複垢調査官 飛騨亜礼 ≪短編連作版≫

坂崎文明

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第四章 僕の彼女はアンドロイド/複垢調査官 飛騨亜礼2 TOKOYO DRIVE

タイムループ

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「へえ、未来で僕は<APアンドロイドポリス>をやってるんだ?」

 メガネは自分の未来の事なので興味深く聞いていた。
 そこはWeb小説投稿サイト<作家でたまごごはん>の会議室であった。

 荒唐無稽な話だが、メガネは安倍晴明、安東要と信長の時代に行ったことがあるので、まあ、そういう事もあるかなと考えていた。

 その考えは実はかなり異常なのだが、神楽舞も最近までメガネに憑依していて復活した織田信長の接待とかやってた関係上、別に不思議にも思わなかった。

「それって、タイムループってやつじゃない?」

 神楽舞はまた厄介な奴が迷い込んできたと思いつつ、ついつい不思議な話は好きだったので誘い込まれつつあった。

「タイムループていうより、タイムスリップというか、タイムトラベルだと思いますが」

 ライトはアンドロイド<エリィ>と兄弟のような金髪で、碧色の瞳を細めて冷静に指摘する。 

「そうね。ループはまだ・・してないものね」 

「舞さん、ちょっと変なこと言うのはやめて下さいよ。舞さんの場合、言霊の力が強いので予言になっちゃいますよ」

 メガネはテーブルの上のみたらしだんごをアンドロイドのエリィちゃんに勧めながら、不吉な発言をしてしまった自分に驚いた。

「そんなつもりないのよ。ただ、頭に言葉が浮かんじゃって………」

 舞はそう言い放った自分に思わず汗をかきはじめていた。

「それが一番、まずいパターンですよ」

 メガネも嫌な予感しかしない。

「確かに。この前は織田信長が来たりしたもんね」

 舞はついつい余計な事を口走ってしまう。
 口に手を当てているが、もう遅い。

「信長殿が?」

 エリィちゃんが妙に古風なしゃべり方をした。
 何か本人を知ってるような口振りである。

「いやいや、冗談ですよ。もちろん」

 メガネは上手くフォローする。

「あ、エリィはちょっと初期言語設定を間違えまして、変なしゃべり方ですいません」

 ライトもまさか古代の女神がエリィに憑依してるなどと言える訳もなく、適当に誤魔化した。

 お互い妙な空気が流れたが、何とか話は元に戻る。
 双方とも秘密を抱えていたので、ここは上手く納めたかったのだ。

「で、当分、未来に帰れそうもないので、少しここでご厄介になっていいでしょうか?」

 ライトは図々しいとは思ったが、思い切って頼んでみた。

「そうですね。舞さん、大丈夫ですよね?」

「―――まあ、仕方がないわね。少しの間なら」

 舞は渋々ながら承諾した。
 これを利用して織田信長を追い出す陰謀も巡らせていた。

「良かった。助かります」

 ライトはひとまず一息ついた。



   †



「メガネ君、全く、あなたは厄介な人ばかり拾ってきて困ったものね」

 会議室のドアを閉めて廊下に出てからしばらくして、舞は、小言を言い始めた。

「僕のせいじゃないし、仕方ないじゃないですか、舞さん」

 メガネも言い訳をしたくなった。

「確かにそうだけど、例の人はどうするの?」

「まあ、僕のアパートにでも引き取りますよ」

 信長のことであるが、何かそれも気が重いのだが仕方ない。

「なら、結構、それは助かるわ」

 本当にいい笑顔をする神楽舞であった。
 これでトラブルの種がひとつ減ったので、少し嬉しくなったのだ。

「そういえば、例の人はどこに居るの?」

「すでに僕の家でゲーム大会に参加してます」

「まさか……」

「もちろん、<刀剣ロボットバトルパラダイス>ですよ」

 メガネはやりきれない表情で答えた。



   †



「常世岐姫命さま、これからどうしましょうか?」

 とりあえず、ここに置いて貰えそうだったが、さすがのライトも途方に暮れていた。

「いや、そんなに落胆することはない。信長公が復活しているのは・・・・・・・・なかなかいい知らせですよ」

 エリィは謎めいた口振りで話しはじめた。

「それはどういうことなんですか?」

 ライトは当惑しながら聞き返した。

「そろそろ、ライト君にも真相を話しておきましょうか。私の使命と役割を」

 エリィの碧色の瞳が瞬いた。

「時間もあることだし、長い長い昔話をしましょうか」

 そして、エリィの姿をした常世岐姫命はゆっくりと語りだした。
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