番になんてなりたくない!

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新たな影

悪夢だったか…

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できる限りの抵抗をしようとするも、うまく行かず、頬に涙が伝うだけ…

嫌だ……何処で間違った…
クロ…………………




「ウィル…ウィル…我が君…大丈夫ですか?」

心配そに覗き込む瞳に安堵する。
あぁ…夢だったのか………

ゆっくりとソファーから起き上がる。
この後、父上や、兄上に呼ばれていたんだ。

かの帝国からの婚姻の取り下げ(兄上が婚姻することになったからな……)の件と、今後の事について。
クロさんが爵位を得て、一緒になれると言う話と、かの組織が私を狙っているかもしれないから、注意するように…だったか…

あの夢が正夢にならなければ良いのに…
私に子供を孕ませて、自分たちの私欲に使うため…
そんな事は許せるはずがない。


この世界では、同性同士でも、子供を持つことができる。
クロさんとの子どもなら……

「我が君?」
「ううん、何でもない。大丈夫だから」
「そう言えば、犬達から、例の団体に関しての報告が届いてます。後、レガリア教団について、不審な点があるとの事。読まれますか?」

そう言って、渡される報告書を見る。

あの夢が、下手したら現実になりそうな…そんな内容だった。

「クロさん。」
「大丈夫ですよ。殿下を危険な目にあわせませんし、例えあわせてしまっても、絶対に助けて、護ります」
「うん。期待してるよ。」
「夢の中で、お助けできず、すみません。」

どう言う事?起こすタイミングって事かな?
夢なのだから、いくらクロさんでも助けに来るのは難しいのでは?

そんな事を一瞬考えてしまったが…

「ウィル。あまりお待たせしても…」
「そうだね。行こう」

そう言って、自室を出た。
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