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第四話リディア・アスカルト
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私の名前はリディア・アスカルト。アスカルト伯爵家の三女です。
私は生まれつき髪と肌が白く、紅い瞳でした。そして陽の光に弱く、直射日光を浴びるとすぐに肌が赤くなってしまうのです。
そのため、周りからは『魔女』や『呪われた子』などと云われて育ちました。
お母さまは「普通に産んであげられなくてごめんなさい。でもいつかあなたを受け入れてくれる人が必ず現れるからね」
といつも云ってくれました。
そんな人がいるわけがないと心の中で思っていました。
しかし、お母さまの云った通り現れたのです。
それは、お城のパーティーに招待された時のことでした。
メアリー皇女の10歳のパーティーだそうです。
そんな華やかな場になど行きたくはなかったのですが、お姉様たちはみんな用事があり行けないと云われてしかたなく私が行くことになったのです。
すると案の定、私は他の令嬢たちに連れて行かれました。
いつものことです。悪口を云われて罵られて、ちょっと叩かれれば飽きるはずです。
しかしこの日は違いました。
「なんであんたみたいな魔女が姫のパーティーなんか来てるわけ?」
「姫が呪われたらどうすんの?」
いつものように罵られていた時でした。
「今どきの貴族のご令嬢は寄ってたかって一人の少女を責めるのが流行ってるのかな?」
話しかけてきたのはなんとこの城の主、レアード王子でした。
「王子!?」
「レアードさま!?」
突然の王子の登場に驚く少女たち。
「僕の城で不埒な真似は許さないよ?今回は見なかったことにしてあげるから一刻も早く消えてくれないかな?」
「は、はい!すみませんでした!」
私を虐めていた少女たちは脱兎の如く逃げ出しました。
助けてくれた?私なんかを・・・?
「全く・・・どこの世界もイジメってあるんだね。君、大丈夫?」
「は、はい!ありがとうございます!」
王子に訊ねられ慌てて返事をする。
「綺麗な目・・・」
え?聞き間違いだろうか・・・。
ちょっと聞いてみることにしました。
「あの、王子は私のこと気持ち悪くないんですか?」
「気持ち悪い?どうしてそう思うの?」
「だってみんな私を見て気持ち悪がります。この老婆のような白い髪に血のような紅い瞳・・・みんな私を魔女と呼びます」
昔からずっと云われ続けてきたことです。
「それはみんな見る目がないんだね。君のそのサラサラの輝く銀髪も、まるで宝石のような真紅の瞳もとても綺麗で美しいと思うよ。何よりすごく可愛い」
王子のその言葉に私の紅い瞳は熱を帯びたかと思うと、溢れんばかりの液体が流れ出てきました。
「嬉しいです・・・そんなことを云われたのは生まれて初めてです」
ああ、お母さま。お母さまの云ったことは本当でした。
「君は綺麗なんだから自信を持っていいよ。またいじめられたら僕が追っ払ってあげるからさ」
ああ、なんて素敵な方なんだろう。
(お慕いします、王子さま)
「ありがとうございます・・・王子さま」
「レアードでいいよ。君の名前は?」
「リディアです。リディア・アスカルトといいます」
私が名乗るとレアードさまは何故か黙り込んだ。
「あの、レアードさま?」
「あ、いや。何でもないよ。せっかく出会えたんだ、友達になろう」
「よろしいんですか!?」
「もちろん。君はこの世界での初めての友達だ」
「この世界?」
「いや、こっちの話だよ。気にしないで。いつでも遊びに来てくれ」
「はい!」
こうして私は一国の王子に恋に落ちてしまいました。
私は生まれつき髪と肌が白く、紅い瞳でした。そして陽の光に弱く、直射日光を浴びるとすぐに肌が赤くなってしまうのです。
そのため、周りからは『魔女』や『呪われた子』などと云われて育ちました。
お母さまは「普通に産んであげられなくてごめんなさい。でもいつかあなたを受け入れてくれる人が必ず現れるからね」
といつも云ってくれました。
そんな人がいるわけがないと心の中で思っていました。
しかし、お母さまの云った通り現れたのです。
それは、お城のパーティーに招待された時のことでした。
メアリー皇女の10歳のパーティーだそうです。
そんな華やかな場になど行きたくはなかったのですが、お姉様たちはみんな用事があり行けないと云われてしかたなく私が行くことになったのです。
すると案の定、私は他の令嬢たちに連れて行かれました。
いつものことです。悪口を云われて罵られて、ちょっと叩かれれば飽きるはずです。
しかしこの日は違いました。
「なんであんたみたいな魔女が姫のパーティーなんか来てるわけ?」
「姫が呪われたらどうすんの?」
いつものように罵られていた時でした。
「今どきの貴族のご令嬢は寄ってたかって一人の少女を責めるのが流行ってるのかな?」
話しかけてきたのはなんとこの城の主、レアード王子でした。
「王子!?」
「レアードさま!?」
突然の王子の登場に驚く少女たち。
「僕の城で不埒な真似は許さないよ?今回は見なかったことにしてあげるから一刻も早く消えてくれないかな?」
「は、はい!すみませんでした!」
私を虐めていた少女たちは脱兎の如く逃げ出しました。
助けてくれた?私なんかを・・・?
「全く・・・どこの世界もイジメってあるんだね。君、大丈夫?」
「は、はい!ありがとうございます!」
王子に訊ねられ慌てて返事をする。
「綺麗な目・・・」
え?聞き間違いだろうか・・・。
ちょっと聞いてみることにしました。
「あの、王子は私のこと気持ち悪くないんですか?」
「気持ち悪い?どうしてそう思うの?」
「だってみんな私を見て気持ち悪がります。この老婆のような白い髪に血のような紅い瞳・・・みんな私を魔女と呼びます」
昔からずっと云われ続けてきたことです。
「それはみんな見る目がないんだね。君のそのサラサラの輝く銀髪も、まるで宝石のような真紅の瞳もとても綺麗で美しいと思うよ。何よりすごく可愛い」
王子のその言葉に私の紅い瞳は熱を帯びたかと思うと、溢れんばかりの液体が流れ出てきました。
「嬉しいです・・・そんなことを云われたのは生まれて初めてです」
ああ、お母さま。お母さまの云ったことは本当でした。
「君は綺麗なんだから自信を持っていいよ。またいじめられたら僕が追っ払ってあげるからさ」
ああ、なんて素敵な方なんだろう。
(お慕いします、王子さま)
「ありがとうございます・・・王子さま」
「レアードでいいよ。君の名前は?」
「リディアです。リディア・アスカルトといいます」
私が名乗るとレアードさまは何故か黙り込んだ。
「あの、レアードさま?」
「あ、いや。何でもないよ。せっかく出会えたんだ、友達になろう」
「よろしいんですか!?」
「もちろん。君はこの世界での初めての友達だ」
「この世界?」
「いや、こっちの話だよ。気にしないで。いつでも遊びに来てくれ」
「はい!」
こうして私は一国の王子に恋に落ちてしまいました。
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