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9 口説かれていた
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「お前の事は俺が守る」
まっすぐに僕を見つめる金の瞳は嘘をついているとは思えない。ひとまずは彼を信じてみよう。じっと見つめられると、また胸の鼓動が大きくなる。顔に熱が集まってくる。落ち着け、また熱が上がって心配かけてしまう。
「シュラウドは第三王子なのですか?」
「もう王子ではない。」
「少しづつでいいから。僕はシュラウドの事が知りたいと思ってます」
「すまない。俺はあまり長く話すのが得意じゃない」
「急がないから。教えてほしい。その、これからも僕を助けてほしいんです」
うまい言葉が見つからない。こんな時ってどういえばいいのだろう。検索をしようにも、なんて言葉を入力すればいいのかさえ分からない。相棒?主従関係でもないし。相互関係?何を相互するんだ?頭の中がぐるぐるする。
「ルーン。お前は俺の光だ」
シュラウドが僕の手を握る。突然、そんなことを言われてもどう反応していいのかわからない。
「そんな、大げさです」
「お前が現れるまで、俺の心は冷たい暗闇にいた」
「ちょ、ちょっと待ってください。僕らは昨日出会ったばかりだし、もう少し互いの事を知ってからでないと」
「そうか……………」
沈黙がつらい。もしかして、シュラウドは以前から僕の事を知っていたのか?僕が気付いてなかっただけだったりするのだろうか?できるだけ貴族間では目立たないように生きてきたはずだが、どこかですれ違ったのか?
「シュラウドと僕って以前にどこかであってましたっけ?」
「俺は知っていた」
そうか。そうだよな。初対面の時に、フルネームでいきなり名前を呼ばれたっけ。
「平民街で見かけたことがある」
「そうだったんですね。よく屋敷を抜け出して働きに出かけていたので、その時に見られたのかもしれませんね」
「自立心があるのだな」
「いいえ。自分の人生を半分諦めてました。でも足搔いてたんでしょうね。僕にしかできないことを見つけようとしていたんです」
「そんなお前が俺にはまぶしく見えるんだ」
「……う。なんでそんな。殺し文句みたいなこと言うんですか」
「俺は自分の人生を諦めていた。ただ砂を嚙むような毎日だった」
「シュラウド?」
「だが、ルーンは自分の人生に立ち向かっていた。その姿はとても俺には神々しく見えたのだ」
「僕はそんな凄いものではありませんよ!」
もうシュラウドの発言には毎回驚かされる。シュラウドには僕がどんな風に見えているんだ。なんかきらきらフィルターがかかっているのだろうか? 恥ずかしすぎて困る。それにいつもまっすぐに見つめてくるのだ。それも威圧に満ちた金色の瞳ではなく、どちらかというと琥珀色の飴のような甘さを含んだような色合いで。
あれ……ひょっとして、僕は口説かれているのか。朝からずっと口説かれていたのか?まさか、こんなにかっこいい人がなんで僕なんかに?
まっすぐに僕を見つめる金の瞳は嘘をついているとは思えない。ひとまずは彼を信じてみよう。じっと見つめられると、また胸の鼓動が大きくなる。顔に熱が集まってくる。落ち着け、また熱が上がって心配かけてしまう。
「シュラウドは第三王子なのですか?」
「もう王子ではない。」
「少しづつでいいから。僕はシュラウドの事が知りたいと思ってます」
「すまない。俺はあまり長く話すのが得意じゃない」
「急がないから。教えてほしい。その、これからも僕を助けてほしいんです」
うまい言葉が見つからない。こんな時ってどういえばいいのだろう。検索をしようにも、なんて言葉を入力すればいいのかさえ分からない。相棒?主従関係でもないし。相互関係?何を相互するんだ?頭の中がぐるぐるする。
「ルーン。お前は俺の光だ」
シュラウドが僕の手を握る。突然、そんなことを言われてもどう反応していいのかわからない。
「そんな、大げさです」
「お前が現れるまで、俺の心は冷たい暗闇にいた」
「ちょ、ちょっと待ってください。僕らは昨日出会ったばかりだし、もう少し互いの事を知ってからでないと」
「そうか……………」
沈黙がつらい。もしかして、シュラウドは以前から僕の事を知っていたのか?僕が気付いてなかっただけだったりするのだろうか?できるだけ貴族間では目立たないように生きてきたはずだが、どこかですれ違ったのか?
「シュラウドと僕って以前にどこかであってましたっけ?」
「俺は知っていた」
そうか。そうだよな。初対面の時に、フルネームでいきなり名前を呼ばれたっけ。
「平民街で見かけたことがある」
「そうだったんですね。よく屋敷を抜け出して働きに出かけていたので、その時に見られたのかもしれませんね」
「自立心があるのだな」
「いいえ。自分の人生を半分諦めてました。でも足搔いてたんでしょうね。僕にしかできないことを見つけようとしていたんです」
「そんなお前が俺にはまぶしく見えるんだ」
「……う。なんでそんな。殺し文句みたいなこと言うんですか」
「俺は自分の人生を諦めていた。ただ砂を嚙むような毎日だった」
「シュラウド?」
「だが、ルーンは自分の人生に立ち向かっていた。その姿はとても俺には神々しく見えたのだ」
「僕はそんな凄いものではありませんよ!」
もうシュラウドの発言には毎回驚かされる。シュラウドには僕がどんな風に見えているんだ。なんかきらきらフィルターがかかっているのだろうか? 恥ずかしすぎて困る。それにいつもまっすぐに見つめてくるのだ。それも威圧に満ちた金色の瞳ではなく、どちらかというと琥珀色の飴のような甘さを含んだような色合いで。
あれ……ひょっとして、僕は口説かれているのか。朝からずっと口説かれていたのか?まさか、こんなにかっこいい人がなんで僕なんかに?
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