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悪役令嬢回避
奇跡に願いを…レイナ
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私、鈴木 玲奈(すずき れいな)は、一度この世界に来て住んでいた事があった。
私自身の家族は、とある災害でこの世を去っていたんだ。
結構テレビで何度も報道されていたんだけどね…。
私の家族はどこにでもいる平凡な四人家族だと思う。
あくまで私がそう思っているだけ。
祖父母は交通事故で亡くなって、祖母が自宅の一部を町の薬局屋さんとして経営していたから、父親が後を引き継いだんだ。
両親は二人とも薬剤師で、父親は病院の薬剤師、母親は漢方薬局の方で勤めていたんだけど、祖父母の遺した自宅に引っ越すためにどちらとも辞めて、協力しながら頑張っていた。
更に父親はいろんな資格も急いで取得して、母親も協力していたんだ。
兄は両親の後を継ぐと、薬学部のある大学に進学。私もって思ったんだけど、ちょっと自信がなくて、看護大学の方を希望したんだ。
受験を頑張って…
そんな時、高校の行事で家を出ていた。
その時、日中に起こった大きな地震が実家の方に…
更に地震の影響で津波が辺り一帯を襲ったらしい…。
自然災害であるから、どうする事もできなかった…。
兄は体調を崩していて、その日は大学を休んで家で寝ていると言っていたし…。
その情報を受けて、呆然としたんだ。
帰ったら、周りの家々もだけれど、無くなっていたんだ…。
当時の先生方のおかげで、なんとか住むところを得て、家族の遺産などがその後の私の生活を守ってくれた。
高校は電車通学であったから、その周りは被害も何も無かったおかげでもある。
先生が身元保証人になってくれて、アパートを借りて、大学も大学に通うための住む予定場所も、有難いことに亡き両親が生前手続きをし終えていたから…せっかくだから、頑張りなさいって先生方や友人達が応援してくれたんだ。
無事に高校卒業と大学入学も終えて、生活のためにアルバイトも決めた。
とにかくみんなが応援してくれたからと、気合を入れていたんだ。
アルバイトにも大学生活にも慣れ出して、家族の墓参りも兼ねて、アルバイト先に早い時期からお願いして、少し多めに休みをもらったんだ。
「学生は勉強も大事だし、時には体も休めないとね!」って休みをくれた。
バイト先の人達も、気をつけてねって…。
アルバイトから帰ってきて、明日にはって意気込んでいたら、いきなり見た事もない場所にいたんだ。
玄関で靴を脱ぐ前でよかったと思った。
動きやすいようにジーンズのズボンと上はパーカー。靴はスニーカーだったんだ。
鞄は玄関にちょうど置いて学生マンションの自分の部屋の鍵をガチャンとかけたその時に世界が変わったと言ってもいい。
携帯電話は充電しないとって玄関に鍵と一緒に置いた所だったから、それらも持っていない。
そう、目の前は本来であれば学生マンションの部屋。女の子だから、マンション自体の入り口はオートロックだけれど、学生専用の安いマンションだから、靴を脱いだらすぐ部屋のはずなのに、目の前は湖?
そして、向こうのほうには森?
少し暖かい風が吹いていたんだ…。
足元の草花が揺れているから…。
「そこにいるのは誰ですか?」
いきなり背後から声をかけられて、ビクッとなる。
別に私は悪い事をしたわけではないけれど…
ゆっくりと振り向くと、まるで外国人のモデル?と思うような美丈夫がいたんだ。
銀髪の少し長めの髪に水色の瞳の男性。
髪の色は染めている人もいたし、カラーコンタクトを使用している人だっているから、その色には特に驚くことは無いけれど…
でも…
驚きすぎたら、人は声も出ないし、動けなくなるって本当なんだとその時思った。
それが カルロス・ジスパダールという男性との出逢いだった。
彼は『神の愛し子』とかいう不思議なスキルと言うものを持っていたみたいで、私がこの場所に現れる事を知って来たと言っていた。
学園を卒業し、本来であるなら父親が神殿関係者だから、神職の道に進むのも良いのかもしれないが、『古代文字』や『魔法刻印』その他の研究もしたくて親の領地の方に来ていたのだとか。
学園は私の世界で言う高校と同じらしい…。
そして、その彼に保護されて、なぜか好意を向けられて、いつしか恋愛感情を持つようにもなっていったんだ。
カルロスは私に優しく色々と教えてくれたり、守ってもくれていた。
親しい友人にも紹介してくれて、この世界で友人もできた。
幸せで、彼に求婚された時には嬉しくて、この世界で家族ができると喜んだ。
彼の子供が無事に生まれて一年後から、急に現れた他国の人に連れ攫われそうになる事があったんだ。
理由はよくわからなかった。
いきなり手を引かれそうになったり、集団に囲まれそうになったりと…。
最後は見知らぬ男性に剣を向けられて、殺害されるのかと思った。
カルロスが助けに来てくれて、なんとか逃げれたって…助かったと思ったら、彼の目の前で世界が急に変わったんだ。
そう、私は自分の部屋に戻って来ていた。
時計を見ればアルバイトから帰って来た翌日の朝。
服装はアルバイトから帰って来た時と同じ。玄関で寝ていたんだ。
荷物もそのまま。携帯はバッテリーが危なかった…。
「夢?疲れてる??」
そう思って、その日はマンションの部屋で休んで翌日には予定通り。
でも、耳には外すことのできないピアスと、首には外すことのできないネックレスがあった…。
彼から贈られた特別な物で、自分では外せないとも言われていたけれど…
夢ではなかったんだ…。
マンションの部屋に戻っていくら考えてもどうしようもなくて…寂しさと悲しみを隠すために毎日を必死で頑張って過ごしていたんだ。
あの日からもうこんなに経ったんだ…。
大学も無事卒業し、就職先も決まっていたから、アルバイト先の人がお祝いしてくれるって、出かけていたんだ。みんな家庭を持つ人が多いから、夜遅くまではできないからって、早めの夕食会だねって笑って…。
その帰り道。公園が見えて、私が産んだあの子がここにいたら、こんな所で一緒に遊んでたりしてたんだろうなって…。
公園の中をよそ見をしながら歩いていたら、女子高生ぐらいの女の子とぶつかって、急に足元が抜けた感じで…
気がつけば、向こうの世界の神殿に似た部屋に見えたんだ。
ぶつかった拍子に前のめりに転けてしまったから、うん、おしゃれなパンツスタイルのスーツで良かったと思ったと思ったのよ。
色は地味だけどね…。
でも、周りは騒がしくて、向こうの方で人だかり。
あの時ぶつかった女の子がみんなに囲まれて…
白い神官職の少し豪華そうな服装だから、上位の人?
どこかで見た事がある?って思ったら目があった。
その相手は、うん、この世界は本当に綺麗な人が多いな~。
あの人…カルロスが歳を少し取ったらあんな感じ?って思ったのよね…。
すると、目を見開いてガン見されて…
えっと、私に何かしました?
何かに拘束されて動けない気がするのは気のせい?
そう慌ててしまうと、いきなり抱きしめられた。
さっきの男性に…そして流れてくる感じが…
「もしかして…カルロス?」
「お帰り。もう離さないし逃さない。レイナ!」
そう言われて、抱き上げられたら、うん、見た事ない部屋の中だった。
そこからやく半年近く離してもらえず、どこかに出かけようものなら悲しい顔をされるし…
息子も、ものすごく大きく成長してしまってて、驚き…
家族の時間をしっかり取り戻すようになっていた。
私と一緒に来た女の子の事を聞けば嫌な顔をする二人。
それに、私を狙っていた国もカルロスの方では調査ができていたらしく、屋敷に居て欲しいと懇願されて…。
他国の問題も落ち着いて来たと言っていたから、もう一度お願いしたら、どうもその女の子。問題を起こしまくっていた。『ゲームがどうの』とか言っていると聞いて、もしかしてって思ったんだ。
この世界に渡って来た時、向こうの持ち物はほとんど持ってこれず、身に付けているものだけが一緒に来るようだった。帰る時は、こっちの世界の服を着ていても向こうから来た時の服装だったけど…。
だから、鞄の中に潜ませていたものをカルロスや息子のリシュエール。リシュに見せる事はできなかった。
そう、大学三年の時偶然見つけたゲーム。
私の知っている人達によく似ていたんだ。
生活必需品や学生では贅沢なテレビとかは両親がすでに購入予約して支払いも済ませておいてくれていたから、大学の学生マンションに入る時に全部運び込んでくれたんだ。ガスや電気と言ったものは、学生専用にのお世話してくれる所が学内にあったから、特に問題もなかったしね…。
脱線したけれど、アルバイトで貯めたお金でゲーム機とか攻略本とか必要な物…私が気になった人が載っているものを買って手に入れた。
『乙女ゲーム』と言われる恋愛シュミレーションゲーム。
『終焉のガルディエーヌ』と言うゲーム名だったんだ。
私が夢だと思った国と同じ名前。そして、カルロスによく似た男子生徒や、カルロスの子供がこのぐらいの年齢であったら、彼はこんな感じ?だと思った姿の教皇…。
なぜか名前もよく似ていて…。
疲れた時や悲しい時に遊んでみたり、読んだりしてみたんだ。攻略本とか小説の方ね…。
もちろん、私の事なんか載っているはずないんだけどね…
そっくりだと思うと、手放せなかったんだ。
私が知っているとしたら、その女の子もゲームでした事があるということだ…。
ゲームと現実が入り乱れてしまっているんだと判断した。
看護師を目指していたから、精神論とか成長過程だとかの知識もある。
それに、以前この世界に来ていた時に不思議体験もあったんだ。
だから、それらを繋げて納得して…
女の子がどうもやらかしてしまったようだから、同郷の者として会わせて欲しいとカルロスに頼み込んだんだ。
実際に会うと、彼女自身がかなり…
彼女に手を伸ばして彼女の身体に溜まってしまったものを自分の方に引き込み浄化して戻してあげた。
息が上がりそうになるぐらい苦しくて…その場で倒れてしまい、カルロスや息子に怒られた。
しっかりカルロスに治していただきました。大人の治療で…。
しばらく動けませんでした。
その間、聖女と呼ばれていた女の子。高凪 玲奈さんも普通の思考に戻って、ゲームと現実の違いを理解したようだった。怪我をさせてしまった男子生徒に対しても、言葉で傷つけてしまった女子生徒に対しても泣きながら謝罪して、元に世界に帰りたいと懇願していた。
カルロスは、私がこの世界からいなくなった事で、敢えて神殿に入り、神殿に残されている『召喚の儀式』に関して調べていたらしく、そのために教皇にもなったと言っていた。
そして、今回の事や自分の研究などで、ちょうど戻せる日がある事を発見したらしい。しかも、条件も…。
その条件を満たすためには…
そう、精霊王の力もお借りする必要性があるんだ。
ただ、現在怒らせてしまっているようだから、その原因をどうにかしないといけない…。
その原因は…カルロスの友人で、私の友人でもある人の息子さん。そう、高凪玲奈さんが傷つけてしまった男子生徒の意識を取り戻す事。そして、彼の魔力を少しでも返して謝罪とする事だった。
その手助けができるのは多分…私だろう…。
また狙われる可能性があるけれど…そこはカルロスが今度こそ守るって豪語しているし、息子も大きくなっているしね…。
カルロスが言うには、その息子さん。エドワルド君も狙われるだろうから、「守る体制が強くなる。今度こそ思うようにはさせない!」とも言っていた。
色々調べ上げて、過去の伝説級まで調べたのね…。
カルロスはすぐに儀式の準備を進めて、原因さえ解決できたら発動できる所までしてしまった。
いつのまにここまで凄くなったんだろうか…。
ちょっとした執念さえ感じたんだ。
彼女にその事を伝え、私の力でそのエドワルド君の魔力を受け取って、彼のもとにやって来たんだけど…。
うん、この世界に『桜』ってなかったと思ったんだけど、多く植えられていて驚いたんだよね。
そうか、彼のおかげか…。
『枝垂れ桜』まであって、その樹が神聖な樹になってるしね…。
まるで続編を見てるようだ。
「こんにちは、エドワルド君…エド君で良いかしら?私はレイナよ。」
そう言って、エド君の側に行く。
妖精や精霊達が嬉しそうに私の側に擦り寄ったりして飛んできたから、これさえ上手くいけば、きっと精霊王も協力してくれると確信したんだ。
そっとエド君に触れると、不思議と彼の事が伝わって来た。
これは精霊王が枝垂れ桜の力を使って私に教えてくれてるんだと思えたんだ。
「あぁ、あなたの前世は私がいた世界なのね…不思議な繋がりね…。」
そう言って微笑んだんだ。
そして、もう一度エド君に触れて…
「彼女から預かった力と私から少し。だから、目を覚まして…」
エド君に私の力でを高凪さんから預かった魔力を彼に返してあげて、私の浄化の魔力で上手く循環出来るように促進させたんだ。
後はアシュ君にお任せのつもり…。
すると、私の魔力で私の身体が優しい光で包まれる。その光が私の手を伝わってエル君に吸い込まれていった。
エド君自身が一瞬だけ私と同じような光で包まれたようにも見えただろう。
うん、上手く行った。
「えっと、これで多分大丈夫だと思うのよね。後は婚約者であり、エド君にとって最も大切な人。そう、息子のリシュがアシュ君って言ってたから、そう呼んでも良いかしら?息子の友達なら私にとっても大切にするべき人達の一人だから。」
エドワルド君のお兄さんで婚約者…。ゲームでは『アシュレイ』だったけど、息子が『アシュ』って呼んでいたからアシュ君で良いわよね?本人に許可はもらうけど…。
その彼に、そっと教えてあげたんだ。
年齢的には早いとは思うんだけど、知っていても良いと思うしね…。
知識的にはある程度知っている年齢だろうし…アシュ君の方が…。
だから、魔力の譲渡をしてあげる時に、一緒に悪い部分を浄化してあげてって教えてあげたんだ。彼の目の前まで近づいて、そっと呟くように教えたの。その方法は、恋人とか、婚約者、結婚したパートナー同士ができる大人的な譲渡方法…。
そう言う治療を敢えてしてあげる聖職者もいるかもしれないけれど、宗教でそう言う修行が向こうの世界の…他国にはあったしね…。
だいぶと昔だろうけれど…
この世界でももしかしたら有るかもしれないけれど、私的には嫌だなぁ~。好きな人以外はね…。
カルロスにもそれは先に伝えておいた。でないと、後で怒られそうだからね…私が…。
身の危険を感じる…。
監禁とかされそう…。一部軟禁まではされたしね…。
それをそっとアシュ君に教えて、カルロスにアシュ君の両親とかお兄さん達とかを別の場所に誘導してもらうようにお願いしておいたから、多分大丈夫。
だって恥ずかしいでしょ?知った人の前ではね。
私なら嫌だもの…。
アシュ君はみんなの目を気にせずに、『愛しい』と目や態度で訴えながらエル君に触れていた。
カルロスが一気に他の者を屋敷の方に転移させたのよね。
いつのまにかそこまで出来るようになったのよ!!
教皇となるための努力の成果?
そうなのね…。
カルロスが、「転送魔法陣が作動したと」言い、確かに温室の方から膨大なエネルギーが放出されて魔法陣の効果を増大させている気がした。
そして、一瞬神殿の方から光の柱が登った気がしたんだ。
気のせいかもしれないけれど…。
「あぁ、成功したようだ…。」
カルロスがニヤリと良い笑顔を見せたから、たぶん、『神の愛し子』のスキルか何かで確認したんだと納得したんだ…。
ほんと、すごすぎるよ…。
私自身の家族は、とある災害でこの世を去っていたんだ。
結構テレビで何度も報道されていたんだけどね…。
私の家族はどこにでもいる平凡な四人家族だと思う。
あくまで私がそう思っているだけ。
祖父母は交通事故で亡くなって、祖母が自宅の一部を町の薬局屋さんとして経営していたから、父親が後を引き継いだんだ。
両親は二人とも薬剤師で、父親は病院の薬剤師、母親は漢方薬局の方で勤めていたんだけど、祖父母の遺した自宅に引っ越すためにどちらとも辞めて、協力しながら頑張っていた。
更に父親はいろんな資格も急いで取得して、母親も協力していたんだ。
兄は両親の後を継ぐと、薬学部のある大学に進学。私もって思ったんだけど、ちょっと自信がなくて、看護大学の方を希望したんだ。
受験を頑張って…
そんな時、高校の行事で家を出ていた。
その時、日中に起こった大きな地震が実家の方に…
更に地震の影響で津波が辺り一帯を襲ったらしい…。
自然災害であるから、どうする事もできなかった…。
兄は体調を崩していて、その日は大学を休んで家で寝ていると言っていたし…。
その情報を受けて、呆然としたんだ。
帰ったら、周りの家々もだけれど、無くなっていたんだ…。
当時の先生方のおかげで、なんとか住むところを得て、家族の遺産などがその後の私の生活を守ってくれた。
高校は電車通学であったから、その周りは被害も何も無かったおかげでもある。
先生が身元保証人になってくれて、アパートを借りて、大学も大学に通うための住む予定場所も、有難いことに亡き両親が生前手続きをし終えていたから…せっかくだから、頑張りなさいって先生方や友人達が応援してくれたんだ。
無事に高校卒業と大学入学も終えて、生活のためにアルバイトも決めた。
とにかくみんなが応援してくれたからと、気合を入れていたんだ。
アルバイトにも大学生活にも慣れ出して、家族の墓参りも兼ねて、アルバイト先に早い時期からお願いして、少し多めに休みをもらったんだ。
「学生は勉強も大事だし、時には体も休めないとね!」って休みをくれた。
バイト先の人達も、気をつけてねって…。
アルバイトから帰ってきて、明日にはって意気込んでいたら、いきなり見た事もない場所にいたんだ。
玄関で靴を脱ぐ前でよかったと思った。
動きやすいようにジーンズのズボンと上はパーカー。靴はスニーカーだったんだ。
鞄は玄関にちょうど置いて学生マンションの自分の部屋の鍵をガチャンとかけたその時に世界が変わったと言ってもいい。
携帯電話は充電しないとって玄関に鍵と一緒に置いた所だったから、それらも持っていない。
そう、目の前は本来であれば学生マンションの部屋。女の子だから、マンション自体の入り口はオートロックだけれど、学生専用の安いマンションだから、靴を脱いだらすぐ部屋のはずなのに、目の前は湖?
そして、向こうのほうには森?
少し暖かい風が吹いていたんだ…。
足元の草花が揺れているから…。
「そこにいるのは誰ですか?」
いきなり背後から声をかけられて、ビクッとなる。
別に私は悪い事をしたわけではないけれど…
ゆっくりと振り向くと、まるで外国人のモデル?と思うような美丈夫がいたんだ。
銀髪の少し長めの髪に水色の瞳の男性。
髪の色は染めている人もいたし、カラーコンタクトを使用している人だっているから、その色には特に驚くことは無いけれど…
でも…
驚きすぎたら、人は声も出ないし、動けなくなるって本当なんだとその時思った。
それが カルロス・ジスパダールという男性との出逢いだった。
彼は『神の愛し子』とかいう不思議なスキルと言うものを持っていたみたいで、私がこの場所に現れる事を知って来たと言っていた。
学園を卒業し、本来であるなら父親が神殿関係者だから、神職の道に進むのも良いのかもしれないが、『古代文字』や『魔法刻印』その他の研究もしたくて親の領地の方に来ていたのだとか。
学園は私の世界で言う高校と同じらしい…。
そして、その彼に保護されて、なぜか好意を向けられて、いつしか恋愛感情を持つようにもなっていったんだ。
カルロスは私に優しく色々と教えてくれたり、守ってもくれていた。
親しい友人にも紹介してくれて、この世界で友人もできた。
幸せで、彼に求婚された時には嬉しくて、この世界で家族ができると喜んだ。
彼の子供が無事に生まれて一年後から、急に現れた他国の人に連れ攫われそうになる事があったんだ。
理由はよくわからなかった。
いきなり手を引かれそうになったり、集団に囲まれそうになったりと…。
最後は見知らぬ男性に剣を向けられて、殺害されるのかと思った。
カルロスが助けに来てくれて、なんとか逃げれたって…助かったと思ったら、彼の目の前で世界が急に変わったんだ。
そう、私は自分の部屋に戻って来ていた。
時計を見ればアルバイトから帰って来た翌日の朝。
服装はアルバイトから帰って来た時と同じ。玄関で寝ていたんだ。
荷物もそのまま。携帯はバッテリーが危なかった…。
「夢?疲れてる??」
そう思って、その日はマンションの部屋で休んで翌日には予定通り。
でも、耳には外すことのできないピアスと、首には外すことのできないネックレスがあった…。
彼から贈られた特別な物で、自分では外せないとも言われていたけれど…
夢ではなかったんだ…。
マンションの部屋に戻っていくら考えてもどうしようもなくて…寂しさと悲しみを隠すために毎日を必死で頑張って過ごしていたんだ。
あの日からもうこんなに経ったんだ…。
大学も無事卒業し、就職先も決まっていたから、アルバイト先の人がお祝いしてくれるって、出かけていたんだ。みんな家庭を持つ人が多いから、夜遅くまではできないからって、早めの夕食会だねって笑って…。
その帰り道。公園が見えて、私が産んだあの子がここにいたら、こんな所で一緒に遊んでたりしてたんだろうなって…。
公園の中をよそ見をしながら歩いていたら、女子高生ぐらいの女の子とぶつかって、急に足元が抜けた感じで…
気がつけば、向こうの世界の神殿に似た部屋に見えたんだ。
ぶつかった拍子に前のめりに転けてしまったから、うん、おしゃれなパンツスタイルのスーツで良かったと思ったと思ったのよ。
色は地味だけどね…。
でも、周りは騒がしくて、向こうの方で人だかり。
あの時ぶつかった女の子がみんなに囲まれて…
白い神官職の少し豪華そうな服装だから、上位の人?
どこかで見た事がある?って思ったら目があった。
その相手は、うん、この世界は本当に綺麗な人が多いな~。
あの人…カルロスが歳を少し取ったらあんな感じ?って思ったのよね…。
すると、目を見開いてガン見されて…
えっと、私に何かしました?
何かに拘束されて動けない気がするのは気のせい?
そう慌ててしまうと、いきなり抱きしめられた。
さっきの男性に…そして流れてくる感じが…
「もしかして…カルロス?」
「お帰り。もう離さないし逃さない。レイナ!」
そう言われて、抱き上げられたら、うん、見た事ない部屋の中だった。
そこからやく半年近く離してもらえず、どこかに出かけようものなら悲しい顔をされるし…
息子も、ものすごく大きく成長してしまってて、驚き…
家族の時間をしっかり取り戻すようになっていた。
私と一緒に来た女の子の事を聞けば嫌な顔をする二人。
それに、私を狙っていた国もカルロスの方では調査ができていたらしく、屋敷に居て欲しいと懇願されて…。
他国の問題も落ち着いて来たと言っていたから、もう一度お願いしたら、どうもその女の子。問題を起こしまくっていた。『ゲームがどうの』とか言っていると聞いて、もしかしてって思ったんだ。
この世界に渡って来た時、向こうの持ち物はほとんど持ってこれず、身に付けているものだけが一緒に来るようだった。帰る時は、こっちの世界の服を着ていても向こうから来た時の服装だったけど…。
だから、鞄の中に潜ませていたものをカルロスや息子のリシュエール。リシュに見せる事はできなかった。
そう、大学三年の時偶然見つけたゲーム。
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脱線したけれど、アルバイトで貯めたお金でゲーム機とか攻略本とか必要な物…私が気になった人が載っているものを買って手に入れた。
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私が夢だと思った国と同じ名前。そして、カルロスによく似た男子生徒や、カルロスの子供がこのぐらいの年齢であったら、彼はこんな感じ?だと思った姿の教皇…。
なぜか名前もよく似ていて…。
疲れた時や悲しい時に遊んでみたり、読んだりしてみたんだ。攻略本とか小説の方ね…。
もちろん、私の事なんか載っているはずないんだけどね…
そっくりだと思うと、手放せなかったんだ。
私が知っているとしたら、その女の子もゲームでした事があるということだ…。
ゲームと現実が入り乱れてしまっているんだと判断した。
看護師を目指していたから、精神論とか成長過程だとかの知識もある。
それに、以前この世界に来ていた時に不思議体験もあったんだ。
だから、それらを繋げて納得して…
女の子がどうもやらかしてしまったようだから、同郷の者として会わせて欲しいとカルロスに頼み込んだんだ。
実際に会うと、彼女自身がかなり…
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しっかりカルロスに治していただきました。大人の治療で…。
しばらく動けませんでした。
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そして、今回の事や自分の研究などで、ちょうど戻せる日がある事を発見したらしい。しかも、条件も…。
その条件を満たすためには…
そう、精霊王の力もお借りする必要性があるんだ。
ただ、現在怒らせてしまっているようだから、その原因をどうにかしないといけない…。
その原因は…カルロスの友人で、私の友人でもある人の息子さん。そう、高凪玲奈さんが傷つけてしまった男子生徒の意識を取り戻す事。そして、彼の魔力を少しでも返して謝罪とする事だった。
その手助けができるのは多分…私だろう…。
また狙われる可能性があるけれど…そこはカルロスが今度こそ守るって豪語しているし、息子も大きくなっているしね…。
カルロスが言うには、その息子さん。エドワルド君も狙われるだろうから、「守る体制が強くなる。今度こそ思うようにはさせない!」とも言っていた。
色々調べ上げて、過去の伝説級まで調べたのね…。
カルロスはすぐに儀式の準備を進めて、原因さえ解決できたら発動できる所までしてしまった。
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彼女にその事を伝え、私の力でそのエドワルド君の魔力を受け取って、彼のもとにやって来たんだけど…。
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そうか、彼のおかげか…。
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そう言って、エド君の側に行く。
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そっとエド君に触れると、不思議と彼の事が伝わって来た。
これは精霊王が枝垂れ桜の力を使って私に教えてくれてるんだと思えたんだ。
「あぁ、あなたの前世は私がいた世界なのね…不思議な繋がりね…。」
そう言って微笑んだんだ。
そして、もう一度エド君に触れて…
「彼女から預かった力と私から少し。だから、目を覚まして…」
エド君に私の力でを高凪さんから預かった魔力を彼に返してあげて、私の浄化の魔力で上手く循環出来るように促進させたんだ。
後はアシュ君にお任せのつもり…。
すると、私の魔力で私の身体が優しい光で包まれる。その光が私の手を伝わってエル君に吸い込まれていった。
エド君自身が一瞬だけ私と同じような光で包まれたようにも見えただろう。
うん、上手く行った。
「えっと、これで多分大丈夫だと思うのよね。後は婚約者であり、エド君にとって最も大切な人。そう、息子のリシュがアシュ君って言ってたから、そう呼んでも良いかしら?息子の友達なら私にとっても大切にするべき人達の一人だから。」
エドワルド君のお兄さんで婚約者…。ゲームでは『アシュレイ』だったけど、息子が『アシュ』って呼んでいたからアシュ君で良いわよね?本人に許可はもらうけど…。
その彼に、そっと教えてあげたんだ。
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知識的にはある程度知っている年齢だろうし…アシュ君の方が…。
だから、魔力の譲渡をしてあげる時に、一緒に悪い部分を浄化してあげてって教えてあげたんだ。彼の目の前まで近づいて、そっと呟くように教えたの。その方法は、恋人とか、婚約者、結婚したパートナー同士ができる大人的な譲渡方法…。
そう言う治療を敢えてしてあげる聖職者もいるかもしれないけれど、宗教でそう言う修行が向こうの世界の…他国にはあったしね…。
だいぶと昔だろうけれど…
この世界でももしかしたら有るかもしれないけれど、私的には嫌だなぁ~。好きな人以外はね…。
カルロスにもそれは先に伝えておいた。でないと、後で怒られそうだからね…私が…。
身の危険を感じる…。
監禁とかされそう…。一部軟禁まではされたしね…。
それをそっとアシュ君に教えて、カルロスにアシュ君の両親とかお兄さん達とかを別の場所に誘導してもらうようにお願いしておいたから、多分大丈夫。
だって恥ずかしいでしょ?知った人の前ではね。
私なら嫌だもの…。
アシュ君はみんなの目を気にせずに、『愛しい』と目や態度で訴えながらエル君に触れていた。
カルロスが一気に他の者を屋敷の方に転移させたのよね。
いつのまにかそこまで出来るようになったのよ!!
教皇となるための努力の成果?
そうなのね…。
カルロスが、「転送魔法陣が作動したと」言い、確かに温室の方から膨大なエネルギーが放出されて魔法陣の効果を増大させている気がした。
そして、一瞬神殿の方から光の柱が登った気がしたんだ。
気のせいかもしれないけれど…。
「あぁ、成功したようだ…。」
カルロスがニヤリと良い笑顔を見せたから、たぶん、『神の愛し子』のスキルか何かで確認したんだと納得したんだ…。
ほんと、すごすぎるよ…。
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