スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem

桜のはなびら

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【幕間】 祷 cor primária do céu 10

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 世界最高峰の芸術に触れた後は、イタリアのレーシングカーや高性能スポーツカーのメーカー『フェラーリ』による『フェラーリ・ワールド』で世界最高峰のスピードに触れた。


 
「あーハル来たかったろうなぁ」

「あー、ねぇ。ハル車好きだもんねぇ」


 さすが世界的な自動車メーカーのテーマパーク。車好きでなくとも名前くらいは知られている世界最高峰のスポーツカー、フェラーリが多数展示されている。ギフトショップではフェラーリの歴史も見られる。
 車好きならばアトラクション以外でも楽しめるだろう。


「その言い方だとなんだかハルって小学生男子みたいね」

「ハルの分もスピード楽しんでこよーぜ」

「うわ、マッサン、ちょっとキョウさんみたいじゃん」

「なになに? ヤンキーノリ意識した?」

「あれ? ほづみ大丈夫? コースター系別に苦手じゃ無かったよね?」

「うん、むしろ好きなんだけど、これはちょっと規格外だし……フライト疲れ残ってる中で乗ったら大丈夫かなって、ちょっと不安になって」


 祷たちのなかに、特別に車好きやフェラーリ好きがいたわけではなかったが、世界最速の記録を持つコースター『FORMULA ROSSA』はスタート後五秒で時速240Kに届く。ゴーグル着用が義務付けられるコースターだ。
 車に興味がない者にとっては入場料は比較的高めだったが、得難い経験が得られると、みんなで乗ってみることにしたのだ。


「え、無理しないで? やめとく?」

「やめとくなら私も付き合うよ? お母さんポジションで乗ってる連中外から眺めるのもありだし」

「ううん、大丈夫! ここまで並んだんだし、せっかく来たんだし」

「あ、そろそろじゃない? 次の次の……次くらい?」
 
  行列はできていたが待ち時間は二十分程度。気づけば自分たちの番はすぐそばに来ていた。

 
 
「「「「うわあああああああああああ!!!!!!」」」」


「ぎいいいいいいいいいいやああああああああああああああっっっっっっ!!!!」


「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」


 
 
「……す、すごかったね」

「う、ん。すごかった」

「300K近い新幹線よりも、180kの富士急のドドンパの方が怖いもんな。さっきの240kもあるんだから、そりゃあ……」

「ねえ、ほづみ事件みたいな声出してなかった?」

「ほづみ、だいじょうぶ?」

「..................う、ん、なんとか……」

「ねえ、いのり壊れたみたいに笑ってなかった?」

「アイス売ってないかな? なんか買ってくるね」

「いのりっ? なんでジアンの質問に答えないの⁉︎」

「やー、気持ち良かったねぇ」

「......えぇ......?」

「ん?」

「..................いのり。お金どんだけ稼げるようになっても、フェラーリ買ったらダメだからね」

「えー? なんでー?」

「......いのりをワイスピの住人にするわけにいかない」

「フルスピードで走るのが?」

「俺の人生だった、じゃないから!」

「俺とお前は兄弟だった?」

「いや、まじで......」

「お前も同じだったから、は?」

「......いのり、まじで運転気をつけてよ」

 穂積はげんなりと、げっそりとしながらも、決意のこもった眼で祷を見た。
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