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終わりと始まり
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「気をしっかり持て、カレン!」
隣で親友の声が聞こえる、腕に王女を抱きながら、必死に呼びかけていた。
「もう..私の事..はいいの...」
腕に抱かれている王女は苦しげに、その言葉を絞り出した。
「あなた..たちが、この国を...守ってあげて..」
そう言って、俺の方を向いた。
「グレイ、近く..に来て..」
俺は言われた通りに、王女の近くによる。そうすると、王女は俺のを両手で包み込んだ。
「暖かい...」
王女は、安心した声でそう呟いた。
「これは私のせい、あなたのせいじゃない。だから、悔やまないで、前を向いて生き..て...」
最後の力を振り絞りしぼって、王女はそれだけ言うと、身体の力を失った。
「待て、カレン!カレン!行かないでくれ!俺たちを置いて行かないでくれ!」
大粒の涙を流しながら、親友は、力なく横たわる王女に呼びかけていた。
「無駄よ、ジン。彼女はもう…」
親友の後ろから、少女が声をかける、親友はそれでも引き下がらない。
「うるさい!」
「はぁ、グレイ、君も何か...グレイ?」
少女は俺に話を振ったが、反応がなくて、困ったのだろう、困惑している。
「死なせない...」
「え?」
「昔の約束...守らないと」
そう呟きながら、王女に近づいていくグレイを少女はただ見ているしかなかった。我に返った、少女は彼を止めようと動き出す。
「待って、グレイ。何するつもり?」
「生き返らせる」
返ってきたのは、すごく単純な答えだった。
「無理よ。蘇生させることはできるわ。でも、彼女には身体に流れている魔力自体に呪いがかかっているの、たとえ、生き返らせたとしても、また死んでしまうわ」
「なら、俺の魔力で上書きすればいい」
「それこそ無理よ。身体が拒絶反応を起こして、自壊を始めるわ」
「何もしないよりはマシだ」
その言葉で、少女は反論することをやめた。
「好きにしなさい」
「ありがとう」
諦めて、許可をくれた少女に礼を言い、俺は王女の腹に両手を置き、独り言のように、語りかける。
「昔、約束したよな、お前を守るって。でもさ、その後に俺、一人で誓ったんだよ、お前のためならなんだって犠牲にするって。この国には、みんなには、まだお前が必要なんだよ」
俺は、魔力の全てを両手に集中させる。
「お前を救うのに、こんな賭けしかできない俺を、許してくれ」
そう言うと、俺は魔力を一気に王女の身体に流し込んだ。
「うぐぅ..あぁ...あぁぁぁ」
身体から、全てが抜けていく感覚に襲われ、薄れゆく意識の中で神に祈った。
どうか、この子だけは助けてくれ、と。
--------------------------------------
目を覚ますと、辺りは真っ暗だった。
腕を動かそうにも、何かが引っかかっているように動かない、足も同様だ。必死になってもがくと天井が外れた。どうやら俺は棺桶に入れられていたらしく、周りには誰もいなかった。
「みんなはどこに、いや、それよりもあいつは助かったのだろうか」
脳裏に、力なく横たわる王女の姿が浮かぶ。
「ひとまず、ここから出よう。...ん?」
近くにある机に、紙が置いてあるので、それを読んでみることにした。
「グレイ・フォールン、死亡報告書?」
俺はその紙を熟読した。どうやら俺は死んだことにされているらしく、もう三日前に葬儀も済ましてしまっているらしい。そして、嬉しい知らせもあった。
「王女は、生きてる…」
そのことで、胸のシコリが取れたが、残念な知らせもあってしまった。どうやら、俺の身体の魔力がほとんど無くなってしまったらしい。
「道理で、魔力が出しにくいわけだ」
ちょうどいいかもしれん、あいつのためにも、この国の未来のためにも、俺という存在は邪魔だ。俺がいなくなれば、あいつの評価も支持率も上がるはずだ。
俺はこの国を出ることにした。いくあてはないが、いや、あったか。昔世話になった教会に行ってみるとしよう。
俺は知る由もなかった、この後すぐに、現国王は病死し、圧倒的支持率で、王女が女王になるということを。
隣で親友の声が聞こえる、腕に王女を抱きながら、必死に呼びかけていた。
「もう..私の事..はいいの...」
腕に抱かれている王女は苦しげに、その言葉を絞り出した。
「あなた..たちが、この国を...守ってあげて..」
そう言って、俺の方を向いた。
「グレイ、近く..に来て..」
俺は言われた通りに、王女の近くによる。そうすると、王女は俺のを両手で包み込んだ。
「暖かい...」
王女は、安心した声でそう呟いた。
「これは私のせい、あなたのせいじゃない。だから、悔やまないで、前を向いて生き..て...」
最後の力を振り絞りしぼって、王女はそれだけ言うと、身体の力を失った。
「待て、カレン!カレン!行かないでくれ!俺たちを置いて行かないでくれ!」
大粒の涙を流しながら、親友は、力なく横たわる王女に呼びかけていた。
「無駄よ、ジン。彼女はもう…」
親友の後ろから、少女が声をかける、親友はそれでも引き下がらない。
「うるさい!」
「はぁ、グレイ、君も何か...グレイ?」
少女は俺に話を振ったが、反応がなくて、困ったのだろう、困惑している。
「死なせない...」
「え?」
「昔の約束...守らないと」
そう呟きながら、王女に近づいていくグレイを少女はただ見ているしかなかった。我に返った、少女は彼を止めようと動き出す。
「待って、グレイ。何するつもり?」
「生き返らせる」
返ってきたのは、すごく単純な答えだった。
「無理よ。蘇生させることはできるわ。でも、彼女には身体に流れている魔力自体に呪いがかかっているの、たとえ、生き返らせたとしても、また死んでしまうわ」
「なら、俺の魔力で上書きすればいい」
「それこそ無理よ。身体が拒絶反応を起こして、自壊を始めるわ」
「何もしないよりはマシだ」
その言葉で、少女は反論することをやめた。
「好きにしなさい」
「ありがとう」
諦めて、許可をくれた少女に礼を言い、俺は王女の腹に両手を置き、独り言のように、語りかける。
「昔、約束したよな、お前を守るって。でもさ、その後に俺、一人で誓ったんだよ、お前のためならなんだって犠牲にするって。この国には、みんなには、まだお前が必要なんだよ」
俺は、魔力の全てを両手に集中させる。
「お前を救うのに、こんな賭けしかできない俺を、許してくれ」
そう言うと、俺は魔力を一気に王女の身体に流し込んだ。
「うぐぅ..あぁ...あぁぁぁ」
身体から、全てが抜けていく感覚に襲われ、薄れゆく意識の中で神に祈った。
どうか、この子だけは助けてくれ、と。
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目を覚ますと、辺りは真っ暗だった。
腕を動かそうにも、何かが引っかかっているように動かない、足も同様だ。必死になってもがくと天井が外れた。どうやら俺は棺桶に入れられていたらしく、周りには誰もいなかった。
「みんなはどこに、いや、それよりもあいつは助かったのだろうか」
脳裏に、力なく横たわる王女の姿が浮かぶ。
「ひとまず、ここから出よう。...ん?」
近くにある机に、紙が置いてあるので、それを読んでみることにした。
「グレイ・フォールン、死亡報告書?」
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「王女は、生きてる…」
そのことで、胸のシコリが取れたが、残念な知らせもあってしまった。どうやら、俺の身体の魔力がほとんど無くなってしまったらしい。
「道理で、魔力が出しにくいわけだ」
ちょうどいいかもしれん、あいつのためにも、この国の未来のためにも、俺という存在は邪魔だ。俺がいなくなれば、あいつの評価も支持率も上がるはずだ。
俺はこの国を出ることにした。いくあてはないが、いや、あったか。昔世話になった教会に行ってみるとしよう。
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