スルドの声(嚶鳴2) terceira homenagem

桜のはなびら

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どうしたい

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 金津社長からの、私サイドへの依願の形をとった言葉に、先ほどまで発言者であり、金津社長に発言権を渡した立ち位置であるいのりがまず答える。

「色部をケアするという立場としましては……おっしゃる通り、担当を変えて良しというわけではありませんが……今後色部を傷つけるようなことにならないのなら、色部が謝罪を受け入れ、体制に納得できれば、継続はできるものと私は考えています……私と同じ立場の要さんは、意見ありますか?」
 
「……私自身はいろいろと言いたいことも思うこともあるけれど、それは私の気持ちと考えだから……うん、私も祷と同じ。対応としてはそれで良いと思う。誉が、どうしたいか、どう思うかを最優先にしたい」
 
「うん、そうだよね。……ほまれ、いろいろと勝手に話進めちゃったけど、ここからは、ほまれの考えを聞きたい」
 
 ちらりといのりは金津社長を見た。金津社長が頷くのを確認したいのりは、私の方を向いて、
 
「ほまれはどうしたい? どう思う?」穏やかに尋ねた。
 
 
「私は……」
 
 映を演じてきたからだろうか。私は自分の気持ちや想いを人前で話すことに、何の抵抗もなかった。
 
 
 小国さんがやさしくしてくれたことは、安心感があった。おかげで、やったことのない演技なんて仕事も、どうにかみんなに迷惑をかけないでほぼ完成という段階までやってこられたのだと思う。
 だから、小国さんのことは信頼していたし感謝もしていた。
 そんな小国さんからのお誘いは、うれしかった。
 
 あの日。約束を反故にされたあの日は、悲しかった。悔しかった。
 何がどうと明文化はできないし、何に起因しているのかを自分でも正確に承知しているとは言い難かったが、なにかやるせない気持ちを抱えながら家路につき、その途中気づいたら涙が零れていたことを覚えている。
 
 自分のことが記事になると聞いたときは驚いた。
 実際の記事を見たときは、少しは不愉快な感情は抱いたと思う。
 ただ、周りが騒ぎ立てるほどには、私の感情は揺らいではいなく、どこか他人事のように一連の動きを捉えていた。
 
 それが小国さんの仕掛けによるものだと……約束の日のキャンセルさえも、意図して仕組まれたものだったのだと聞かされて……私は。私は……どう、思ったんだろう。
 
「……驚きはありました。予想もしていなかった事実でしたから。続いて、『なんでそんなことを?』という、疑問を伴った驚きがありました」
 
「驚いてばっかりだったからかな。その時は悲しみとか怒りとか、そういう感情には気づきませんでした。よく要さんにも言われますが、私が鈍感だからかもしれません。ただ……なぜか、寂しさを感じたように思います」
 
 あれは、誰を思っての気持ちだったのだろう。
 
 信頼した人に利用されていたのかと気づいた寂しさ?
 自虐に嗤う本人が一番理解しているであろう虚しさを抱えた小国さんを想う寂しさ?
 
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