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本編
day -85
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「昨日の嫌なおっさん研究員誰です?金髪の奴」
「ああ……ロバートのことか。 あんな奴だが意外と役に立つぞ。金と情で動くからな。興味でしか動かない人間ばっかりのここじゃ珍しい」
「金と情は両立するんですか……? とにかく、いちいち詮索されるの嫌なんで、できれば鳴海先生がいいです」
「バカ言うなよ。 私は忙しい。 君だけ見ているわけにはいかないんだ」
仮にも主治医だと言うのに、目すら合わせない。ずっとタブレットと睨めっこだ。
研究対象としての俺はそれほどつまらないのだろうか。別にこの人の興味などどうでもいいが、往診の時間しか会話の機会もないので適当に話題を作る。
「先生ってさ、Ωなんですか?」
「答えると思うのか? ……ちなみに根拠は?」
「ん~何となく。 綺麗な顔でαにしては背が低い。あと庇護欲を唆られるって言うか……ああ、客観的に見てですよ。圭ちゃん以外のために労力を払うなんて論外」
「顔の讃辞、感謝する。 心配せずともモルモットに好かれようが嫌われようかこちらも興味ない」
結局、先生の第二の性は明らかにならなかった。科学の世界では未だΩ差別が酷く、それをどうにかしようと特にフェロモン研究に力を入れる当事者が多いと、何かの本で読んだことを思い出した。鳴海先生もその1人なのだろうか。
「ああ……ロバートのことか。 あんな奴だが意外と役に立つぞ。金と情で動くからな。興味でしか動かない人間ばっかりのここじゃ珍しい」
「金と情は両立するんですか……? とにかく、いちいち詮索されるの嫌なんで、できれば鳴海先生がいいです」
「バカ言うなよ。 私は忙しい。 君だけ見ているわけにはいかないんだ」
仮にも主治医だと言うのに、目すら合わせない。ずっとタブレットと睨めっこだ。
研究対象としての俺はそれほどつまらないのだろうか。別にこの人の興味などどうでもいいが、往診の時間しか会話の機会もないので適当に話題を作る。
「先生ってさ、Ωなんですか?」
「答えると思うのか? ……ちなみに根拠は?」
「ん~何となく。 綺麗な顔でαにしては背が低い。あと庇護欲を唆られるって言うか……ああ、客観的に見てですよ。圭ちゃん以外のために労力を払うなんて論外」
「顔の讃辞、感謝する。 心配せずともモルモットに好かれようが嫌われようかこちらも興味ない」
結局、先生の第二の性は明らかにならなかった。科学の世界では未だΩ差別が酷く、それをどうにかしようと特にフェロモン研究に力を入れる当事者が多いと、何かの本で読んだことを思い出した。鳴海先生もその1人なのだろうか。
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