スルドの声(嚶鳴2) terceira homenagem

桜のはなびら

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スルド奏者姫田姉妹

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(姫田 祷、姫田 願子)


『ソルエス』は大きいとは言えない規模の『エスコーラ』なので、大隊ならではの合わせる大変さは低い分、ひとりひとりの音の強さは重要で、ひとりのミスの影響が大きいので正確さと技術もおろそかにできない。

『ソルエス』には七名のベテランスルド奏者がいた。内三人は比較的高齢で、練習やイベントには出たりでなかったり。


 そこに、直近で若い女性奏者が四人増えた。実に五十七パーセント増だ。

 昨年入会した姫田願子ひめためがみ。サンバネームは「がんこ」や「がんちゃん」。素直に読めない名前のことや、優秀な姉と比較されがちなことに悩める思春期の少女だったが、最近は色々と吹っ切れたようで、姉妹で楽しそうにスルドを演奏している。
 がんちゃんのパートはプリメイラ。小柄で可愛らしい女の子が、最も大きなスルドを奏でる。
 奏者としての評価ではなくて申し訳ないが、その姿は愛らしくマスコット的だ。
 でも、ストイックで真面目で実は負けん気強くて、深い集中力を持つ彼女は練習の鬼で、まだ新人と呼んで良いサンバ歴ながら、リズムの基礎たるスルドの中でも、軸となるプリメイラの役を立派に果たしている。
 
 妹のがんちゃんを追って入会した、姫田祷ひめたいのり。サンバネームは「いのり」。
 妹大好きないのりは、妹の音に応えるセグンダを選んだ。
 高校時代は吹奏楽部で部長を務め、器用な彼女はいくつかの楽器をこなせるマルチプレイヤーだった。メインではないが、打楽器経験もあった。
 その頃から、自主練の様子を動画に挙げていて、卒業してからも楽器演奏系の配信者として、収益が得られる程度のチャンネルの持ち主だった。
 私の大学の先輩で、私が『ソルエス』に入る道筋を整えてくれた人でもある。
 大学では運営系のサークルに所属しているほか、起業系のインカレサークルにも入っている。『ソルエス』でも運営にも関わっていて、そのすべてでかなり積極的且つ活動的な彼女。当然ながら忙しい合間を縫ってブラジルに渡航し数週間の滞在でサンバへの理解を深めながら、サンビスタとの人脈はもちろん、国際文化交流の人脈まで作って帰ってきた。
 また、活動資金確保のためにアプリ開発から運用、リリースまでのプロジェクトを組み、実績を作って企業に売り込むということまでやっているのだから、スケールの桁が違う。
 実家もお金持ちの彼女は、広い豪邸に住んでいるが、そのうちの一室を、自己資金で打楽器やダンスの練習ができるスタジオにリフォームしている。

 プレイヤーとしての彼女は、吹奏楽部時代に培った音感やリズム感に、持ち前のセンスと、妹同様の真面目さに、効率の良い合理的な努力で、早々のデビューを飾っていた。
 デビュー案件は、自ら営業しプレゼンして獲得した企業案件で、その企業がスポンサーを務めるサッカーチームの感謝祭イベントを絡めた大規模なもの。やっぱり、スケールが違う
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