スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem

桜のはなびら

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 何をやるのか。
 
 マレに捧げるサンバイベント。
 だけど人を巻き込むなら、その人たちにとっても有意義なものにしなくてはならない。
 なにより、私自身も楽しめなくては。それをもまたマレの望みでもあるのだから。
 
 となると、マレが出国するまで多分1カ月もない。怪我の完治の目安日が練習再開可能日となり、その日若しくはその日よりも前に戻るのがマレにとっては望ましい状況のはずだ。
 マレは曖昧なことを言っていたが、もし渡航が怪我の完治よりも後ろ倒しになることがあるとしたら、それはマレにとって良くないことだ。復帰を妨げる精神的な要素が除かれていないことを示していることに他ならない。
 精神的な回復も今回の主旨のひとつだ。
 となれば、適正な時期に戻ることを前提とした計画を組むべきだろう。残り三週間程度で形にしなくてはならない。
 
 
 与えられた条件はシビアだが、限定されている分ピンポイントな企画は立てやすかった。
 
 いのりと相談させてもらって、大枠はまとまった。
・改まった練習、調整、設定、準備などをほとんど必要とせず
・演者も観客も、サンバ関係者もサンバを知らない人も楽しめる
 
 その条件を満たすものとして、「パーティー」「ライブ」「クラブ」の要素が挙がった。
要素を加味して組み上げたのが、「ラテンミュージックフェス」だ。
 
 アキの伝手で五百㎡を超える大きさの屋内の会場は押さえられた。音を出しても良く、お酒を含めた飲食も可能な会場。
 物販も可で、ここまで条件がそろっているのに駅近で終日使用しても三万円以下という破格の金額だ。公共の貸会場よりも安い。
 公共の会場は音の制限や予約が取りにくかったり、参加費や物販などがNGだったりと、条件面でも厳しいことを考えれば、理想的な会場と言えた。
 やや都心から離れているというのが玉に瑕だが、それでも都内の東側なら電車で一時間と掛からない。

 
 たーくんの知り合いのDJがこの話に全面的に乗ってくれて、司会進行盛り上げ役音響管理等を担ってくれることになった。近しい音楽関係の仲間も主催側として参加してくれるようだ。
 全ジャンルを網羅したDJだが、特にラテン系に造詣が深く、当イベントとの親和性が高い。というよりも、このDJが押さえられたから、ラテンを冠することにした。
 ラテンに絞ることで「誰でも楽しめる」からは外れてしまうかもしれないが、特にラテン好きでなくても嫌ってさえいなければ「誰でも盛り上がれる」場にはできるだろう。
 
 サウンドオペレーターはしょーちゃんが手伝ってくれる。
 映画関係の会社に入ったしょーちゃんは、まだ見習いだし技術系でもないのだが、自身の興味で映像や音響、照明などに関しても勉強しているそうで、学んだことを活かしたいと今回の件に積極的に関わってくれている。
 
 持ち込むのは『ソルエス』所有の音響機器のみ。屋内の音楽イベントなら充分のスペックだ。
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