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怪しい気配
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クロさんに叩き起こしてもらってからは、あの夢は見なかった。
あんな未来はごめんだ。
もともとモブで、いろんなフラグを抱えている。
少しでも逃れたくて、そしてこの国の役に立つように頑張ってきてるのだから……
気になるのはあの山。
いつかあそこから来られたら、ひとたまりもない。
誰も来るとは思ってないのだから……
その考えでは、やがて窮地に陥る。
とは言え、何も資金がなければどうしようもないのも事実。
塩の事業が上手くいけば良いが……
いや、上手く活かせるさ。
うん、大丈夫。
起きて、クロさんにお世話され、リリィと共に朝食をいただく。
決して豪華ではないけれど、それでも準備してくれただけでありがたかった。
作物があまり取れてない現状で、もてなしてくれているのだから…
「ウィル、今日はどうするの?」
「そうだなぁ~~温泉探索したいんだけどね。後、知り合いの商人とかいないかなぁ。もしくは、商売上手な人。」
「クロさんの知り合いとか……いそうだけど……」
リリィがクロさんに話題をふる。
「商人か?いない事もないが……」
クロさんが何か考えている。
昔の知人か何かか?
気になる……
「いるの?私の知ってる人?知らない人?」
「知らないと言えば……知らないだろうし、知っていると言えば知っているか…」
「はっきりしないね。」
「少し癖があるからなぁ……まぁ、ウィルやリリィの事興味持っているやつだから……」
「誰!?」
「連絡はしておく。来るか来ないかは奴次第だ。あまり期待するなよ。」
「クロさんがそう言うなら、大丈夫だね。」
そう話しながら、食事を終え、温泉探しに行くことにした。
ある程度準備して、馬で進む。
自分で馬に乗れるのに、今日はクロさんと同乗だ。
昨晩の夢の影響か?
少し心配しすぎのようにも思えたが、今は子供だから、まぁいっかと考えた。
意外と単純思考である。
「悪魔の水とか、霧とか言われてるんだよね、ここ。」
「悪魔の水とか、怖いね。」
「卵が腐ったみたいな匂いがするんだ。で、一部物凄く熱すぎる水が湧き出て、時に高く立ち上り、霧状にあたりがなるとか……」
「本当、少し臭いね。やっぱり、硫黄?」
「多分ね。で、源泉は何処なんだろうな。シロさん、わかる?」
予定地について、馬から降ろしてもらう。
馬って、背が高いだろ?まぁ、低いのもいるけどね。
で、子供だから、自分で降りるのはダメだと怒られた。
やっぱり、過保護だ!!
シロさんが地面に触れながら、何かを探っている。
探索魔法を使っている時のシロさん。
少し光ってて綺麗だと思うよ。
余談だけど……
本人に言ったら怒られそうだ……
光が消えて、シロさんが立ち上がる。
「どう?」
「そうですね。かなり高熱の液体を感じます。多分ウィルやリリィが言っている源泉かと。それから少し離れた場所で、少し温度が下がっているところがありますよ。」
「本当?そこ行きたい。」
「わかりました。そうそう、多分、ウィルやリリィが言っている間欠泉ですか?それらしき物が吹き出している所も見つけました。」
「やった。そうしたら、温泉作れるね。源泉は見学のみの観光名所にして……」
「通称、地獄温泉ですか?昔の日本の温泉を思い出すね。」
「地獄めぐりかな?」
「そうそう」
リリィと2人で盛り上がる。
イメージはできてる。
きちんと見つけて、整備して、温泉をうたい文句に観光地。
地熱もあるだろうから、それを利用して、温室栽培もどきだ。
そうすれば、この地も少し潤う。
そして、山の雪解け水を引いて、土地を潤し、雪解け水を確保するときに、この山々の頂上になんとか防壁か要塞もどきを作れば、侵略にも備えられるんじゃないかなぁ…
今、どうにか塩を作っているから、クロさんの紹介で販売ルートを確保して……
「ウィル、楽しそうだね。」
「そうだね。全てが上手く行ったら良いんだけどね。最悪パターンも考慮して進めていこうと思うよ。」
「そうだね。そのパターンも考えとかないと、いざと言う時困るものね。」
そう話しながら、シロさんの後をついて行った。
良い方向に進みますように。
あんな未来はごめんだ。
もともとモブで、いろんなフラグを抱えている。
少しでも逃れたくて、そしてこの国の役に立つように頑張ってきてるのだから……
気になるのはあの山。
いつかあそこから来られたら、ひとたまりもない。
誰も来るとは思ってないのだから……
その考えでは、やがて窮地に陥る。
とは言え、何も資金がなければどうしようもないのも事実。
塩の事業が上手くいけば良いが……
いや、上手く活かせるさ。
うん、大丈夫。
起きて、クロさんにお世話され、リリィと共に朝食をいただく。
決して豪華ではないけれど、それでも準備してくれただけでありがたかった。
作物があまり取れてない現状で、もてなしてくれているのだから…
「ウィル、今日はどうするの?」
「そうだなぁ~~温泉探索したいんだけどね。後、知り合いの商人とかいないかなぁ。もしくは、商売上手な人。」
「クロさんの知り合いとか……いそうだけど……」
リリィがクロさんに話題をふる。
「商人か?いない事もないが……」
クロさんが何か考えている。
昔の知人か何かか?
気になる……
「いるの?私の知ってる人?知らない人?」
「知らないと言えば……知らないだろうし、知っていると言えば知っているか…」
「はっきりしないね。」
「少し癖があるからなぁ……まぁ、ウィルやリリィの事興味持っているやつだから……」
「誰!?」
「連絡はしておく。来るか来ないかは奴次第だ。あまり期待するなよ。」
「クロさんがそう言うなら、大丈夫だね。」
そう話しながら、食事を終え、温泉探しに行くことにした。
ある程度準備して、馬で進む。
自分で馬に乗れるのに、今日はクロさんと同乗だ。
昨晩の夢の影響か?
少し心配しすぎのようにも思えたが、今は子供だから、まぁいっかと考えた。
意外と単純思考である。
「悪魔の水とか、霧とか言われてるんだよね、ここ。」
「悪魔の水とか、怖いね。」
「卵が腐ったみたいな匂いがするんだ。で、一部物凄く熱すぎる水が湧き出て、時に高く立ち上り、霧状にあたりがなるとか……」
「本当、少し臭いね。やっぱり、硫黄?」
「多分ね。で、源泉は何処なんだろうな。シロさん、わかる?」
予定地について、馬から降ろしてもらう。
馬って、背が高いだろ?まぁ、低いのもいるけどね。
で、子供だから、自分で降りるのはダメだと怒られた。
やっぱり、過保護だ!!
シロさんが地面に触れながら、何かを探っている。
探索魔法を使っている時のシロさん。
少し光ってて綺麗だと思うよ。
余談だけど……
本人に言ったら怒られそうだ……
光が消えて、シロさんが立ち上がる。
「どう?」
「そうですね。かなり高熱の液体を感じます。多分ウィルやリリィが言っている源泉かと。それから少し離れた場所で、少し温度が下がっているところがありますよ。」
「本当?そこ行きたい。」
「わかりました。そうそう、多分、ウィルやリリィが言っている間欠泉ですか?それらしき物が吹き出している所も見つけました。」
「やった。そうしたら、温泉作れるね。源泉は見学のみの観光名所にして……」
「通称、地獄温泉ですか?昔の日本の温泉を思い出すね。」
「地獄めぐりかな?」
「そうそう」
リリィと2人で盛り上がる。
イメージはできてる。
きちんと見つけて、整備して、温泉をうたい文句に観光地。
地熱もあるだろうから、それを利用して、温室栽培もどきだ。
そうすれば、この地も少し潤う。
そして、山の雪解け水を引いて、土地を潤し、雪解け水を確保するときに、この山々の頂上になんとか防壁か要塞もどきを作れば、侵略にも備えられるんじゃないかなぁ…
今、どうにか塩を作っているから、クロさんの紹介で販売ルートを確保して……
「ウィル、楽しそうだね。」
「そうだね。全てが上手く行ったら良いんだけどね。最悪パターンも考慮して進めていこうと思うよ。」
「そうだね。そのパターンも考えとかないと、いざと言う時困るものね。」
そう話しながら、シロさんの後をついて行った。
良い方向に進みますように。
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