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1話
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「一体どういうつもりだ! 前もって言っておいただろ!
王太子殿下が屋敷に来るから余計なことはするなと。
なのにお前は呑気に畑を耕しやがって……!
お前のせいで俺が恥をかいただろうが!
あぁ……っ、くそ……! お前みたいな芋女は大嫌いだ! お前との婚約は破棄する。
今すぐこの屋敷から出て行け!」
……と、そう怒鳴られましても…………。
どうして怒っているのか、まったくわかりません。
私はただ趣味である土いじりをしていただけだし、別にそれが恥ずかしいわけでもないと思うし……。
それに、
「婚約を破棄するって言っても、結婚式はもうすぐそこまで迫っているのですよ?
もしかして、キャンセルなさるのですか? 式場のキャンセル料金も高いでしょうし、招待している方たちにはどのように説明するのです?」
まぁ、私としては婚約を破棄されても構いません。
しかし、さっき言ったように、ほかの方に迷惑がかかるようなことはしたくないのですけれど……。
「ハッ、バカかお前は。俺が何の対策もなしに、婚約破棄を言い渡すわけないだろう?
俺はお前の妹――シスと婚約を結び直し、結婚する!
これは、前々から2人で話し合っていたことだ。
お前との結婚式を、2人の式にしようってな!」
「そ、それだけはやめた方がいいです。
あの子と結婚するのだけは、本当に。
確かにあの子は可愛いし、表向きはいい子です。
ですが、あの子は――」
「――あー、はいはい。そういうの、見っともないから。
俺との婚約破棄が嫌だからって、自分の妹にケチつけるとか、ほんとお前はクズだな。
これだから芋女は嫌なんだよ!」
ち、違うのに……。私はこの人のことなんてまったく愛していませんし、事実を言っているだけ。
あの子は……私の妹はもう首が回らないぐらい、いろいろな所からお金を借りていて。
そのせいで、何人もの恋人から捨てられてる。
そして、次の被害者は婚約者のあなただって、言いたかっただけなのに……。
まさか、もうここまで根回しされていたなんて。
もう、婚約者はダメです。
妹は借金すべてこの人に押しつけるつもりだし、結婚した暁にはさらに借金をするつもりです。
あの子はもの凄い金遣いが荒いから……。
というか、妹とどこで知り合ったのかしら?
妹はとっくに、家を勘当されているのに……。
あれから、本当に私は屋敷を追い出され、婚約者は妹と結婚してしまった。
風の噂で聞いた話では、元・婚約者の屋敷にあった財産は、すべて借金返済で消えたそう。
どれだけ借金してたの、あの子……。と、戦々恐々していたのは束の間、やっぱりすぐに借金し始めた……。
絶対、元・婚約者は破産寸前だから、夜逃げする日もそう遠くないかもしれない。
……なんて。
他人事のように思う、他人になった私は今、あの日屋敷に来ていた王太子と良好な関係を築いています。
ほら見たことか。やっぱり、土いじりは恥ずかしいことじゃないし、好きだとも言ってもらえた。
だから、私は今、とても幸せです!
~完~
王太子殿下が屋敷に来るから余計なことはするなと。
なのにお前は呑気に畑を耕しやがって……!
お前のせいで俺が恥をかいただろうが!
あぁ……っ、くそ……! お前みたいな芋女は大嫌いだ! お前との婚約は破棄する。
今すぐこの屋敷から出て行け!」
……と、そう怒鳴られましても…………。
どうして怒っているのか、まったくわかりません。
私はただ趣味である土いじりをしていただけだし、別にそれが恥ずかしいわけでもないと思うし……。
それに、
「婚約を破棄するって言っても、結婚式はもうすぐそこまで迫っているのですよ?
もしかして、キャンセルなさるのですか? 式場のキャンセル料金も高いでしょうし、招待している方たちにはどのように説明するのです?」
まぁ、私としては婚約を破棄されても構いません。
しかし、さっき言ったように、ほかの方に迷惑がかかるようなことはしたくないのですけれど……。
「ハッ、バカかお前は。俺が何の対策もなしに、婚約破棄を言い渡すわけないだろう?
俺はお前の妹――シスと婚約を結び直し、結婚する!
これは、前々から2人で話し合っていたことだ。
お前との結婚式を、2人の式にしようってな!」
「そ、それだけはやめた方がいいです。
あの子と結婚するのだけは、本当に。
確かにあの子は可愛いし、表向きはいい子です。
ですが、あの子は――」
「――あー、はいはい。そういうの、見っともないから。
俺との婚約破棄が嫌だからって、自分の妹にケチつけるとか、ほんとお前はクズだな。
これだから芋女は嫌なんだよ!」
ち、違うのに……。私はこの人のことなんてまったく愛していませんし、事実を言っているだけ。
あの子は……私の妹はもう首が回らないぐらい、いろいろな所からお金を借りていて。
そのせいで、何人もの恋人から捨てられてる。
そして、次の被害者は婚約者のあなただって、言いたかっただけなのに……。
まさか、もうここまで根回しされていたなんて。
もう、婚約者はダメです。
妹は借金すべてこの人に押しつけるつもりだし、結婚した暁にはさらに借金をするつもりです。
あの子はもの凄い金遣いが荒いから……。
というか、妹とどこで知り合ったのかしら?
妹はとっくに、家を勘当されているのに……。
あれから、本当に私は屋敷を追い出され、婚約者は妹と結婚してしまった。
風の噂で聞いた話では、元・婚約者の屋敷にあった財産は、すべて借金返済で消えたそう。
どれだけ借金してたの、あの子……。と、戦々恐々していたのは束の間、やっぱりすぐに借金し始めた……。
絶対、元・婚約者は破産寸前だから、夜逃げする日もそう遠くないかもしれない。
……なんて。
他人事のように思う、他人になった私は今、あの日屋敷に来ていた王太子と良好な関係を築いています。
ほら見たことか。やっぱり、土いじりは恥ずかしいことじゃないし、好きだとも言ってもらえた。
だから、私は今、とても幸せです!
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