竜の国のご都合主義?

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驚きは急にやってくる

捜索と…

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「さて、確かこの辺りだったよな…」
「あぁ、そうだね」
「ここなのですか?」

双子の兄に連れられて訪れた場所。

末っ子の可愛い弟が倒れていた場所。
母は末っ子の看病中。
看病というより介護だな。

熱とか下がっても、なかなか目が覚めなくて、おかげで筋力が少し落ちた弟。
まぁ、過保護でベットの住人にしてしまっている感じがしないでもないが…
だから、介護といった方がスッキリする。

長男は一旦城に報告に行っている。

国内。しかも公爵の敷地内で起こった事だ。
全てが明らかになっての報告の方が本当は良いのだけれど…
情報が曖昧なのは、良くないからね…

なら、何故?
そう、あのバカが屋敷に来たからだ。
あいつは日頃は良くできるヤツなのに、何故か…ポンコツに…

「はぁ…………」

「どうした?」
「何でもないですよ…」
「そっか?そうには見えないけど…あぁ、アレか?心配性だもんなぁ…」

クスクスおかしそうに笑い出す兄と、哀れな視線を送ってくる兄。
くそっ!あのバカのせいだ!!

「それよりも、何か残っていないか探しましょう。兄上、笑ってないで!!」
「「ハイハイ…」」

兄2人の背中を押して、急がせる。
妹は情報を纏めるために屋敷で待機だ。
侍従や騎士達に情報を集めさせてもいるみたいだが…

父上もいるが、屋敷の敷地内で起こった事だから、その辺りを調べているからと、かってでた。
そういう仕事が得意だしな…

双子の兄が、末っ子の魔力や匂いを辿り、見つけた場所。
屋敷から離れた森の石碑の近く。
竜人族である兄だから見つけれたし、ここまで直ぐに来れたのだろう。
ヒト族である自分だと、徒歩か馬を走らせてになるから、いくら魔力で追っても時間がかかる。
移動もそうだし、捜索もだ…

見つけた時には、周囲は小さな光の粒子が側を飛び交っていたらしい。
という事は、自然が豊かで、石碑があるこの場所は、かなり神聖な場所なんだろう。
遺跡や石碑がある場合は神聖な場所が多かったりする。
全てではないけれど…
光の粒子が飛び交うなら、明らかに神聖な場所であると言い切れる。

前に訪れた時は、そこまで感じなかったんだけど…
まぁ、空気が澄んで、聖域ぽいなぁ…ぐらいだったか…
この辺りは魔獣の被害をあまり聞かないなぁ…ぐらいだったか…

石碑の側には綺麗に澄んだ泉があり、リリアンの花が咲き乱れていた。
そよそよと吹き風が心地よい。

「この辺りでカルが横たわってたんだ。特に気になる外傷は無かったし、周りも踏み荒らされた感じも無かった。意識が無かったから、急いで抱いて連れ帰ったんだよな」
「あぁ、妖精は時に魔力を喰ったりするからな…相手の魔力を喰って、力を貸したり護ったりする。場合によっては…考えたくないな…」

あまり害は無いようでも、可愛い弟が単に『喰われる』というのが許せなかったんだろう…
魔力は生命維持に大切だ。枯渇で倒れる事だってあるからな…
それを使って生活したり、守り戦う事だってあるのだから…
量や質にもよるけれど…



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