オメガ転生。

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学園生活

そんな事が(雅貴)

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「大丈夫ですか?」

殿下が側に近づいて来た。
他の者達はこの場に入ってこれないようだ。

私達に駆け寄りたい…そんな雰囲気を感じたから、多分そうだろう。
多分…この空間に拒絶されている。
そんな気がした。

殿下は皇族特有の力が有り、本人はあまり固辞してはこないが強い方だ。
だから平気で入ってこれたのだろう…

愛しい者を抱きしめながら、すかさずこの空間を観察する。
これは、かなり力が強い者でなければ作り上げることの出来ない特殊な物だろう。
空間の範囲は個々の力量でもう少し広範囲にもできるだろうが…今回のはどうだろうか…
あえてこのぐらいで作り上げた可能性もある。
作った本人を特定し、聴取すれば良いだけだが…
この力…役に立つな…

あらゆる面で、特殊な力が行使できるのは、この国のためにもなる。
愛しい者に対して行使された事は許されないが…国として囲い、場合によっては使役して飼い殺し…
まぁ、囲って使役ぐらいにした方がいいか…
せっかくのモノを直ぐに壊してしまうのは、今後において良くないだろう…

「あっ、ま~たよからぬ事を考えてるね。その表情は本当に妖らしい…その子に見られないようにした方がいいよ」
「ん?」
「まぁ、私も人の事は言えないけどね…」

殿下も周りを見ながら何やら思案しているようだ…

さて、とりあえずの情報はこのくらいでいいだろう…

スクッと立ち上がり、愛しい者を横抱きにしたまま空間を出る。
殿下が出た事をチラッと確認し…

その空間は砂が崩れるがの如く、サラサラと崩れ去り消えていった。
存在がなくなった事を確認する。
なら、今は…

抱きしめながら、自分の妖力を愛しい者に流し込む。
番いだと言っても、この者は『人』であるから、自分達、種族間で分け与えたりする様には出来ない。
繊細なのだ…

少しずつ頬に赤みがさしてきた…
ずっと側にいて、治療したいが…やる事がある。
なら、あの者に託そう…

浮かんだ者の所に運ぶべく、翔の友人達を連れて目的の場所に移動した。
殿下は…言うまでもないか…
どうにか囲い込もうと頑張っておられるようだ。

まぁ、応援はするが、協力は…頼まれたら考えておこう…
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