最強師匠ズ、才能なしチートなしの私を育てる

ノミ

文字の大きさ
13 / 100

十三話 ボクも師匠に! ③

しおりを挟む
「次来ないの?」

 リザードマンをいとも簡単に倒し、隠れていたのに私達を見つけたその子。

「いやー、お見事お見事。実に良いものを見せてもらった」

 パチパチと手を叩きながら草むらから出てその子の元へと近づいて行くシオンさん。どうしたらいいのか分からなかった私はとりあえずシオンさんについて行くことにした。

「うわっ……! か、可愛い……!」

 思わず言葉が溢れた。その子へ近づいて行き顔がよく見えるようになった時、意識せずそう私は呟いていた。

 透き通りまるで宝石の様に青く輝き、くりくりのお目目。男の子のような短めだけどサラサラの銀に光る髪。幼い顔立ち。可愛いっ! なんだろう、なでなでしてよしよししたくなる!

「……ボクに何か用?」

 その子はかなり私達を怪しんでいるようだった。うん、そう思われるのも無理はないよね。この森の中には人なんてほとんど居ないし、何よりシオンさんが怪し過ぎる。怪し過ぎるって言うか胡散臭い。私? 私は大丈夫。だって、何も言ってない。見てるだけ。……グヘヘ。

「用? そんなものはねえけど? 俺たちは偶々通りかかっただけだ。偶々通りかかって面白そうなことやってるから見させて貰っただけだ」

 ものすごく軽い調子で話しかけるシオンさん。警戒を解こうとしてるのかな? でも、それは多分逆効果。胡散臭さに拍車がかかってる。……あっ、シオンさんはいつでもこんな感じだった。

「……ふぅん。そう。でも、見せ物はもう終わったから何も面白いものはないよ」

 その子は実に素っ気なく言う。私達を怪しんでいると言うより興味がないみたいに。

「そうか? 面白いものならまだあるだろ? 例えば、その背負っているやつとか」

 シオンさんがそう言った時、その子がピクッと反応した。

「……これを奪いに来たの?」

 そして、その子の様子が急変する。先程までの興味のなさそうな態度から一変、私達へ敵意を向ける。

「あ…………う、……はっ……」

 それはまるで喉元へと鋭利な刃物を突きつけられているようだった。初めてシオンさんと会った時に感じたものとはまた違った感じの威圧感。ただ意識を向けられ、見られているだけなのに息が苦しく、背筋に冷たい汗が流れる。

「……おいおい、そんな怖い顔しないでくれよ」

 シオンさんは今までと変わらない態度でその子と話す。私は息するのも苦しいぐらいなのにヘラヘラと。私とは全てにおいて違う。

「別に奪いに来た訳じゃない。ただ、面白そうだって思っただけだ。それが欲しいなんて思っちゃいない」
「………………」

 シオンさんはそう言ったけど、その子の様子は変わらない。武器は構えられ、威圧感は緩むことなく私達にのしかかる。

「それに面白いと思ったのはその背負っているやつより、お前だ。お前自身」
「……ボク?」

 シオンさんの言葉が通じたのか、その子からの威圧感が緩む。それにしてもシオンさんもその子に興味が? 確かに可愛いけどシオンさんよりずっと年下っぽいけど。……まさか、シオンさんロリコン?

「ああそうだ。お前だ。えーと、名前は?」
「……リン」

 その子はリンと名乗った。リンちゃん。……良いっ!

「リンね。でそうそう。俺はリン、お前の方が面白いと思った訳だ。リン。お前歳はいくつだ?」
「歳? ……十四」

 リンちゃんは十四歳。十四歳……。……良いっ! けどあんまり年相応には見えない。もう二つぐらい下に見える。背も低いし、顔も幼いし。私も二年前はこんな感じだったのかな?

「十四か。まだ十四にしてその強さ。身ごとなもんだ。ぜひともどうやってそんなに強くなったのか教えてくれよ」
「……そんなの教えなくても君はある程度強いみたいだけど?」
「いやいや。俺なんてクソ雑魚だから。それにそんなクソ雑魚が弟子を持ってしまったからもう笑えもしない。なあミイナ?」
「え? あっ、はいそうですね!」
「あ? 俺がクソ雑魚だってか? 言うようなったな~ミイナ」
「ええ!?」

 今の同意を求めたんじゃないの!? そう思ったから同意したのに!? 別にシオンさんが弱いと思ったことなんて無い! これは断言出来る! ……胡散臭いとはよく思うけど。

「……教えたって分からないよ」
「ん?」

 リンちゃんはぼそっと呟いた。その時は何言ってるのか聞き取れなかったけど、次口を開いた時にははっきりと聞き取れてしまった。

「教えたって分からないよ。クソ雑魚には」

 はっきりと。そうはっきりとシオンさんに喧嘩を売った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転

小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。 人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。 防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。 どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...