もふもふの世界に落っこちて、気がついたら離してくれなくなった件

もふもふの世界へ

とある日

レオンが我が家に訪れて、数日後。
あの時は、かなり驚いた表情で俺たちを見ていたが、そんなのは関係ない。
アイリがこの世界に、俺たちの元にやって来て、毎日が変わっていった。

仕事の為登場し、騎士団の練習や警護その他の書類を終わらし、自宅に帰るそんな毎日だった。

この世界には魔獣がいる。聖獣もいるが、それはめったにお目にかかれない。
基本、我々と魔獣は住んでいる場所が決まっているのだが、時として魔獣が我々の住んでいる場所に出てきて被害が起こることもある。
それは、自然災害時などが多いのだが、時として、魔獣が多く増えた時、餌となる物が無くなり人を襲うのだ。
よって、その時は討伐対照として騎士団が出かける事になる。

まぁ、魔獣ハンターと呼ばれる者達もいるから、ある程度は調整されているのだが……
彼らには彼らなりのルールがあり、遠くの地域で被害があれば出かけたり、増加抑制のために一定量狩り、それを元に武器や薬にするための材料として、ギルドにおろしたりもしている。それらの報告書は騎士団での管轄となり、日々送られてくる。

後、他国とのイザコザは遥か昔はあったようだが、現在はほとんどと言って良いほど見られない。
お互いが牽制しあっているのもあるのだが、魔獣に対しての警護に重点を置いている国が多いせいかもしれないが……

そんな時に、異世界から渡って来たアイリ。
過去の渡り人達に関しての記述にもあったが、こんなにも愛らしい者とは思わなかった。
過去に奪い合いなどもあったようだが、その記事を見た当時はあり得ないと思ったが、納得した。

もう、俺たちの宝物だ。誰にも奪われたくない。
閉じ込めたい衝動に駆られそうになるが、それはするべきではないのはわかっているから、する気はない。
過去に、閉じ込め、誰にも合わせずで壊れてしまった者もいたと記録にもあった。
逃げる渡り人をどう逃がさなかった……みたいなのもあったがな……

コンコンと執務室のドアをノックして入って来たのは双子の片割れだ。

「クロード、仕事終わった？そろそろ帰ろう」
「ガナード、今日は早く終わったんだな。こっちも終わった所だ」

そう言って、テーブルを片付け、帰宅の準備をする。
「アイリが待ってるから、早く帰ろうと思ってね。早く片付けたんだ。急用事項も無かったしね。帰りにアリーズによって行こう。」
「あぁ、良いかもしれないな。あそこの菓子は美味しいから、アイリも喜ぶ」

そう言って、2人で帰宅する。
「クロード、凄く機嫌良さそうだね」
「そういうガナードだって、お前の部下達が言ってたぞ。氷のような叱責が減ったとか……」
「人のこと言えないだろ？」
「まぁな。」
「アイリがいるからかなぁ、イライラが和らぐんだ。陛下がよく呟かれていたのが今では理解できるよ」


レオンハルト。金獅子に変身する皇太子だ。
この国の皇帝は、獅子に変身する獣人だ。獅子の獣人族。
その彼の妻であるアルテーシア。
彼女の父親は皇帝の側近の1人であり、2人は幼なじみだ。
伯爵令嬢という身分と兎の獣人ということもあり、レオンのアプローチをかなり逃げまくっていたが、最後は捕まり皇太子妃となっている。
可愛らしい白兎を追いかける金獅子はなかなかだったが、今では「癒されに帰るよ～」と言って、直ぐに彼女のところに行けるよう政務を頑張っているのだからなぁ……まぁ、もともと優秀なんだけどね。

「アイリが妻になってくれたら………」
「そうだね。アイリとの子供、可愛いだろうな……」

まだ、そんな関係にもなってないのに、もう愛しくて、可愛くて仕方がない。
アイリに自分達のことを知ってもらい、好意を抱いてもらいたい。
自分達のものにしたい………まぁ、逃がさないけど……

そこで、豹の獣人としての気質が出てしまう。
アイリという愛しくて可愛い獲物。
2人で黒く微笑みながら、舌舐めずりしたのは言うまでもないだろう……