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いいえ、これはただの趣味です
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「この場を持って、リリアンナ・クレッセントと私ことセンティス・フォン・テンペストの婚約を破棄するっ!
リリアンナは国母に相応しくないっ!!
私はここにいるマリア・フレンティアと婚約をするっ!」
王宮での夜会。国内外の貴族が集まり交流している場であり、情勢を知るための場でもある
そんな場で宣言する王子
宣言された少女を見ると凜として王子を見ていた
「…理由をお聞かせください、殿下。ワタクシがいつ、国母に相応しくない振る舞いをしましたか?」
「よくもぬけぬけと!お前は学園にてマリアを陰湿にいじめていたそうだな?罵詈雑言や時には階段から突き飛ばしたり!そんな奴に王妃は不可能だ!」
びしっと指をさす王子
あら?人に指をさしちゃいけませんって習わなかったのかしら?
「…そんな低脳なこと致しません」
「嘘よ!『王子のそばに近寄らないでくださる?あなたには相応しくないわ』って…」
「な、泣くなマリア!もう俺が守ってやるから!」
「嬉しい!センティス様っ!!」
ヒシッと抱き合う2人に回りにいる2人の取り巻きたちは「俺だって」というような雰囲気を出している
かなりの茶番である
陛下と王妃の表情は読めないけど無表情でこの茶番を見てらっしゃる
「…彼女はかなり曲解されておりますわ?
私は『そんなに大声を出して走っては危ないし、周りのご迷惑になるわ?』と申し上げたまでです。殿下のでの字も出しておりませんわ」
「そ、そんなの嘘よ!」
「往生際が悪いぞ!!」
「ワタクシは事実を申し上げたまでです。それが信じられないのならもう申し上げることはございません」
少女がスッと瞳を細くした
「お前が謝れば心の広いマリアが許してやると言ってるんだ!」
「だ、だって私も怖かったけど歪みあいなんてダメだよ!」
「マリアは優しいですね」
「本当!見習って欲しいよ!」
取り巻き連中が囃し立てる
「彼女に一切謝罪を述べる意味がありませんわ。もうよろしいかしら?」
「下手に出ればぁぁあ!」
あれは騎士団長のご子息でしたかね?
か弱い令嬢にいきなり殴りかかるのはいかがなものかと?
「あらあら?」
バシィンッという音と共に静寂に包まれる
「1人のご令嬢を寄ってたかって恥ずかしくないのですか?
しかも、こんな神聖な夜会に?」
「リィナ…」
「ご無事ですか?お嬢様」
スッと頭を下げる私
たたまれた扇で騎士団長のご子息の殴りかかっていた手を思いっきり払った
「それに、お嬢様。もう潔白は証明されます。
こちらをご覧ください」
記憶水晶を取り出す。これはいわゆるビデオカメラのようなものだ
そしてプロジェクターにもなる
「全部そこにいらっしゃるマリア嬢の自作自演でございます」
「う、嘘よ!こんなの作ったのでしょ!騙されちゃだめよ!!」
「あらあら?」
私が頬に手を当てて小首をかしげる
母がよくやっていた仕草であるが、お嬢様はビクッと肩を揺らす
私がこういう時は大抵良くないことが起こることをわかっているからね
「往生際が悪いですわ。お嬢様はその時間、王妃になるためのレッスンがございます。正直、貴方方に構ってるお暇なんてありません。
それに、よく考えてください。婚約者がいる貴族や王族のご子息に近寄り誘惑…あら?これは浮気に適用されるのではないでしょうか?あらあら?何も悪くないご令嬢を棚に上げて自分たちは浮気?
多夫多妻制?それはいいですわ!愛人として皆様マリア様を共有されるのですね?しかし、クレッセント公爵家を蔑ろにして愛人に入れ込む意味…お分かりになりますでしょうか?」
ニコッと最後に笑顔をつける
「ぶ、無礼者!!何故メイドがここに入ってきている!」
「あら?私の意見は聞いていただけないのでしょうか?残念です。
この場をお借りして申し上げます。
殿下のような方との婚約…願い下げですわ」
ちらっとお嬢様を見ると無表情でこちらのやりとりを見ている
私はとある方に視線で促す
問題ないように動いてくださるでしょう
あの方はお嬢様のためなら何も省みませんが、役に立ちます
「ただのメイドがでしゃばるな!」
誰でしたかね?宮廷魔術師長のご子息ですか
魔術をこちらに向けるなんて…しかもかなり強い魔術です
マリア嬢を見ると隠さずに嬉しそうにこちらを見ている
これは避ければお嬢様に当たります
仕方ありませんね
バサァッ
扇を広げる
こちらに来る魔術を撫でるように動かす
滑らかな動きで魔術の塊を消した
「そ、そんな!」
「そこの方。動かないでくださいね?」
直ぐさまフォークを投げてこちらに何かを投げようとする取り巻きの1人の袖を壁に縫い付ける
あれは…宰相様のご子息だったかしら
「あらあら?ただのメイドにこのザマ…大丈夫かしら?」
ちらっと見る
「ただのメイドだなんて…キミがただのメイドなわけ無いじゃないか」
スッと腰を引き寄せられる
あら?このイケメン顔は…
「ディール様…ただのメイドでございます」
クレッセント公爵の嫡男であるディール様が立っている
「キミがただのメイドなら他の人はどうなるんだい?」
キラキラのエフェクトをつけながら語ってくる
この方が出てきたということは…もう終演のお時間ですかね?
「あらあら?ご期待に添えれず申し訳ないですね」
「そんなこと思ってもないくせにね?」
ふふふ、と2人で笑いあう
「ディール様がいらっしゃいましたし、そろそろ閉幕いたしましょうか」
スカートの裾を摘んでお辞儀する
私に伴いディール様も綺麗にお辞儀する
「この場をお借りしますわ。よろしいでしょうか?」
私がゆっくり告げる。お辞儀した方から渋い声で「よかろう」という声が聞こえた
「ありがたくお借り致しますわ、陛下。王妃様」
私が言うとゆっくり2人が頷く気配
私はお嬢様にゆっくり向き直る
「もういいわよ?ミリィ。沢山迷惑かけたわね」
私が言うと2、3回ほど瞬きをしてから花が咲くようにパァァアと笑顔になった
「そんなお姉様のためなら私何でも頑張ります!!」
「これっきりにしてください」
可愛い笑顔のミリィとミリィに寄り添うダースル伯爵家の嫡男である
「あらあら…初めましての方もいらっしゃいますわね…少々失礼致します」
バサッと一瞬で早着替え
若草色のドレスにメイクを変えたため、ミリィとそっくりな顔
「初めまして?ワタクシがクレッセント公爵家が長女、リリアンナ・クレッセントと申します。」
優雅にお辞儀をする
そしてニコリと微笑む
「殿下…貴方方、今のご自分の立場をわかっておいでですか?」
ぽかーんとしている取り巻きたちにニコリと笑いながら告げる
「1人の女性に入れ込み、信じ、何の罪もない婚約者を罵倒し辱めてこの国や周辺の国での結婚を難しくさせた…下手をすれば公爵家を陥れようと計ったということですわよね?
何も、お咎めなし、とは世間では行きませんことよ?」
チラリと陛下を見る
申し訳なさそうな国王と王妃が視界に写った
「そうだな…そこにいるマリア・フレンティアとセンスティの婚約を認めよう。
そしてクレッセント公爵家に濡れ衣を着せ、計ったセンスティは永久に王位継承権を剥奪。この時より第一王子を皇太子にする。
センスティや以下の子息達は虚無の塔へしばらく入っておれ」
ザッと言う国王の決定にディール様ことお兄様は嬉しそうな顔をした
あらあら。お兄様、顔に出てますわ
「そんなこんなのっ!ゲームではっ!」
「フレンティア嬢も一緒に連れて行け」
国王の命令で一行を連れて行った
最後にキッこっちを見たフレンティア嬢に私はそっと口パクで返す
「」
目を見開いたけどもう遅いわよ?
さようなら。ヒロインさん?
「あらあら?皆様、ワタクシはもう退場致しますわ?ぜひご歓談くださいませ
御機嫌よう」
頭を下げ、上げてニコリと笑う
そして会場を後にする
あらあら?これからどうしましょう?
「お姉様!今日もサンディ様からお花を頂いたの!綺麗だわ!」
「あらあら?ミリアンナはサンディ様が大好きね」
くすくすと笑うとミリィは顔を真っ赤にした
「大好きですわ…でも私なんかが釣り合うかしら?」
「大丈夫よ?…あら?この馬車の音はサンディ様の馬車ではないかしら?」
「あら?いけない!サンディ様とお出かけだったんです!」
「気をつけていってらっしゃい?またお話し聞かせて頂戴?」
「はい!では行ってきますわ!」
走ると注意されるのがわかってるのでミリィは早歩きで去っていく
「よくあのヤンデレと付き合えるわよね。ミリィも…まぁ幸せならいいんだけど…
さて。お兄様の言うにはみんな廃嫡になったし、第一王子は側妃の御子だけど、王妃と仲良いし、努力家の秀才だしね…一先ず安心かなー
ここまでうまく行くとは思わなかったけど」
温くなった紅茶を飲む
窓からはサンディに連れられて出て行くミリィを見つけた
本当、双子なのになんであんなに可愛く育ったのかしら
…サンディ、勝ち誇った笑みはこちらにむけなくてよろしくてよ?
一つため息をつきながらカップをソーサーに返す
「本当に嫁の貰い手がなくなったし…どうしようかしらね」
もう少し酷い状況を想定してメイド術を身につけていたけど、思わぬ素行調査にてメイドしかしなくなった
本当ミリィには申し訳なかったけど、メイドの立場の方が確かに動きやすかったし、陛下の頼みだったしね
「おや?戻られるんですか?」
「…でたなジーク」
「おやおや?お言葉使いが悪いですよ?リリアンナお嬢様?」
「うるさいわねージークは知ってるからいいのよ」
メイドとして公爵家で働いてたらジークが入ってきた
ジークは同い年の従者でかなり優秀である
「さて…もう、婚約解消されて、リリアンナ様はフリーですよね?」
「色んな嫌味を混ぜてくるのやめてくれない?リィナでいいわよ。今更なのにリリアンナって呼ばれるのはなれないわ。
それに、婚約破棄はこの国での重要ニュースなんだからフリーですよーだ」
べっ、と舌を出してジークに告げる
「そういう意味じゃなかったんだがなぁ」
苦笑してもカッコいいとか何それずるい
乙女ゲームに出てくる攻略キャラっぽい
適当なことを考えているとジークが突然私の椅子の前に跪いた
そして私の右手をそっと取る
「パレス国の第三王子、ジークハルトよりリリアンナ・クレッセントへ申し上げます。結婚してください。
ちなみに返事は『はい』しか聞かないから」
へ?
「パレス国ってあの?え?あれ?第三王子って確か王位継承権第1位の…あら?ジーク?」
「そうだっていってるだろぉ?聞いてたかー?」
…だめだ。頭が回らない
ザッと立ち上がりゆるりとスカートを摘み礼をする
「オーホッホッホッ!ワタクシ急用を思い出しましたわ!失礼致しますわ!!」
ジークが苦笑しているのを尻目に立ち去る
妃なんて私に務まるわけない!!
「ほんと何なのかしら…よくわからない…《私》の時点で色々おかしいけどねぇ…でもメイド楽しい…やっぱ馴染みのある職業だしね。うん」
「え?メイドは陛下に頼まれたからじゃないの?」
キョトンとしたような顔のお父様
「あらあら?お父様、陛下に頼まれる前からしていたでしょ?」
「技術は身についたし辞めどきを悩んでるのかなと…」
確かに最初始める時はそんな言い訳してたっけ?
ふふふ、と私は笑う
「お父様
--------------------いいえ、メイドはただの趣味です」
リリアンナは国母に相応しくないっ!!
私はここにいるマリア・フレンティアと婚約をするっ!」
王宮での夜会。国内外の貴族が集まり交流している場であり、情勢を知るための場でもある
そんな場で宣言する王子
宣言された少女を見ると凜として王子を見ていた
「…理由をお聞かせください、殿下。ワタクシがいつ、国母に相応しくない振る舞いをしましたか?」
「よくもぬけぬけと!お前は学園にてマリアを陰湿にいじめていたそうだな?罵詈雑言や時には階段から突き飛ばしたり!そんな奴に王妃は不可能だ!」
びしっと指をさす王子
あら?人に指をさしちゃいけませんって習わなかったのかしら?
「…そんな低脳なこと致しません」
「嘘よ!『王子のそばに近寄らないでくださる?あなたには相応しくないわ』って…」
「な、泣くなマリア!もう俺が守ってやるから!」
「嬉しい!センティス様っ!!」
ヒシッと抱き合う2人に回りにいる2人の取り巻きたちは「俺だって」というような雰囲気を出している
かなりの茶番である
陛下と王妃の表情は読めないけど無表情でこの茶番を見てらっしゃる
「…彼女はかなり曲解されておりますわ?
私は『そんなに大声を出して走っては危ないし、周りのご迷惑になるわ?』と申し上げたまでです。殿下のでの字も出しておりませんわ」
「そ、そんなの嘘よ!」
「往生際が悪いぞ!!」
「ワタクシは事実を申し上げたまでです。それが信じられないのならもう申し上げることはございません」
少女がスッと瞳を細くした
「お前が謝れば心の広いマリアが許してやると言ってるんだ!」
「だ、だって私も怖かったけど歪みあいなんてダメだよ!」
「マリアは優しいですね」
「本当!見習って欲しいよ!」
取り巻き連中が囃し立てる
「彼女に一切謝罪を述べる意味がありませんわ。もうよろしいかしら?」
「下手に出ればぁぁあ!」
あれは騎士団長のご子息でしたかね?
か弱い令嬢にいきなり殴りかかるのはいかがなものかと?
「あらあら?」
バシィンッという音と共に静寂に包まれる
「1人のご令嬢を寄ってたかって恥ずかしくないのですか?
しかも、こんな神聖な夜会に?」
「リィナ…」
「ご無事ですか?お嬢様」
スッと頭を下げる私
たたまれた扇で騎士団長のご子息の殴りかかっていた手を思いっきり払った
「それに、お嬢様。もう潔白は証明されます。
こちらをご覧ください」
記憶水晶を取り出す。これはいわゆるビデオカメラのようなものだ
そしてプロジェクターにもなる
「全部そこにいらっしゃるマリア嬢の自作自演でございます」
「う、嘘よ!こんなの作ったのでしょ!騙されちゃだめよ!!」
「あらあら?」
私が頬に手を当てて小首をかしげる
母がよくやっていた仕草であるが、お嬢様はビクッと肩を揺らす
私がこういう時は大抵良くないことが起こることをわかっているからね
「往生際が悪いですわ。お嬢様はその時間、王妃になるためのレッスンがございます。正直、貴方方に構ってるお暇なんてありません。
それに、よく考えてください。婚約者がいる貴族や王族のご子息に近寄り誘惑…あら?これは浮気に適用されるのではないでしょうか?あらあら?何も悪くないご令嬢を棚に上げて自分たちは浮気?
多夫多妻制?それはいいですわ!愛人として皆様マリア様を共有されるのですね?しかし、クレッセント公爵家を蔑ろにして愛人に入れ込む意味…お分かりになりますでしょうか?」
ニコッと最後に笑顔をつける
「ぶ、無礼者!!何故メイドがここに入ってきている!」
「あら?私の意見は聞いていただけないのでしょうか?残念です。
この場をお借りして申し上げます。
殿下のような方との婚約…願い下げですわ」
ちらっとお嬢様を見ると無表情でこちらのやりとりを見ている
私はとある方に視線で促す
問題ないように動いてくださるでしょう
あの方はお嬢様のためなら何も省みませんが、役に立ちます
「ただのメイドがでしゃばるな!」
誰でしたかね?宮廷魔術師長のご子息ですか
魔術をこちらに向けるなんて…しかもかなり強い魔術です
マリア嬢を見ると隠さずに嬉しそうにこちらを見ている
これは避ければお嬢様に当たります
仕方ありませんね
バサァッ
扇を広げる
こちらに来る魔術を撫でるように動かす
滑らかな動きで魔術の塊を消した
「そ、そんな!」
「そこの方。動かないでくださいね?」
直ぐさまフォークを投げてこちらに何かを投げようとする取り巻きの1人の袖を壁に縫い付ける
あれは…宰相様のご子息だったかしら
「あらあら?ただのメイドにこのザマ…大丈夫かしら?」
ちらっと見る
「ただのメイドだなんて…キミがただのメイドなわけ無いじゃないか」
スッと腰を引き寄せられる
あら?このイケメン顔は…
「ディール様…ただのメイドでございます」
クレッセント公爵の嫡男であるディール様が立っている
「キミがただのメイドなら他の人はどうなるんだい?」
キラキラのエフェクトをつけながら語ってくる
この方が出てきたということは…もう終演のお時間ですかね?
「あらあら?ご期待に添えれず申し訳ないですね」
「そんなこと思ってもないくせにね?」
ふふふ、と2人で笑いあう
「ディール様がいらっしゃいましたし、そろそろ閉幕いたしましょうか」
スカートの裾を摘んでお辞儀する
私に伴いディール様も綺麗にお辞儀する
「この場をお借りしますわ。よろしいでしょうか?」
私がゆっくり告げる。お辞儀した方から渋い声で「よかろう」という声が聞こえた
「ありがたくお借り致しますわ、陛下。王妃様」
私が言うとゆっくり2人が頷く気配
私はお嬢様にゆっくり向き直る
「もういいわよ?ミリィ。沢山迷惑かけたわね」
私が言うと2、3回ほど瞬きをしてから花が咲くようにパァァアと笑顔になった
「そんなお姉様のためなら私何でも頑張ります!!」
「これっきりにしてください」
可愛い笑顔のミリィとミリィに寄り添うダースル伯爵家の嫡男である
「あらあら…初めましての方もいらっしゃいますわね…少々失礼致します」
バサッと一瞬で早着替え
若草色のドレスにメイクを変えたため、ミリィとそっくりな顔
「初めまして?ワタクシがクレッセント公爵家が長女、リリアンナ・クレッセントと申します。」
優雅にお辞儀をする
そしてニコリと微笑む
「殿下…貴方方、今のご自分の立場をわかっておいでですか?」
ぽかーんとしている取り巻きたちにニコリと笑いながら告げる
「1人の女性に入れ込み、信じ、何の罪もない婚約者を罵倒し辱めてこの国や周辺の国での結婚を難しくさせた…下手をすれば公爵家を陥れようと計ったということですわよね?
何も、お咎めなし、とは世間では行きませんことよ?」
チラリと陛下を見る
申し訳なさそうな国王と王妃が視界に写った
「そうだな…そこにいるマリア・フレンティアとセンスティの婚約を認めよう。
そしてクレッセント公爵家に濡れ衣を着せ、計ったセンスティは永久に王位継承権を剥奪。この時より第一王子を皇太子にする。
センスティや以下の子息達は虚無の塔へしばらく入っておれ」
ザッと言う国王の決定にディール様ことお兄様は嬉しそうな顔をした
あらあら。お兄様、顔に出てますわ
「そんなこんなのっ!ゲームではっ!」
「フレンティア嬢も一緒に連れて行け」
国王の命令で一行を連れて行った
最後にキッこっちを見たフレンティア嬢に私はそっと口パクで返す
「」
目を見開いたけどもう遅いわよ?
さようなら。ヒロインさん?
「あらあら?皆様、ワタクシはもう退場致しますわ?ぜひご歓談くださいませ
御機嫌よう」
頭を下げ、上げてニコリと笑う
そして会場を後にする
あらあら?これからどうしましょう?
「お姉様!今日もサンディ様からお花を頂いたの!綺麗だわ!」
「あらあら?ミリアンナはサンディ様が大好きね」
くすくすと笑うとミリィは顔を真っ赤にした
「大好きですわ…でも私なんかが釣り合うかしら?」
「大丈夫よ?…あら?この馬車の音はサンディ様の馬車ではないかしら?」
「あら?いけない!サンディ様とお出かけだったんです!」
「気をつけていってらっしゃい?またお話し聞かせて頂戴?」
「はい!では行ってきますわ!」
走ると注意されるのがわかってるのでミリィは早歩きで去っていく
「よくあのヤンデレと付き合えるわよね。ミリィも…まぁ幸せならいいんだけど…
さて。お兄様の言うにはみんな廃嫡になったし、第一王子は側妃の御子だけど、王妃と仲良いし、努力家の秀才だしね…一先ず安心かなー
ここまでうまく行くとは思わなかったけど」
温くなった紅茶を飲む
窓からはサンディに連れられて出て行くミリィを見つけた
本当、双子なのになんであんなに可愛く育ったのかしら
…サンディ、勝ち誇った笑みはこちらにむけなくてよろしくてよ?
一つため息をつきながらカップをソーサーに返す
「本当に嫁の貰い手がなくなったし…どうしようかしらね」
もう少し酷い状況を想定してメイド術を身につけていたけど、思わぬ素行調査にてメイドしかしなくなった
本当ミリィには申し訳なかったけど、メイドの立場の方が確かに動きやすかったし、陛下の頼みだったしね
「おや?戻られるんですか?」
「…でたなジーク」
「おやおや?お言葉使いが悪いですよ?リリアンナお嬢様?」
「うるさいわねージークは知ってるからいいのよ」
メイドとして公爵家で働いてたらジークが入ってきた
ジークは同い年の従者でかなり優秀である
「さて…もう、婚約解消されて、リリアンナ様はフリーですよね?」
「色んな嫌味を混ぜてくるのやめてくれない?リィナでいいわよ。今更なのにリリアンナって呼ばれるのはなれないわ。
それに、婚約破棄はこの国での重要ニュースなんだからフリーですよーだ」
べっ、と舌を出してジークに告げる
「そういう意味じゃなかったんだがなぁ」
苦笑してもカッコいいとか何それずるい
乙女ゲームに出てくる攻略キャラっぽい
適当なことを考えているとジークが突然私の椅子の前に跪いた
そして私の右手をそっと取る
「パレス国の第三王子、ジークハルトよりリリアンナ・クレッセントへ申し上げます。結婚してください。
ちなみに返事は『はい』しか聞かないから」
へ?
「パレス国ってあの?え?あれ?第三王子って確か王位継承権第1位の…あら?ジーク?」
「そうだっていってるだろぉ?聞いてたかー?」
…だめだ。頭が回らない
ザッと立ち上がりゆるりとスカートを摘み礼をする
「オーホッホッホッ!ワタクシ急用を思い出しましたわ!失礼致しますわ!!」
ジークが苦笑しているのを尻目に立ち去る
妃なんて私に務まるわけない!!
「ほんと何なのかしら…よくわからない…《私》の時点で色々おかしいけどねぇ…でもメイド楽しい…やっぱ馴染みのある職業だしね。うん」
「え?メイドは陛下に頼まれたからじゃないの?」
キョトンとしたような顔のお父様
「あらあら?お父様、陛下に頼まれる前からしていたでしょ?」
「技術は身についたし辞めどきを悩んでるのかなと…」
確かに最初始める時はそんな言い訳してたっけ?
ふふふ、と私は笑う
「お父様
--------------------いいえ、メイドはただの趣味です」
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