番になんてなりたくない!

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怪しい気配

南のクロランス領に

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南のクロランス領に行く準備が整い、城を出る。
クロランス領を行く前に、ルンバード領を通る予定だ。

ルンバード領。
その領主であるカルロス・ルンバード伯爵は以前少し指導したんだよね。
決済報告書や、その他で明らかな不正が見られ、追求したんだ。
いや~あの時の場面は今も覚えている。

「他の者もしてるのに!!」

何て悔しがってたけどね。
不正せずとも安定供給に勤めれるようにアドバイスもしたし、住民の声を聞けれるようにと、その町や村にお知り合いを作って、手紙のやり取りをする様にした。

そうそう、あの時は少し焦った。
勉強のための視察と銘打って訪れた屋敷。
少しだけ不正の証拠をチラつかせたんだ。そしたら子供と侮られて、泊めてもらった離れの屋敷が襲撃されて、放火。
助けるフリして殺されかけた。でも、優秀な護衛件執事のクロさんと、いつのまにか契約したカルディオンことカルの防御で助かった。
そして、そのまま証拠全てを見せ、『不正』『王族殺害未遂』などで、脅し、結果、住民の為にきちんと治めること、結果を出すことで許した。

もっと厳しい処置の方が良かったのでは?とクロさんに言われたけど、まぁ、他の不正をしている者達。特にあの大臣についてたからなぁ……両方からの圧力の方が……って言ったら納得してた。
ふふっ……少し意地悪皇子?

あぁ、リリィは別の用事で、留守番(お城で)してたんだ。
後でこんな感じで………って報告会のように話すと怒り出した。「そんな危険なことしたらダメだ!よく無事だったよ。結果良ければ良いとは言えないんだぞ!!」って……

怒る顔も可愛かったんだけど、言葉がだんだん男性なるから怖かったなぁ……
シロさんが止めてくれて良かったよ。
私は男だから、多少は大丈夫だと思ったんだけどね。
クロさんもいるし、カルもいるしさ……



「ウィル、例の手紙届いてたぞ」

城を出る直前に受け取っていた様だ。
馬車の中で読む。

「ありがとう。クロさん。ん~~~」

手紙を見て、笑みが溢れる。

「リリィ、見る?」
「勿論!」

手紙をそのままリリィに渡す。
ルンバード伯爵領の領民からの手紙と、ルンバード伯爵自身からの手紙だ。

領民からは、領主が備蓄解放してくれたため、食料不足には落ちいらずに済んだこと。
領主が良くしてくれて感謝してる。
少し昔が嘘の様だと喜びを記されていた。

ルンバード伯爵からは、今年の生産は少し厳しく、代わりの織物などの生産が領民の手を使って上手くいっているという報告と、クロランス領の近くで樹々の伐採が異常に行なわれている事。
風邪の様で、少し様子が違う病気が流行している様だ……との懸念の内容だった。

あらかじめ、クロさんが集めてきた情報と一致している。

樹々の伐採が……やり過ぎると色々支障が起こるんだが……流行病の原因も……
とにかく、行くしかないよね。

やるだけ頑張らないと……

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