理長がニヤニヤして言う。甲板掃除をしていたマックスも、休憩中だった2人も頷いている。

タコを釣り上げ、服に潜り込まれたオレは大騒ぎした後、少しの間ぐったりとしていた。びしょ濡れの透けた服をはだけ、暴れて頬は上気し、息も絶え絶え。

うん、きっとエロいね!!

「アホか」

船長に呆れられたけど、不可抗力だからね。

「それはそれとして、このタコ食べられる?」
「もちろんだ。美味いぞ!!」
「げ、タカラこれ食うのか?」
「俺は嫌いじゃないぞ」
「タカラがタコに喰われる方がいいな」

最後の意見には異議あり!!
でも料理長がタコは美味いと言ってくれたので、楽しみだ。調理法はカルパッチョか煮物らしい。やったー!!

ダルマさんが釣った魚は大きいから切り身にしてムニエルか塩焼きになる。そっちも楽しみだ。

ダルマさんがもう少し釣るというので、オレも再チャレンジ。次は魚! 次こそ魚!!

「なんでー!?」
「エロいタカラにピッタリじゃないか」
「どういう意味?」

次にオレが釣り上げたのは幅は30cmくらいで長さが3mはある帯みたいな海藻。針に引っかかっただけとも言えるけど、なぜオレにピッタリなのか。

「それはな。桃色ぬめり昆布という名の海藻で、真水で洗うとトロトロになるんだ。そしてそれは食べても問題ないし、身体のどこに塗っても問題ない」

つまり、ローション!?

ぬめりを取り出して乾燥させると持ち歩きしやすい、水魔法ですぐトロトロになって使える潤滑剤になる」

それは便利!!

「ただし、日持ちはイマイチで沿岸部でしか出回ってない」
「乾燥しても日持ちしないの?」
「あぁ。20日も経つと何故か滑りがなくなってしまうんだ」
「不思議だね」

そう言えば媚薬を使われた時、イケルが使ってた気がする。それにお風呂のお湯のとろみももしかしてこれ?
……とにかく気持ちよくて何が何だか分からなかったけど、たぶん。

あっ!!
そういえばアダルトショップで売ってた! 使用期限があるなんて聞かなかったけど。買ってないからかな。

「せっかくだから潤滑粉作るぞ。手伝え」
「えっ! 先生使うの!?」
「湿布の材料になるんじゃ」

なるほど!!

今度は1m弱前後の中型(?)の魚を次々と釣るダルマさんを羨ましく眺めつつ、甲板に桶を運び、水魔法で出してもらった水で海藻を洗った。

水魔法、いいな。

「魔法ってどうやって使うの?」
「知らんのか?」

先生は驚きながら魔法の使い方を説明してくれた。属性があるようなこと言ってるけど、要はイメージだな。よし、やってみよう!

「えっと、身体の中の魔力を使って空気中の水蒸気を……、あ! できた!!」
「あぁん? なんじゃ、できないフリしとったのか?」
「違うよ! ホントにできなかったの! 魔法のない世界から来たって言ったでしょ!!」
「………………ふうん?」

べ、別に信じてもらえなくってもいいんだからね!

なぜか脳内がツンデレ風になった。

真水で2回洗い、適当な長さに切って水に浸けて揉むと、ぬるぬるが出てくる。どんどん出てくる。

……だんだんヌルヌルというよりプルプルになる。なんか凄い。

「昆布が充分縮んだら取り出して、トロトロの液体をここに広げて乾かすんじゃ」

いつの間にか運ばれてきていたお盆みたいな浅い容器に入れて広げていく。そしてそれを差し込む棚にセット。

乾燥棚、おもしろいなぁ。お盆じゃなくて平たいザルを使えば身が崩れやすい魚の干物が作れるらしい。ダルマさんが釣った中型の魚は料理長が開いて海水で洗い、ロープにぶら下げて2本のマストの間に張る。洗濯ロープみたいな感じだ。

「海水と潮風で旨味が増すんだ」

料理長が満足げに説明してくれた。

「タコは? タコもこれで一夜干しにしたら美味しいよね?」
「いや、タコは滑りが邪魔で中まで塩が届かないんだ」
「塩で揉んでも?」
「塩で揉む?」

ここでは海水を汲めば塩味として使えるので、乾燥した塩はあまり使わないらしい。燃料もあまり積み込めないし、煮詰めて作ることもしない。だから塩は少量をぱらっとかけるか、海水のまま塩味の調味料として使う。

魔法で乾燥できない?

試してみたら小麦粉みたいな細かい塩になってしまった。滑りを取るなら粗塩がいいんだけどな。

あ! そうか!!

大きなボウルに海水を汲んでもらって、魔法で3分の1くらいまで水気を抜く。その濃い塩水をしばらく置いておけば、多分結晶化する。

実験だ!!
って、風通しのいいところに置いておくだけだけど。

粗塩は完成まで数日はかかりそうなので、夕飯は予定通りカルパッチョと煮物になった。煮物はなぜか醤油っぽい風味で、とても美味しかった。



*******


次の停泊地は小さな島。
ここで採れる特別なヒトデを受け取り、次の島に運ぶのが今回の依頼だそうだ。その特別なヒトデはこの島の周りに多く生息していて普段は定期的に向こうの島に運ばれている。

この島と向こうの島の間の海域は流れが速く、時折渦を発生させるため、ある程度大きな船じゃないと通れないのに今回、その島所有の大きな船が壊れてしまったという。

……船が壊れたのにどうやって依頼できたのか。

「向こうの島の船がこっちの島に来るときに壊れたそうだ。なんとか辿り着いたものの、修理が終わるまで帰ることもできないが、ヒトデは必要。そこでうちに依頼がきたんだ」

なるほどねぇ。



そして島に着き、木箱に入れられ運ばれるヒトデを見て驚いた。

こっ、これは!!
カワテブクロ!!!!

小学生男子が大笑いして喜ぶ生き物として常にトップ争いをしている、あの生き物!

その姿はまるで

根元で合体した5本のペニス!

実物を見たのは初めてだけど、これはエロい。大人のちんちんにそっくりだ。

ちなみに皮被りちんちんにそっくりなユムシってのもいたけど、割とグロ画像になるので検索はお勧めしない。

……干してディルドにでもするのだろうか。
まさか、食べるの?

ひっそりたまひゅんしてたらハリーが『ちんこちんこ』と大喜びしてマックスにゲンコツ食らってた。お預かりする大事な商品だからね。

気持ちはわかるけどね!!

急いでいるので積み込んだらすぐに出港。
少量の生肉と塩漬け肉、それなりの量の干し肉、生野菜、果物も積む。万が一に備えて柑橘類の果汁はすでに積んであるので、ここでは積まない。

「本当にこれが死の病に効くのか?」
「まだ分からんさ。元々うちみたいに数日ずつの航海じゃあ死の病にかかるやつはおらん。だが、嵐に流された時に死の病に取り憑かれずに済むというなら心強いじゃろう」

お守りかい!
でも船乗りの『死の病』って壊血病? それならビタミンCで予防できるから間違いないよ。

「急にこれが効くなんて言われても眉唾だが、意外と美味いからいいんじゃないか?」

料理長が柑橘系果汁を上手に使ってさっぱりした料理にしてくれる。水に少し混ぜるだけでもスッキリして美味しいからいいよね。

でも一般常識じゃなかったのか。
誰が広めたか知らないけど、‎グッジョブ!





「タノむ」
「あぁ、引き受けた」

壊れた船の船長さんとノア船長ががっしり握手をしている。向こうの船長さんもイケメンだなぁ。でも向こうの船長や船員達、みんな上半身裸だな。海の男だから?

いい身体してるの見せつけられるとドキドキしちゃうんだけどなぁ。

あ……。

ほわぁぁぁっ!!
目が合った! 微笑まれた!!

こちらではあまり見かけない黒髪ストレートに褐色肌、緑の瞳。30代前半かな。

戻ってきたらまた会えるかな、なんて淡い期待を胸に船に乗ると、間もなく出港の合図が聞こえた。

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