竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
196 / 269

しおりを挟む
ボーツとしながら周りを見渡す。
さっきまでいた部屋とは全然違う。
全体的に白一色の家具や壁。
床も…これって白の大理石だろうか??

自分が今いる場所を眺めながら、必死で情報を集める。


僕は、みんなと会議して、現在の僕に対してとんでもない情報が出回っている事の驚いた。
まぁ、多少は何か言われてると思ってはいたんだけれど、もの凄い悪役となっていた。
今後の事もあり、少し一人になりたいと思って…
その後、そうだ、ディアブロに…

「お目覚めでしょうか?我が主。」

いつのまに姿を現したのか、執事服のディアブロが心配そうに見つめて入ってきた。

「おっ、お前!!」

思わず後ろにずり下がる。
天蓋ベットのヘッドの方にだ。

思わず大きな枕を盾のようにして身構えた。
側から見たら滑稽に見えるだろうが…

「マスター。申し訳ございません。どうしても必要な事だったので…」

ディアブロの頭にしょげてひしゃげる耳が見える。下に落ちてしまう尻尾もだ。
実際には無いはずなんだけども…

声音もかなりしょげていた。

まるで僕が虐めているようだ。実際は、どう見てもディアブロが僕に対して酷い事をしたから怒ってもいいと思うんだけれども…

「どうしても必要ってどういう事?どうしてみんなから急に拉致するように引き離した?」

少し怒りが霧散する。
余りのしょげ具合だ。何だかいたたまれない。

「聞いてくださいますか?と言うか、見て頂きたいものがございまして…他の方々には見せれないものなんです。」

そう言って、いきなり耳がピーンとして、尻尾も…うん、元気になったか?

「マスター。一緒に行こう。」

コソコソと近づいてきたのはディアだ。

「ディアも一緒に?えっと??」

「マスターには見て頂きたいものと、私どもの事もご説明させて頂きたく…」

ディアブロがそう言って、僕の身支度を手伝ってくれた。
さっきまで着ていたのは、いつのまに着替えさせられていたのか、見たこともない寝衣。
まぁ、あの時着ていた服のままで寝るのはどうかと思うけれど…不可抗力だけどね…

白のシャツに黒のズボン。黒のベストとフード付きのジャケット。所々にディの色が刺繍されていた。
華美過ぎずにも、かっこいい。伸縮性もあり、着心地も最高だ。
一瞬魔導士ぽくも思ったりした。

『後、こちらも』とて渡されたのは、黒の手袋だった。

鏡に映る姿を見ながら…無い…

「ディアブロ、ディア。僕がいつも着けていた…」
「彼の方から贈られていたものやその他全てこの地に入る前に…」
「入る前に?」
「申し訳ありません。消失いたしました。壊れて、消え去りまして…それは私のせいではありませんよ。私が主人の物を破壊することなんて…滅多にありません!」

滅多にないって…場合によっては破壊するんだ…

思わずツッコミそうになる。だが、今回はディアブロが破壊した訳でもないようだ…

「えっとですね…この場所に追跡して来られてもいけないと…」

どうも、神アルメルアの仕業のようだ。

この世界を作った光と闇の二神。
あの時、石碑で見た言葉を僕に贈ってきた光の神リーミエと闇の神カーミエの上司的存在の上位神。
異世界から来たと言う少女の姿の神で、『我(ワレ)』と、独特の言葉遣いをするあの神のせいだと言い訳のように説明された。あの神には、神シルメールという神アルメルアの双子神がいて、前回の扉騒動は、この双子神が多いに関係していたらしい。
しかも、神シルメールは神アルメルアから逃げたとか。
そのせいで、今回影響されているとか。

そんな事、ゲーム設定してないし、アニメにも無かったはずだ。
いゃ、もしかしたら、自分が死んだ後に…
あくまで…だけどね…

「マスター。ではこちらにお座り頂き、見てくださいますか?」

そう言って案内され、一つだけ置かれた椅子に座る。
そして、見たものは…


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...