番になんてなりたくない!

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怪しい気配

城に戻り

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リリィと馬車に揺られて城に戻る。
先ぶれを出していたから、着いた時には、城のもの達が迎えてくれた。
忙しいのにね。

疲れを取る事もふまえ、自室の浴室に向かいゆったりとする。
持ち帰ったバスソルトを少し入れて、ゆったりとした。

着替えてから、リリィと共に父上や兄上の元に行く。
謁見の間で、壇上の上にある皇帝エドワード・ルゼリア。
ガルディアン大陸に位置する大国。ルゼリア皇国の皇帝で父親だ。
その横に皇太子である兄、エドモンドが立っていた。

父と兄に礼をとり、無事帰還した事を伝える。

「ウィルバーン・ルゼリア。無事戻りました。」
「リリアーナ・ルゼリア。無事戻りました。」

「2人とも、無事帰ってきてくれて、嬉しいよ。」

穏やかに笑いながらも、皇帝としての威厳のある父。
父が配下の者達に席を外すよう指示する。

室内に家族4人だけになると、壇上から降りてきて抱きしめられた。

「心配したんだよ。無理はしてないかい?」
「ほんと、お前達の行動力には驚かされるよ。もう少しで母上が飛んで帰ってくる勢いだったんだぞ。体調崩したままなのに……」

兄上からは、拳骨が降ってきた。

「「痛っ」」
「痛じゃない!」
「ごめんなさい~~」

兄が苦笑いしている。

「エド。そのくらいで良いだろう。無事に帰ってきたんだから。お前達の活躍も成果も聞いている。ありがとう。よく頑張ったね。」
「父上、甘すぎますよ。まぁ、結果的には良かったですけどね。心配するこちらの身にもなってください。」
「まぁ、そうだけどね。ここで長話するのも何だし、詳しい事も聴きたいから、後で執務室に来なさい。お茶でもしながら、ゆっくり話そう。」

そう言って、私とリリィの頭を撫でてくれた。

「父上、兄上、お土産を持って帰ってきたんです。後でお部屋に持っていきますね。」
「それは楽しみだ。勿論、報告書も持ってきてくれるんだろう?」
「はい。準備出来てますので、見てくださいね。」

そう話し、謁見を終わらした。
一度部屋に戻り、クロさんとシロさんにお土産のお塩グッズ各種を持ってもらう。
その足で、父上の執務室に向かった。

ノックをし、入室許可をもらう。
皇帝である父の第一専属執事兼護衛のジュドーが、ドアを開けて、入室を促してくれた。
父上は執務机から立ち上がり、ソファーに移動した。

兄は窓辺から外を見てたようだが、父と同じで、ソファーに移動し父が座るよう指示されてから、私たちと一緒に座った。

ジュドーがお茶とお菓子を準備してくれて、美味しくいただく。
うん、美味しい。

「ウィル。リリィ。それで、向こうはどうだった?」

そうそう、ただ単にお茶しに来たんじゃなかった。
ついつい和みそうになる。

クロさんに渡していた報告書を受け取り、父上に渡し、シロさんに渡していたお土産を受け取って、テーブルの空いたところに置いてみた。

普通の塩と、ハーブソルト。入浴用のバスソルトとマッサージソルト。

父上がパラパラと報告書に目を通して、兄に渡す。
兄もパラパラと目を通して、大きなため息をついた。
書類は父の背後に控えていたジュドーが受け取り、父上の執務机に置いていた。

「ウィル、リリィ……」

怒られる?さっき怒られたから、怒らないよね?



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