AT LONG LAST

伊崎夢玖

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第一章

side蒼 ⑳

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大学3年になった時、一縷から就職が決まったとメールが入った。
日本ではもう就活の時期か…。
僕はこのまま大学院に進学だから、就活とはまだ縁がないかな。
就職するにしても、日本でするか、このままここでするか…。それも考えておかないと。
『就職おめでとう』と簡素なメールを返信した。
それから、僕は卒論で忙しくなり、大学院への入試もあり、一縷のことを思う時間が極端に減った。
無事大学院に進学することが決まり、卒論も受理され、晴れて大学を卒業した。
この頃になると、一縷のものは部屋から全然なくなっていた。
4月になり、大学院へ。
とりあえず、今のところは修士課程だけのつもりだけど、博士課程まで取得するのも悪くないなぁ。
博士まで取るとなると、あと何年かかるか…。当初は修士までのつもりだったから…。
今後の研究次第で、どうするか考えよう。
一縷からメールは完全に来なくなった。一縷も毎日研修とかで忙しいんだろう。
きっと前までなら寂しくてたまらなかったはず。
だけど、今はやることが沢山ある。
今やっている研究が認められたら、きっとこの先の道が開けるはずだ。
これを認めさせるために寂しいとか辛いとか弱音を吐いている暇はなかった。
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