花の顔

鯨井イルカ

文字の大きさ
3 / 5

幕間

しおりを挟む
 好き、嫌い、好き、嫌い……
 
 ああ、そうか。

 花占いって、花弁の数が偶数か奇数か分からないお花を使わないといけないんでしたっけ……たしか、ヒナゲシが最適だとか。
 帰りが遅い主人を待ちながら、何気なく始めてみましたが、嫌い、で終わってしまうことが多いのは、そのせいですね。

 足の指は全部で十本。

 手の指も全部で十本。

 手近にお花が無いとはいえ、お人形さんをむしったら、嫌い、で終わってしまうのは仕方ありません。
 でも、家にはそもそもお花なんて無いですし……
 そうだ、歯なら何本あるか知らないですし、歯にしましょう。

 好き、嫌い、好き、嫌い、好き……嫌い。

 ……またしても、嫌い、で終わってしまいました。

 歯って、偶数だったんですね……

 でも、どうしましょう。
 これだと、主人が私を嫌っている、ということになってしまいます。
 私は、こんなにも主人を愛しているのに……たとえば、お人形遊び用のお人形さんにヤキモチを妬くくらいに。
 
 ああ、そうだ。
 舌をむしってしまいましょう。
 そうすれば、全部で奇数になります。

 はい、好き。

 これで安心です。

 でも、主人も酷いですよね。
 私というものがありながら、お人形遊びばかりして。
 そのくせ、すぐに飽きて捨ててしまうのですから。
 こんなに可愛らしいお人形さん達なのに、勿体ない。
 それに、処分するのだって大変なのに……

 ああ、そうでした。
 今も、お人形さんの処分をしている最中でした。
 花占い興じている場合では有りませんね。
 早く、このお人形さんを処分しないと。

 ああ、でも、きっと明日にはまた、新しいお人形さんを持って来てしまうのでしょうね。
 主人の趣味に口を出すのは、あまりよろしくないと思いますが、もう少しだけ自重なさってくだされば良いのに……

 でも、仕方ありません。
 主人と結婚するに当たっての条件が、お人形さんの処分を手伝うことでしたから。

 さて、処分の続きを始めないと。

 排水管クリーナーは、どこにありましたっけ……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

処理中です...