187 / 269
聖女と巡礼
闇の先(セイクリオン家)
しおりを挟む
「沙也加はいつ目が覚めたの?もう呪いが…」
「ん?実はね。この肉体に戻ったのはつい最近なの。それまでは霊体だけでウロウロしてたのよ。」
「霊体?」
「ふふっ、気がつかなかったかも知れないけどね。あなたの旦那様はご存知よ。ね。」
そう言って笑いながら答えていた。
確かに彼女の事は知っていた。
末っ子の側にいてくれていたという事を。
ただ、妻である優里には伝えていなかったんだ。
沙也加からの口止めもあって…
「アル、どういう事なの?」
可愛い妻がジーッと見つめてくる。
うん、見つめる意図が違うのは理解できるが…これはこれで可愛いと思ってしまう。
うん、いかんな…
「優里、私がお願いしておいたのよ。ほら私、未来視で色々なルートを見てたの知ってるでしょ。その加減でね。ごめんね。」
沙也加が両手を合わせて謝っていた。
本気では…謝ってないなぁ~
「わかった。でも、私だけ仲間外れは嫌よ。」
そう言ってぶつぶつ文句を言っている。
可愛すぎるので、前に置かれているクッキーを一つ取り、愛しい妻の口元に運んだ。
竜人族は、愛しい番に餌付け行為をしてしまうのは、世の常識だ。
『人前だと恥ずかしい』と常日頃言われ続けていてもしてしまう。
可愛いからね…
ジト目で仕方ないと口とを開けてくれて咀嚼してくれた。
子供達は何とも言えない目でこちらを見るが、お前達もこうなるんだからね。
皇太子殿下は羨ましそうに見入っていた。
我が息子を長年求めてきて、逃げ回っていたからね。
用意周到に周りから囲っていたのも知っていたが、最後は自分から懐に入ってくれる事を願っていたなぁ~。
ついつい昔を思い出してしまっていた。
「この子達も大きくなったわね。もう何年会ってなかったかしら。末っ子ちゃんが生まれる前だったものね~」
沙也加がしみじみとそう言っていた。
彼女には呪いのようなものがかかっていた。
はっきり呪いとは言い切れないのだが…
前回の封印時にかかったものらしく、発動したのは我が家の末っ子が生まれる三年ぐらい前か?
彼女の左腕にそのアザが刻まれている。
夫であるエドワードが魔力で押さえ込んでいたが、最終的には発動に至り、眠りについた。
まるで死んだように全てを停止させていたらしい。
その肉体を守るべく彼は皇帝の座を娘に渡して、墓守の如く彼女の身体の側に居たんだ。
「そうそう、この子達は、この世界の神の事、どこまで理解しているのかしら?優里は教えていたの?」
「いいえ、残念ながら伝えることが出来なかったのよ。この世界の二神以外の神の事は…」
「制限がかかっていたせいだろう。今は伝えられそうな気がする。ただし、これもどこまで伝えられるかはわからないが…」
そう脚を組み直して思案する。
「ちょっと待て、この世界は光と闇の神のみだ。それ以外は眷属とされているはずだが?他にも実在するのか?」
この国の皇太子であるから、勿論この世界の宗教関係も熟知している。
教会ではお姿が男性であったり女性であったりと色入りだが…
これは、神には性別が本来なく、現れた場所でのお姿をそのまま像にして祀っているのだ。
その側には基本初代聖女の像のみ設置されているが、教会によっては歴代の聖女の像もある。勿論、その中には沙也加の像も…
今回の聖女はまだ全てを成し遂げていないから作られてはいないが、後には作られるだろう。
本当の聖女であればだ。
「そうね、この世界を創られたのは光と闇の二神。黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神リーミエであり、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神カーミエなの。そして、神にも色々とランクがあるらしくて、この世界以外、そう異世界と呼ばれる多くの世界にそれぞれ創造神がおられるの。大概二神らしいんだけどね。世界によってはこの世界と違い、二神以外もおられるのよ。ちなみに、私が居た世界には多くの神がいたの。国のによって姿や名前が違ったりして、考え方も…まぁよく似ているようで微妙に違っていたりしてね。ちなみに私の国も他国の神も祀っていたけど、神社と呼ばれる所では八百万の神様、多種多様な多くの神様がいると考えられていたの。会った事はないけどね。神社はこっちで言うと神殿かな?詳しくは知らないんだけどね~。まぁそれは横に置いといて、創造神がいるのなら、勿論、破壊神もいるのよ。作った世界が良い方向でいけば良いけれど、やはり負の感情に押されてね。で、場合によってはその破壊神が異世界から来られて破壊。また新たに創るって感じかなぁ。極端に言えば。」
そう言って、一旦紅茶を飲んで喉を潤して、続きを説明し出す。
「神は基本身勝手な所もあるみたいで、退屈で破壊したり、引っ掻き回して楽しむ神も存在するらしいの。この世界では、それがよく伝承される『異世界の扉』なのよね。あれは負の感情が多くなり、魔素が増え、魔素溜まりが増加。魔獣の凶暴化などでさらに魔力が扉に向かうの。結果開いて異世界から干渉される。力が強い神であれば、扉も関係なしで現れる事もあると言ってたわね。実際に現れたんだけどね…」
「それが前回と言うわけですか?」
「そうよ。世界を創った神自身は自分が創った世界を守りたいからと自分の力を使うなんていう干渉があまり出来ないらしくてね。守りたいがために異世界から聖女として、世界を守りうる存在を召喚してきたの。この世界のいわゆる神殿にいる者にその秘技を伝えてね。その国がロザリアン神聖国。で、前回は今までとは違う神が異世界から干渉してきたの。この神も二神でね。一人は破壊を楽しんで、一人はそれを止めに来たの。必要で破壊する分には止める事はあまりしないらしいんだけど、遊びのように楽しむための破壊行為はとね…」
大きくため息を吐く沙也加。
私達がこの事を前回知って唖然としながらも、足掻くように頑張った事を思い出していた。
「ん?実はね。この肉体に戻ったのはつい最近なの。それまでは霊体だけでウロウロしてたのよ。」
「霊体?」
「ふふっ、気がつかなかったかも知れないけどね。あなたの旦那様はご存知よ。ね。」
そう言って笑いながら答えていた。
確かに彼女の事は知っていた。
末っ子の側にいてくれていたという事を。
ただ、妻である優里には伝えていなかったんだ。
沙也加からの口止めもあって…
「アル、どういう事なの?」
可愛い妻がジーッと見つめてくる。
うん、見つめる意図が違うのは理解できるが…これはこれで可愛いと思ってしまう。
うん、いかんな…
「優里、私がお願いしておいたのよ。ほら私、未来視で色々なルートを見てたの知ってるでしょ。その加減でね。ごめんね。」
沙也加が両手を合わせて謝っていた。
本気では…謝ってないなぁ~
「わかった。でも、私だけ仲間外れは嫌よ。」
そう言ってぶつぶつ文句を言っている。
可愛すぎるので、前に置かれているクッキーを一つ取り、愛しい妻の口元に運んだ。
竜人族は、愛しい番に餌付け行為をしてしまうのは、世の常識だ。
『人前だと恥ずかしい』と常日頃言われ続けていてもしてしまう。
可愛いからね…
ジト目で仕方ないと口とを開けてくれて咀嚼してくれた。
子供達は何とも言えない目でこちらを見るが、お前達もこうなるんだからね。
皇太子殿下は羨ましそうに見入っていた。
我が息子を長年求めてきて、逃げ回っていたからね。
用意周到に周りから囲っていたのも知っていたが、最後は自分から懐に入ってくれる事を願っていたなぁ~。
ついつい昔を思い出してしまっていた。
「この子達も大きくなったわね。もう何年会ってなかったかしら。末っ子ちゃんが生まれる前だったものね~」
沙也加がしみじみとそう言っていた。
彼女には呪いのようなものがかかっていた。
はっきり呪いとは言い切れないのだが…
前回の封印時にかかったものらしく、発動したのは我が家の末っ子が生まれる三年ぐらい前か?
彼女の左腕にそのアザが刻まれている。
夫であるエドワードが魔力で押さえ込んでいたが、最終的には発動に至り、眠りについた。
まるで死んだように全てを停止させていたらしい。
その肉体を守るべく彼は皇帝の座を娘に渡して、墓守の如く彼女の身体の側に居たんだ。
「そうそう、この子達は、この世界の神の事、どこまで理解しているのかしら?優里は教えていたの?」
「いいえ、残念ながら伝えることが出来なかったのよ。この世界の二神以外の神の事は…」
「制限がかかっていたせいだろう。今は伝えられそうな気がする。ただし、これもどこまで伝えられるかはわからないが…」
そう脚を組み直して思案する。
「ちょっと待て、この世界は光と闇の神のみだ。それ以外は眷属とされているはずだが?他にも実在するのか?」
この国の皇太子であるから、勿論この世界の宗教関係も熟知している。
教会ではお姿が男性であったり女性であったりと色入りだが…
これは、神には性別が本来なく、現れた場所でのお姿をそのまま像にして祀っているのだ。
その側には基本初代聖女の像のみ設置されているが、教会によっては歴代の聖女の像もある。勿論、その中には沙也加の像も…
今回の聖女はまだ全てを成し遂げていないから作られてはいないが、後には作られるだろう。
本当の聖女であればだ。
「そうね、この世界を創られたのは光と闇の二神。黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神リーミエであり、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神カーミエなの。そして、神にも色々とランクがあるらしくて、この世界以外、そう異世界と呼ばれる多くの世界にそれぞれ創造神がおられるの。大概二神らしいんだけどね。世界によってはこの世界と違い、二神以外もおられるのよ。ちなみに、私が居た世界には多くの神がいたの。国のによって姿や名前が違ったりして、考え方も…まぁよく似ているようで微妙に違っていたりしてね。ちなみに私の国も他国の神も祀っていたけど、神社と呼ばれる所では八百万の神様、多種多様な多くの神様がいると考えられていたの。会った事はないけどね。神社はこっちで言うと神殿かな?詳しくは知らないんだけどね~。まぁそれは横に置いといて、創造神がいるのなら、勿論、破壊神もいるのよ。作った世界が良い方向でいけば良いけれど、やはり負の感情に押されてね。で、場合によってはその破壊神が異世界から来られて破壊。また新たに創るって感じかなぁ。極端に言えば。」
そう言って、一旦紅茶を飲んで喉を潤して、続きを説明し出す。
「神は基本身勝手な所もあるみたいで、退屈で破壊したり、引っ掻き回して楽しむ神も存在するらしいの。この世界では、それがよく伝承される『異世界の扉』なのよね。あれは負の感情が多くなり、魔素が増え、魔素溜まりが増加。魔獣の凶暴化などでさらに魔力が扉に向かうの。結果開いて異世界から干渉される。力が強い神であれば、扉も関係なしで現れる事もあると言ってたわね。実際に現れたんだけどね…」
「それが前回と言うわけですか?」
「そうよ。世界を創った神自身は自分が創った世界を守りたいからと自分の力を使うなんていう干渉があまり出来ないらしくてね。守りたいがために異世界から聖女として、世界を守りうる存在を召喚してきたの。この世界のいわゆる神殿にいる者にその秘技を伝えてね。その国がロザリアン神聖国。で、前回は今までとは違う神が異世界から干渉してきたの。この神も二神でね。一人は破壊を楽しんで、一人はそれを止めに来たの。必要で破壊する分には止める事はあまりしないらしいんだけど、遊びのように楽しむための破壊行為はとね…」
大きくため息を吐く沙也加。
私達がこの事を前回知って唖然としながらも、足掻くように頑張った事を思い出していた。
42
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
いきなり有能になった俺の主人は、人生を何度も繰り返しているらしい
一花みえる
BL
ベルリアンの次期当主、ノア・セシル・キャンベルの従者ジョシュアは頭を抱えていた。自堕落でわがままだったノアがいきなり有能になってしまった。なんでも「この世界を繰り返している」らしい。ついに気が狂ったかと思ったけど、なぜか事態はノアの言葉通りに進んでいって……?
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる