7 / 30
第7話: 領地の惨状と決意
しおりを挟む
第7話: 領地の惨状と決意
辺境の朝は、早かった。
アプリリアは窓から差し込む柔らかな朝陽に目を覚ました。
館のベッドは古く、シーツも少し湿っていたが、それでも心地よかった。
王宮の豪奢な寝室とは違う、この素朴さが、彼女の心を落ち着かせた。
「アプリリア様、おはようございます!」
リオが元気に部屋に入ってきた。
手に盆を抱え、簡単な朝食を運んでいる。
焼きたてのパンと、蜂蜜、温かいハーブティー。
領地の食材で作れる、最善のものだった。
「リオ、ありがとう。
あなたも早起きね」
アプリリアは微笑みながら起き上がり、身支度を整えた。
今日は領地を本格的に調査する日だ。
二人は館を出て、村へと向かった。
黒薔薇の谷の村は、昨日見た以上に荒れていた。
家々の屋根は穴が開き、壁は崩れかけている。
道は泥濘み、排水溝は詰まって悪臭を放っていた。
畑は痩せ、作物はまばらにしか育っていない。
村人たちは、アプリリアを見つけると遠慮がちに頭を下げた。
昨日癒してもらった人々は、感謝の言葉をかけるが、瞳にはまだ不安が宿っていた。
「アプリリア様……本当に、ここに住まわれるのですか?」
村長の老人が、再び尋ねた。
「ええ。
この領地は、私の大切な場所になるんです」
アプリリアは村の中心にある井戸のそばで立ち止まり、周囲を見回した。
子供たちが遠くから覗いている。
痩せた体、汚れた服。
老いた人々は腰を曲げ、咳き込んでいる。
――これが、私の領地。
父が与えた、名ばかりの土地。
税を納めさせるだけの、捨てられた場所。
だが、今は違う。
ここを、私の手で変える。
アプリリアは静かに決意した。
まず、村人たちを集めてもらった。
広場に、百人ほどの領民が集まる。
「皆さん、こんにちは。
私はアプリリア・フォン・ロズウェル。
これから、この領地の領主として皆さんと一緒に暮らします」
最初はざわめきがあった。
王宮から追放された令嬢が、なぜこんな辺境に?
婚約破棄の噂は、ぼんやりと届いていた。
だが、アプリリアは穏やかに続けた。
「昨日、少しだけ私の力を見ていただきました。
病気を癒す力。作物を育てる力。
それを使って、皆さんの生活を良くしていきたいと思っています」
村人たちは半信半疑だった。
だが、アプリリアが一人の老婦人の前に跪き、手をかざすと――
淡い光が広がり、老婦人の慢性の腰痛が消えた。
「腰が……軽い……!」
老婦人が涙を流す。
次に、咳き込む子供。
次に、古傷を抱える男性。
一人一人、アプリリアは丁寧に癒していった。
光が広がるたび、村人たちの表情が変わっていく。
驚きから、希望へ。
「本当に……奇跡だ……」
「アプリリア様は、神様の使いだ……」
リオが、横で興奮気味に囁く。
「アプリリア様、みんなの目が変わってますよ!
もう、完全にファンになってます!」
アプリリアは苦笑しながら、小声で返した。
「ファンだなんて、リオったら。
でも、嬉しいわ」
午後には、畑の調査に移った。
痩せた土に、アプリリアは手を触れた。
聖女の力で、土壌を浄化し、栄養を補う。
枯れかけた麦が、みるみるうちに緑を取り戻す。
背丈が伸び、穂が重くなる。
村人たちが、歓声を上げた。
「作物が……こんなに早く……!」
「これなら、今年は飢えない……!」
しかし、喜びも束の間。
遠くの森から、不穏な気配が伝わってきた。
予知の力で、魔物の群れが近づいているのがわかった。
アプリリアは静かに立ち上がった。
「皆さん、少しお静かに。
今夜か明日、魔物が襲ってくるかもしれません」
村人たちが青ざめる。
「魔物……またか……」
「去年は、三人も殺された……」
アプリリアは優しく微笑んだ。
「大丈夫です。
今度は、私が守ります」
その言葉に、村人たちは初めて、本当に信じた。
夕方、館に戻ったアプリリアは、疲れ果てていた。
聖女の力を使いすぎたせいか、体が少し重い。
リオが、心配そうにスープを運んできた。
「アプリリア様、無理しないでくださいね。
今日だけで、何十人も癒したんですよ?」
「ありがとう、リオ。
でも、まだまだよ。
この領地を、本当に豊かにするには、もっと力がいるわ」
二人は食堂で簡単な夕食を取った。
料理人は、アプリリアのために腕を振るってくれた。
新鮮な野菜と、領地で獲れた鹿肉の煮込み。
「リオ、この領地の人たち、優しいわね」
「はい! みんな、アプリリア様のこと大好きになってます!
さっき村で、『アプリリア様は我らの希望だ』って言ってるおじいさんいましたよ!」
アプリリアは微笑んだ。
――希望。
王宮では、誰も私を必要としなかった。
ルキノも、エテルナも、父も。
みんな、私を捨てた。
でも、ここでは違う。
ここでは、私が必要とされている。
その夜、アプリリアは屋敷の屋根裏部屋を片付けた。
古い書物や地図が出てきた。
領地の歴史。
魔物の出没記録。
土壌の分析。
「これを活かせば、もっと効率的に変えられるわ」
リオが、手伝いながら言った。
「アプリリア様、昔から勉強熱心でしたよね。
王宮でも、いつも本を読んでました」
「ええ。
前世の知識も、少し役に立つのよ」
リオが首を傾げる。
「前世……?」
「なんでもないわ。
私の独り言よ」
二人は笑い合った。
夜遅く、アプリリアは一人で庭に出た。
星空が、美しかった。
王宮では見えなかった、無数の星。
――ガイア。
昨夜感じた、あの銀色の気配。
まだ、森のどこかにいる。
明日、魔物が襲ってきた時。
きっと、彼が現れる。
アプリリアの胸が、わずかに高鳴った。
クールで、強い騎士。
どんな人なのだろう。
だが、今はそれよりも――
領地を守ること。
人々を幸せにすること。
それが、彼女の新しい使命。
アプリリアは静かに拳を握った。
王宮のことは、まだ胸が痛む。
ルキノの冷たい言葉。
エテルナの偽りの涙。
でも、もう泣かない。
ここで、強くなる。
聖女の力で、領地を繁栄させる。
そしていつか、
王宮に戻る。
すべてを、華麗に逆転するために。
庭の風が、優しくアプリリアの黒髪を揺らした。
新たな決意の夜。
黒薔薇の谷は、静かに眠りについた。
だが、遠くの森では、
銀髪の騎士が、領地の灯りを静かに見つめていた。
――あそこに、いるのか。
聖女の力を持つ娘が。
ガイア・ヴァルハルトは、剣の柄に手をかけ、静かに呟いた。
明日、会いに行く。
辺境の朝は、早かった。
アプリリアは窓から差し込む柔らかな朝陽に目を覚ました。
館のベッドは古く、シーツも少し湿っていたが、それでも心地よかった。
王宮の豪奢な寝室とは違う、この素朴さが、彼女の心を落ち着かせた。
「アプリリア様、おはようございます!」
リオが元気に部屋に入ってきた。
手に盆を抱え、簡単な朝食を運んでいる。
焼きたてのパンと、蜂蜜、温かいハーブティー。
領地の食材で作れる、最善のものだった。
「リオ、ありがとう。
あなたも早起きね」
アプリリアは微笑みながら起き上がり、身支度を整えた。
今日は領地を本格的に調査する日だ。
二人は館を出て、村へと向かった。
黒薔薇の谷の村は、昨日見た以上に荒れていた。
家々の屋根は穴が開き、壁は崩れかけている。
道は泥濘み、排水溝は詰まって悪臭を放っていた。
畑は痩せ、作物はまばらにしか育っていない。
村人たちは、アプリリアを見つけると遠慮がちに頭を下げた。
昨日癒してもらった人々は、感謝の言葉をかけるが、瞳にはまだ不安が宿っていた。
「アプリリア様……本当に、ここに住まわれるのですか?」
村長の老人が、再び尋ねた。
「ええ。
この領地は、私の大切な場所になるんです」
アプリリアは村の中心にある井戸のそばで立ち止まり、周囲を見回した。
子供たちが遠くから覗いている。
痩せた体、汚れた服。
老いた人々は腰を曲げ、咳き込んでいる。
――これが、私の領地。
父が与えた、名ばかりの土地。
税を納めさせるだけの、捨てられた場所。
だが、今は違う。
ここを、私の手で変える。
アプリリアは静かに決意した。
まず、村人たちを集めてもらった。
広場に、百人ほどの領民が集まる。
「皆さん、こんにちは。
私はアプリリア・フォン・ロズウェル。
これから、この領地の領主として皆さんと一緒に暮らします」
最初はざわめきがあった。
王宮から追放された令嬢が、なぜこんな辺境に?
婚約破棄の噂は、ぼんやりと届いていた。
だが、アプリリアは穏やかに続けた。
「昨日、少しだけ私の力を見ていただきました。
病気を癒す力。作物を育てる力。
それを使って、皆さんの生活を良くしていきたいと思っています」
村人たちは半信半疑だった。
だが、アプリリアが一人の老婦人の前に跪き、手をかざすと――
淡い光が広がり、老婦人の慢性の腰痛が消えた。
「腰が……軽い……!」
老婦人が涙を流す。
次に、咳き込む子供。
次に、古傷を抱える男性。
一人一人、アプリリアは丁寧に癒していった。
光が広がるたび、村人たちの表情が変わっていく。
驚きから、希望へ。
「本当に……奇跡だ……」
「アプリリア様は、神様の使いだ……」
リオが、横で興奮気味に囁く。
「アプリリア様、みんなの目が変わってますよ!
もう、完全にファンになってます!」
アプリリアは苦笑しながら、小声で返した。
「ファンだなんて、リオったら。
でも、嬉しいわ」
午後には、畑の調査に移った。
痩せた土に、アプリリアは手を触れた。
聖女の力で、土壌を浄化し、栄養を補う。
枯れかけた麦が、みるみるうちに緑を取り戻す。
背丈が伸び、穂が重くなる。
村人たちが、歓声を上げた。
「作物が……こんなに早く……!」
「これなら、今年は飢えない……!」
しかし、喜びも束の間。
遠くの森から、不穏な気配が伝わってきた。
予知の力で、魔物の群れが近づいているのがわかった。
アプリリアは静かに立ち上がった。
「皆さん、少しお静かに。
今夜か明日、魔物が襲ってくるかもしれません」
村人たちが青ざめる。
「魔物……またか……」
「去年は、三人も殺された……」
アプリリアは優しく微笑んだ。
「大丈夫です。
今度は、私が守ります」
その言葉に、村人たちは初めて、本当に信じた。
夕方、館に戻ったアプリリアは、疲れ果てていた。
聖女の力を使いすぎたせいか、体が少し重い。
リオが、心配そうにスープを運んできた。
「アプリリア様、無理しないでくださいね。
今日だけで、何十人も癒したんですよ?」
「ありがとう、リオ。
でも、まだまだよ。
この領地を、本当に豊かにするには、もっと力がいるわ」
二人は食堂で簡単な夕食を取った。
料理人は、アプリリアのために腕を振るってくれた。
新鮮な野菜と、領地で獲れた鹿肉の煮込み。
「リオ、この領地の人たち、優しいわね」
「はい! みんな、アプリリア様のこと大好きになってます!
さっき村で、『アプリリア様は我らの希望だ』って言ってるおじいさんいましたよ!」
アプリリアは微笑んだ。
――希望。
王宮では、誰も私を必要としなかった。
ルキノも、エテルナも、父も。
みんな、私を捨てた。
でも、ここでは違う。
ここでは、私が必要とされている。
その夜、アプリリアは屋敷の屋根裏部屋を片付けた。
古い書物や地図が出てきた。
領地の歴史。
魔物の出没記録。
土壌の分析。
「これを活かせば、もっと効率的に変えられるわ」
リオが、手伝いながら言った。
「アプリリア様、昔から勉強熱心でしたよね。
王宮でも、いつも本を読んでました」
「ええ。
前世の知識も、少し役に立つのよ」
リオが首を傾げる。
「前世……?」
「なんでもないわ。
私の独り言よ」
二人は笑い合った。
夜遅く、アプリリアは一人で庭に出た。
星空が、美しかった。
王宮では見えなかった、無数の星。
――ガイア。
昨夜感じた、あの銀色の気配。
まだ、森のどこかにいる。
明日、魔物が襲ってきた時。
きっと、彼が現れる。
アプリリアの胸が、わずかに高鳴った。
クールで、強い騎士。
どんな人なのだろう。
だが、今はそれよりも――
領地を守ること。
人々を幸せにすること。
それが、彼女の新しい使命。
アプリリアは静かに拳を握った。
王宮のことは、まだ胸が痛む。
ルキノの冷たい言葉。
エテルナの偽りの涙。
でも、もう泣かない。
ここで、強くなる。
聖女の力で、領地を繁栄させる。
そしていつか、
王宮に戻る。
すべてを、華麗に逆転するために。
庭の風が、優しくアプリリアの黒髪を揺らした。
新たな決意の夜。
黒薔薇の谷は、静かに眠りについた。
だが、遠くの森では、
銀髪の騎士が、領地の灯りを静かに見つめていた。
――あそこに、いるのか。
聖女の力を持つ娘が。
ガイア・ヴァルハルトは、剣の柄に手をかけ、静かに呟いた。
明日、会いに行く。
11
あなたにおすすめの小説
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
悪役令嬢扱いで国外追放?なら辺境で自由に生きます
タマ マコト
ファンタジー
王太子の婚約者として正しさを求め続けた侯爵令嬢セラフィナ・アルヴェインは、
妹と王太子の“真実の愛”を妨げた悪役令嬢として国外追放される。
家族にも見捨てられ、たった一人の侍女アイリスと共に辿り着いたのは、
何もなく、誰にも期待されない北方辺境。
そこで彼女は初めて、役割でも評価でもない「自分の人生」を生き直す決意をする。
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
婚約破棄された私ですが、領地も結婚も大成功でした
鍛高譚
恋愛
婚約破棄――
それは、貴族令嬢ヴェルナの人生を大きく変える出来事だった。
理不尽な理由で婚約を破棄され、社交界からも距離を置かれた彼女は、
失意の中で「自分にできること」を見つめ直す。
――守るべきは、名誉ではなく、人々の暮らし。
領地に戻ったヴェルナは、教育・医療・雇用といった
“生きるために本当に必要なもの”に向き合い、
誠実に、地道に改革を進めていく。
やがてその努力は住民たちの信頼を集め、
彼女は「模範的な領主」として名を知られる存在へと成confirm。
そんな彼女の隣に立ったのは、
権力や野心ではなく、同じ未来を見据える誠実な領主・エリオットだった。
過去に囚われる者は没落し、
前を向いた者だけが未来を掴む――。
婚約破棄から始まる逆転の物語は、
やがて“幸せな結婚”と“領地の繁栄”という、
誰もが望む結末へと辿り着く。
これは、捨てられた令嬢が
自らの手で人生と未来を取り戻す物語。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる