「婚約破棄された聖女ですが、実は最強の『呪い解き』能力者でした〜追放された先で王太子が土下座してきました〜

第23話 激重溺愛 〜シルヴァンの誓いと、アリシアの受け入れ〜

 第23話　激重溺愛　～シルヴァンの誓いと、アリシアの受け入れ～

ルミナス領の丘の上は、夕陽に染まっていた。  
アリシア・ルナミアは、シルヴァン・レイヴンの胸に寄りかかり、静かに空を見上げていた。  
ヴァレンティン王太子の土下座が去った後、村は穏やかな静けさを取り戻していた。  
子供たちの笑い声が遠くに響き、村人たちが夕食の準備を始めていた。

シルヴァンは、アリシアを強く抱きしめたまま、離さなかった。  
その腕は、優しく、しかし絶対に逃がさない執着に満ちていた。  
銀色の瞳が、アリシアを真っ直ぐに見つめ、熱く燃えていた。

「アリシア……もう、誰もお前を傷つけない。  
俺がお前のすべてを守る。  
永遠に、離さない」

アリシアは、シルヴァンの胸に顔を埋め、静かに微笑んだ。

「ありがとう……シルヴァン様。  
私も、あなたと一緒にいたい」

シルヴァンの瞳が、激しく輝いた。  
ヤンデレの激重溺愛が、溢れ出していた。

「俺の国へ、来てくれ。  
レイヴン帝国でなら、お前の力も、俺の力も、最大限に活かせる。  
お前は、俺の聖女だ。  
俺の妻だ。  
誰にも、渡さない」

アリシアは、シルヴァンの手を握り返した。

「ええ……シルヴァン様。  
私も、あなたの妻になりたい」

シルヴァンは、アリシアを抱き上げ、額に優しくキスをした。  
そのキスは、優しく、しかし所有欲に満ちていた。

「俺はお前を、永遠に愛する。  
お前の笑顔、お前の涙、お前のすべてが、俺のものだ。  
他の男が、お前に触れることなど、許さない」

アリシアは、頰を赤らめながら、シルヴァンの首に腕を回した。

「シルヴァン様……そんなに、激しく言わなくても……」

シルヴァンは、冷たく笑った。

「激しい？　これでも、まだ足りない。  
お前を一番傷つけた男は、俺が殺す……と言ったはずだ。  
ヴァレンティンは、もう二度と近づけない。  
だが、もし誰かがお前に近づいたら……俺は、容赦しない」

アリシアは、シルヴァンの胸に顔を押しつけ、くすりと笑った。

「シルヴァン様……ありがとう。  
あなたがいてくれて、心強いわ」

シルヴァンは、アリシアを地面に下ろし、膝をついて彼女の目線に合わせた。  
彼は、アリシアの手を取り、指輪を嵌めるように握った。

「俺の国で、結婚しよう。  
盛大な式を挙げる。  
お前は、俺の皇后になる。  
俺の聖女になる」

アリシアは、頷いた。

「ええ……楽しみです」

ガレン・ブライトが、丘の少し下から見守っていた。  
彼は、静かに微笑み、頭を下げた。

「アリシア様……おめでとうございます」

アリシアは、ガレンに微笑み返した。

「ありがとう、ガレン。  
あなたも、一緒に来てくれるわね？」

ガレンは、深く頷いた。

「もちろんです。  
アリシア様の騎士として、どこまでも」

シルヴァンは、立ち上がり、アリシアを抱き上げた。  
彼は、馬に跨り、村人たちに向かって言った。

「アリシアは、俺の妻になる。  
俺の国で、幸せに生きる。  
みんな、ありがとう」

村人たちが、歓声を上げた。  
子供たちが、花を投げて見送る。

「アリシアお姉ちゃん、幸せになってね！」  
「シルヴァン様、よろしくお願いします！」

アリシアは、手を振り返した。

「みんな、ありがとう。  
また、会いましょう」

シルヴァンの軍勢が、銀色の鷲の旗を掲げて進軍を開始した。  
アリシアは、シルヴァンの胸に寄りかかり、静かに呟いた。

「これで、本当に新しい始まりね」

シルヴァンは、アリシアの髪を優しく撫でた。

「俺がお前のすべてだ。  
永遠に、愛する」

アリシアは、シルヴァンの唇にそっとキスをした。  
夕陽が、二人の影を長く伸ばした。

王都では、謝罪文が全国に張り出され、市民たちが笑い声を上げていた。

「勘違い王子、完全に終わったな！」  
「アリシア様が、隣国皇太子と結婚するらしいぞ！」  

ヴァレンティンは、宮殿の奥で、一人座っていた。  
彼の瞳には、涙が乾いていた。

「アリシア……お前は、幸せに……」

フィオナは、王都の外れで、ぼろぼろの服を着て座っていた。  
彼女の顔は、醜く変貌したままだった。  
永遠に、嘲笑の的として生きていく。

アリシアの新しい人生は、シルヴァンと共に、始まっていた。