妖恋唄

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別れと出逢い

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「おはよう!ちょっと、何やってんのよ!!」

足元に現れた物に引っ掛けられたように転びかける。
今までも、何度か転ばされかけたから、慣れた物なんだけどね…

側にいた友人が手を差し伸べてくれて、思いっきり派手に転ぶ事は阻止できた。できたんだけどね…

「相変わらず、何もない所に転びそうになるね…大丈夫??」
「うん。ありがとう」

彼女は花坂 香織(はなさか かおり)。中学時代からの友人だ。
もっと昔からの知人ではあったんだけど、彼女の両親の都合で地方に行っていて、中学時代にこっちに帰ってきた。
両親が亡くなって、泣き崩れていた私を励まし、側にいてくれた大切な友人だ。

「ほら、急ごう。授業に遅れるよ」
「本当だ、急がないと」
「そう言えば、もう少しで誕生日だね。誕プレ何が良い?」

そう言いながら、二人で教室に入っていく。
その時は、いつもの見えないモノの、いつものイヤガラセだけだったんだ。
そう、まさか、こんな事が…あるなんて思わなかった…



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